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2019アニメのOP・ED曲の年間マイベスト10選

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センチメンタルクライシス

 

2019年もそろそろ終わりですが、この記事では、2019年に放送されたアニメの主題歌(OP・ED曲)で購入した21曲のうち、年間マイベスト10選を紹介したいと思います(放送クール順・購入順)。

 

 

1.「かぐや様は告らせたい」ED曲

曲名:センチメンタルクライシス

歌手:halca

アニソン界の大型新人こと鈴木雅之さんが歌うOP曲「ラブ・ドラマティック」や、第3話特殊ED曲「チカっとチカ千花っ♡」が大きな話題となっていましたが、私の中ではこの「センチメンタルクライシス」一番のお気に入りです。かぐやの切ない心情を歌った歌詞が、切ない歌声と曲調によく合っています。

 

ED映像↓

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ED曲MV↓

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OP映像↓

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第3話特殊ED映像↓

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2.「五等分の花嫁」ED曲

曲名:Sign

歌手:内田彩

五つ子が歌うキャッチーなOP曲「五等分の気持ち」も良かったですが、しっとりとした曲調Signもなかなか乙なものです。

 

ED曲MV↓

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OP曲視聴動画↓

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3.「荒野のコトブキ飛行隊」OP曲

曲名:ソラノネ

歌手:ZAQ

レシプロ機アニメにふさわしい疾走感力強さのある楽曲です。このアニメの西部劇的な雰囲気を表したようなイントロも素敵です。

 

OP映像↓

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OP曲MV↓

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4.「魔法少女特殊戦アスカ」OP曲

曲名:KODO

歌手:nonoc

とにかくカッコイイ曲です。イントロとかサビとか、最高ではないですか?

 

OP曲MV↓

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5.「約束のネバーランド」ED曲

曲名:絶体絶命

歌手:Cö shu Nie

UVERworldの歌うOP曲「Totch off」が話題でしたが、個人的にはアニメの絶望的な世界観によく似合ったこの「絶体絶命」がお気に入りです。女性歌手の裏声によって絶望感を駆り立てられませんか?

 

ED映像↓

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ED曲MV↓

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OP映像↓

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6.「みだらな青ちゃんは勉強ができない」OP曲

曲名:WONDERFUL WONDER

歌手:エドガー・サリヴァン

とにかくキャッチーな曲調と歌詞が最高ですね!

 

OP曲MV↓

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7.「川柳少女」OP曲

曲名:コトノハノオモイ

歌手:井上苑子

このアニメの爽やか青春ラブコメな雰囲気にピッタリの曲です。

 

OP曲MV↓

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8.「女子高生の無駄づかい」OP曲

曲名:輪!Moon!dass!cry!

歌手:田中望(CV:赤﨑千夏)、菊池茜(CV:戸松遥)、鷺宮しおり(CV:豊崎愛生

2019年で一番ハマった曲かもしれません。とにかく癖になる曲です!!

 

OP映像↓

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9.「炎炎ノ消防隊」(1クール目)OP曲

曲名:インフェルノ

歌手:Mrs. GREEN APPLE

声色と曲調が流々転々するのですが、それにもかかわらず全編を通して格好良くまとまっています。特にサビの裏声が好きですね!

 

OP映像↓

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OP曲MV↓

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10.「旗揚!けものみち」ED曲

曲名:アネクドット

歌手:ももすももす

やや抑揚を抑えたような歌い方やや甘めの声色の組み合わせが心に刺さりました。

 

ED曲MV↓

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2019アニメで購入した21曲のうち、ここで紹介したのは10曲なのですが、泣く泣く詳しくは紹介できなかった11曲は以下の通りです(放送クール順・購入順)。

 

 

 

2019秋アニメで購入したOP・ED曲

 

2019秋アニメもそろそろ終わりの時期になりましたが、この記事では、秋アニメの主題歌(OP曲・ED曲)のうち、私が購入した曲(5曲)を紹介したいと思います(購入順)。

※動画サイトへのリンクは公式のものしか貼っていません。OP映像・ED映像は各個人で見直してください。

 

 

1.「旗揚!けものみち」ED曲

曲名:アネクドット

歌手:ももすももす

やや抑揚を抑えた歌い方やや甘め声質の組み合わせが心に刺さりました。第1話だったか第2話だったか忘れましたが、とにかく放送初期の段階で早くも購入を決意した曲です。

声質からして歌手は声優なのかなと思ったのですが、シンガーソングライターだそうです。思えば、曲名の「アネクドット(anecdote)」という見慣れない英単語は、「逸話、秘話」という意味らしいですし、2番なんかは特に、「揺藍(ようらん)」(「ゆりかご」の意)や「寂寞(せきばく)」など難しい単語が使われているなど、シンガーソングライターっぽいです。

MVの最後のドイツ語(一部日本語?)は「Der kleine rote Stern/Eine neue Welt/Der kleine blaue Stern/Hana ni Nari/als Bein,/Sie sind die Menschen/Am Ende der Welt」という言葉が羅列されているのですが、どう解釈すべきなんでしょうね? 直訳すれば、「小さな赤い星/新たな世界/小さな青い星/花になり/足として/それらは人間である/世界の終わりに」となります。「赤い星」や「青い星」はMV全体を通じて登場する星のことだと思います。「新たな世界」はMVに登場するロケットに関わること?、「それら(Sie)」は星のことを指す?などMVの解釈について確定的なことは言えませんね(MV末尾の火災も意味深です)。そもそも歌詞が少し難解ではないですか? とはいえ、メロディーだけでも十分楽しめる曲です。

 

ED曲MV↓

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2.「厨病激発ボーイ」OP曲

曲名: 厨病激発ボーイ

歌手:皆神高校ヒーロー部(野田大和〔CV:山下大輝〕、高嶋智樹〔CV:仲村宗悟〕、中村和博〔CV:株元英彰〕、九十九零〔CV:榎木淳弥〕、厨二葉〔CV:安田陸矢〕)

ノリノリで癖になる曲です。購入もしくはMVでフルで聴いてほしいのですが、2番の方がちょっと過激でオカシイことになっています。歌詞がいちいちアニメの中でセリフとなって登場してくるのも楽しみな演出でした。

アニメ「厨病激発ボーイ」は同名のラノベ角川ビーンズ文庫)を原作としますが、さらにこのラノベは同名のボーカロイド曲(れるりり制作)を原案としています。以下のMVはこの原曲のMVです(したがって歌手はアニメOPとは違い、声優陣ではありません)。

 

OP曲の原曲MV↓

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3.「戦×恋(ヴァルラヴ)」ED曲

曲名:UP-DATE × PLEASE!!! ver 1.7.8

歌手:早乙女一千花(CV:内山夕実)、早乙女七樹(CV:本渡楓)、早乙女八雲(CV:河瀬茉希)

この曲には、上記の「ver 1.7.8」(1,4,6話)以外に、三沙(CV:清水彩香)・四乃(CV:逢田梨香子)・五夜(CV:加隅亜衣)による「UP-DATE × PLEASE!!! ver 3.4.5」(2,7話)、二葉(CV:原由美)・六海(CV:日高里菜)・九瑠璃(CV:小岩井ことり)による「UP-DATE × PLEASE!!! ver 2.6.9」(3,5,8,11話)があります(合計3パターン)。それぞれ歌手も違えば、歌い方、歌詞も少しずつ違っています。私としては最もスタンダードな「ver 1.7.8」が一番好きですね。

そしてこの曲については、ED映像にも言及しなければなりません。背景に幾何学模様を多用したこのED映像のセンスは、個人的には今期ナンバーワンです。ぜひ幾何学模様に注目してED映像を見直してみてください!

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幾何学模様を多用したED映像

 

ED曲視聴動画↓

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4.「アサシンズプライド」OP曲

曲名:Share the light

歌手:Run Girls, Run!

ちょっとPerfumeっぽいオシャレな楽曲です。アニメのファンタジーな世界観によく似合っている楽曲です。第7話あたりでこの曲の良さに気付いて購入しました。

歌詞は全体としてメリダからクーファに向けられた曲のようです。アニメのOPを聴いていて最後の方に「共有したい 教師を」みたいなところがあったのですが、歌詞を見たら「共有したい 矜持を」でした。「教師を共有したい」=「皆とクーファを共有したい」=「メリダは独占ではなくハーレム希望?」なんて思っていました。

 

OP曲MV↓

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5.「厨病激発ボーイ」ED曲

曲名:Here comes The SUN

歌手:仲村宗悟

高嶋智樹役の声優さんによる楽曲です。爽やかな青春ソングで、(ほとんど)恋愛要素のないこの青春学園アニメによく似合う曲です。惜しむらくは、この楽曲の良さに気付いたのが第9話あたりだったこと。もっと早くこの楽曲の良さに気付いておきたかった……!

 

ED曲MV↓

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6.その他の注目のOP・ED曲

「Dr. STONE」(2クール目)のOP曲「三原色」はジャンプらしい爽やかで疾走感のある曲ですね!

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「Fairy gone」(2クール目)のED曲「Stay Gold」は本編途中から始まるイントロがアニメの雰囲気に合っていて最高です!

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ぼくたちは勉強ができない!」(2クール目)のOP曲「Can now, Can now」の映像は、クレジット表記が背景映像に埋め込まれている私の大好きな演出です。

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「慎重勇者」のOP曲「TIT FOR TAT」はやけに格好良いなと思ったら、「ブギーポップは笑わない」(2019年版)のOP曲「shadowgraph」の歌手であるMYTH&ROIDが歌っているんですね。

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「慎重勇者」のED曲「be perfect, plz!」については、CGリスタのダンスについて賛否両論あるようですが、なんだかんだ癖になる曲と映像です。

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俺を好きなのはお前だけかよのOP曲「パパパ」については、声優に疎い私でも「ラブライブ!サンシャイン!!」の渡辺曜役の斉藤朱夏さんが歌っているのに気が付きました。独特の声質ですよね。

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その一方で、「戦×恋(ヴァルラヴ)」のOP曲「for…」を歌う逢田梨香子さん(桜内梨子役)には気付きませんでした💦

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「星合の空」のOP曲「水槽」中島愛)は、「色づく世界の明日から」のOP曲「17才」(ハルカトミユキ)を彷彿とさせました。

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「旗揚!けものみちのOP曲「闘魂!ケモナーマスク」はMVに力が入っていますw

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「私、能力は平均値でって言ったよね!」のOP曲「スマイルスキル=スキスキル」は、アップテンポな曲調と途中に挟まるマイルらの謎ダンスが癖になります!

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来週には、2019年アニメのOP・ED曲の年間を通じたマイベスト10を選んだ記事をアップします! 乞うご期待!!

 

 

 

「星合の空」第10話の感想とソフトテニスの解説

 

この記事には、「星合の空」第10話の感想とソフトテニスの解説を記しています(筆者がソフトテニスから離れてしばらく経っていることにご留意ください)。

第9話については以下の記事をどうぞ!

irohat.hatenablog.com

 

 

1.リストバンド

柊真と眞己がリストバンドについて話していました。

試合中は、チェンジサイズ時およびファイナルゲーム前の1分間以外には休憩がないので、タオルで汗をぬぐう暇はありません。また、個人差はありますが、発汗量によっては腕の汗がラケットを持つ腕に垂れてくるのでそれをリストバンドで食い止めるという役割もあります。

リストバンドを着ける場合は、それなりに違和感があるので、普段の練習のときから着用し試合までに慣れておく必要があると思います。

 

 

2.アンダーカットサーブ

柊真の回想で眞己がアンダーカットサーブをしていました。

アンダーカットサーブとは、膝くらいの高さでボールの下方を擦るようにスライス回転(横回転)をかけて打つサーブです。このとき、ラケットは一時的にイースタングリップまたはセミイースタングリップに持ち替えます。

スライス回転によって打球はバウンド時に大きく方向転換します。右利きの場合、サーバー視点では右方向にややカーブしつつ、地面着地時に右側にバウンドします。レシーバー視点では左側にややカーブしつつ、かつ左側にバウンドしますので、レシーバーが右利きの場合は窮屈な姿勢でレシーブすることになります。アンダーカットサーブは大きく方向転換する割に、意外とコントロールしやすいので、初級者~中級者のセカンドサービスに適しています。

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イースタングリップまたはセミイースタングリップで振りかぶって……

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②ボールの下方を擦る

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③そのまま首に巻き付けるように腕を振り抜く

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④レシーバーから見てボールは左側へバウンド

 

 

3.個人戦におけるチームメイトの応援・観戦

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フェンスの内側で応援するチームメイト

部員でもない夏南子は言わずもがなですが、実は、個人戦においてチームメイトが仲間の応援・観戦のためにコート内(フェンスの内側)に入ることは禁止されています(競技規則38条2項)。応援・観戦したければ、コート外(フェンスの外側)から行う必要があります。

 

 

4.オムニコート

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緑色のこのコートを「オムニコート」という

この地区予選の会場には、オムニコートが敷かれています。オムニコートとは、砂入り人工芝コートのことです。

学校などにある砂利のコートに比べて水はけが良いので、前日や当日朝に雨が降っても水たまりができにくく、またスポンジによる吸水・排水によって比較的短時間のうちにコートの機能を回復することができます(砂利のコートは水はけが良くないので吸水・排水に時間がかかります)。また、コートには砂がまかれており、砂利のコートと同じくボールのバウンド痕が残るため、際どい判定に際して役に立ちます。その反面、試合後にはシューズの中に大量の砂が入り込みます。

このようにメリットのたくさんあるオムニコートですが、敷設費用が高いため、強豪校を除けばほとんどの学校で砂利のコートが採用されています。

 

 

5.ゼッケン

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ゼッケン

公式試合においては試合中は、学校名と名前が書かれたゼッケンをユニフォームの背面につけます(もしくは直接印字されたユニフォームを着ます)。ゼッケンの固定方法は、縫い付け、ボタン、安全ピンなど色々です。

 

 

6.試合前の乱打

試合前(挨拶とコート・サイドの決定を済ませた後)、数分間だけ乱打の時間が設けられます。ここで相手の実力が分かったりもします。

 

 

7.審判の担当者

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選手が審判を務める

少なくとも地区予選や県大会では、審判(アンパイヤ―)は、選手(生徒)が行うのが通例です(決勝などは顧問やコーチなどの指導者が行う場合もあります)。

各コートの第一試合は、大会本部指定のペアが審判を務めます(通常は、シードとなっているペアが優先的に審判に指定されます)。第二試合の審判は、「負け審」と言って、そのコートの第一試合で負けたペアがそのまま同じコートに残り第二試合の審判を担当することになります。第三試合以降も、この「負け審」を繰り返します。

 

 

8.公式試合だけど5ゲームマッチ

ソフトテニス公式試合は7ゲームマッチで行うのが通例ですが(競技規則17条1項)、中学生(特に地区予選)などは5ゲームマッチで行われることも多々あります

 

 

9.1試合目の1球目はフォルトでは?

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ボールのバウンド地点は……?

この樹・凜太郎ペアの1ゲーム目の1球目のシーンが気になりました。

樹・凜太郎のペアは、前後の流れからして、サービスエースを取られた(レシーブミスによる失点)ようですが、このサービスは明らかにサービスコートから外れてフォルトしています。制作上のミスでしょうね。

サービスのルールについては、第3話の記事の4をどうぞ!

irohat.hatenablog.com

 

 

10.機動的なダブル後衛の利点・弱点

ダブル後衛の直央・太洋ペアは、走り回るという戦術をとっていたようです。

ダブル後衛のペアが走り回り、どちらか一方もしくは両方がネット際に出きてスマッシュやボレーを決めるという機動的な戦術は、通常は決定力に欠けるダブル後衛に攻撃力を付加するという点においては、たしかに有効です。

しかし、初級者~中級者がこのような戦術を行うのは少々無理があると思われます。前衛ポジションに出た場合には頭上から足元までどこに来たボールでもノーバウンドで返球できる技術が必要になりますし、そもそも、走り回ることによって左右に振られてボールが取れないリスクの低減体力の温存というダブル後衛のメリットを大きく損なうことになりかねません。

直央・太洋ペアの試合を俯瞰から終始連続的に見れるような描写はなかったので確定的なことは言えませんが、彼らは「二人ともコート後方に下がったままで、相手前衛を避けて相手後衛とラリーを続けてミスを待つ」というダブル後衛の基本的戦術を維持していた方が勝てたのではないでしょうか?

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わざわざ左右の位置を入れ替わって打つのはほとんど無益であり、体力の消耗を考えれば有害とも言える

 

 

第10話の記事はこちらから!

irohat.hatenablog.com

 

 

 

「星合の空」第9話の感想とソフトテニスの解説

 

この記事には、「星合の空」第9話の感想とソフトテニスの解説を記しています(筆者がソフトテニスから離れてしばらく経っていることにご留意ください)。

第8話については以下の記事をどうぞ!

irohat.hatenablog.com


 

1.「5セットマッチ」?

女子部長の黒アゲハと男子部長の柊真が「5セットマッチでいいよね?」と話していますが、これは誤りで、正しくは「5ゲームマッチ」ですね。

テニスの試合はマッチ>セット>ゲームの構造となっており、ソフトテニスの公式試合は通常、1試合を「7ゲーム1セットマッチ」(もしくは「1セット」を省略して単に「7ゲームマッチ」と言うことが多い)で行います(練習試合は「5ゲームマッチ」が多いです)。複数のセットを行うのは硬式テニスです

 

 

2.コート整備

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コート整備

学校にあるソフトテニスのコートは、ほとんどが砂利が敷き詰められたコートです。そのため、コートを使用すると、足跡ボールのバウンド痕が残ります。このまま試合をすると、コート上の凸凹によってボールのイレギュラーバウンドが頻出してしまいます。

ですので、毎日の練習の後や試合の前にはブラシ(トンボ)を使ってコート整備をします。しかし、ブラシを使うことによってライン上に砂利が乗っかってしまいますので、この後、ホウキでラインの上の砂利を掃きます。

 

 

3.グリップテープ

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グリップテープ

買ったときの状態のソフトテニスのラケットには、既にグリップテープが巻きつけられていますが(ほとんどが黒か白)、さらにこの上に各人でもう一つグリップテープを巻くのが常識です。

買ったときに巻いてあるグリップテープのままラケットを使用することもできるのですが、グリップテープは使用していると握力で削れてゆきます。なので、その上にグリップテープを巻き、これを定期的に交換するのです。

グリップテープには様々な色がありますが、白などの薄い色だと、汗などによって手の型がグリップテープに映ってしまいます。少し格好悪いですが、何しろ白はオシャレかつ多くのラケットに似合う色なので白を愛用する人は多いのです。

私のお気に入りだったルーセント製のグリップテープ↓

lucent-goods.shop-pro.jp

 

 

4.手の怪我

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利き腕の怪我は致命的

ソフトテニスのようなラケットスポーツにおいては利き腕の怪我は致命的です。2か月も休んでしまっては技術が落ちてしまいます。ちなみに、現役であっても利き腕と反対側の腕を使用しようとしても、初心者のようなフォームと打球になってしまいます(でも、上級者くらいになると反対側の腕で試合しても初級者には勝てるでしょうね)。

逆に、利き腕と反対側の腕を負傷した場合は、いくぶんかマシです(私も高校生の頃、左手の薬指を突き指して、2週間くらい固定具と包帯をつけていました)。ですが、それなりに不便もあります。一番不便なのは、サービスのトスです。利き腕と反対側の腕でトスを上げるので、その腕に何らかの支障があると、思うようにトスが上がりません。どうしてもうまくいかない場合は、ファーストサービスもセカンドサービスも(オーバーハンドではなく)アンダーハンドで打つしかありません。

 

 

第10話の記事はこちらから!

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「星合の空」第8話の感想とソフトテニスの解説

 

この記事には、「星合の空」第8話の感想とソフトテニスの解説を記しています(筆者がソフトテニスから離れてしばらく経っていることにご留意ください)。

第7話については以下の記事をどうぞ!

irohat.hatenablog.com

 

 

今回は練習も試合のシーンもほとんどなかったので危なかったのですが、なんとかネタをひねり出しました

 

1.対戦相手の偵察?

私が中高でソフトテニスをやっていたところは、地方・過疎・田舎でした。私の出身県は、生活圏が3つに分かれており、それにあわせるように、中高とも、県大会に行くための地区予選は3つの地域に別れていました。私の地域においては、ソフトテニス部があるのは(うろ覚えですが)、中学校においては12校、高校においては4校(!)でした

このような小規模な地域だったので、強い学校、強いペアの評判というのは、事前に把握しやすい環境にありました。特に高校においては、ほとんどの人が中学生からの経験者なので、中学校時代の対戦相手として知っていたり、あるいは強い人の試合を直接見ていたりしました。しかも、年に数回、練習試合や合同練習を行っていたりもしました。

そういった事情から、偵察なんかしなくとも、誰が強いペアであるとか、あのペアの癖はどうであるとか、情報は(特に高校においては)入りやすい状況でした(というか、プロでもないのに、中学生が対戦相手を偵察するというのは、なんともアニメ的な気がします)。

 

 

2.団体戦における試合形式と戦略

世の中には様々なスポーツがありますが、ソフトテニスや卓球などのラケットスポーツや、柔道や剣道などの格闘系競技の特徴として、個人戦団体戦の両方があることが挙げられます。これらの競技は、駅伝やリレーなどの記録型の団体競技とは異なり、対戦相手と勝敗を決める対戦型の団体競技です。

このような競技の団体戦においては、チームの中から誰が試合に出るかどの順番で試合に出るか、(ダブルスの場合)どのようなペアで試合に出るか、がとても重要な要素になります(これらを「オーダー」と言います)。全体として両チームの実力に差がほとんどない場合、これが団体戦における勝敗の行方を左右すると言っても過言ではありません。

そのため、たとえば、試合時間になってからコート上でコイントスして負けた方からオーダーを決定・発表するという方式であれば、公平性に欠けています(オーダーを後出しした方が有利になってしまいます)。そこで、ソフトテニスにおいては、試合の前に、オーダーの書かれた紙を大会本部に事前提出し、試合時間になってコート上に並んでから初めて対戦相手が誰になるかを知るのです。

ソフトテニス団体戦3ペアの対戦により行い、その過半数(つまり2ペア以上)を勝利したチームが団体戦の勝者となります。試合は必ずしも3試合が並行して行われるわけではないのですが(1面や2面しかコートが用意されていない場合もあります)、先に行われた2試合の結果が2-0となっていても、原則として3試合目まで行います。

 

個人戦のペアの組み方は、基本的には、一番強い前衛と一番強い後衛を、二番目に強い前衛と二番目に強い後衛を……といった具合に、強い順に前後衛のペアを組み合わせている学校が多いかと思われます。

その一方で、団体戦では一番強いペアの勝利ひとつよりも、チームとしての勝利が優先されるので、個人戦のペアを解体・再編成して、団体戦に出場する3ペア(もしくは団体戦で勝利するための最低限である2ペア)の底上げを図るというパターンが多々見られます(アニメのようにペア同士の相性が云々はあまり考慮されていません)。もちろん、個人戦のペアを崩さないパターンもありますが、これは学校同士の実力差があり過ぎて、どう組み合わせても全体として勝てる/負ける場合によく見られる光景かなあと思います。

 

 

3.ソフトテニスにおける体格の重要性?

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日下部ジョイ

第8話では、対戦相手の日下部ジョイの恵まれた体格が話題になっていました。

他の多くの競技と同じように、一般的にはソフトテニスにおいても高身長は有利に作用すると思われます。高身長ということはそれだけ腕が長く、リーチが長いために遠くまでボールが届くということです。サービスの場面では高い打点から打てるのでサーブが入りやすくなりますし、相手のロブもラケットが届いてスマッシュしやすくなります。

とはいえ、ソフトテニスでは、バスケットボールにおける身長や相撲における体格などのように、高身長ということが勝敗を決する主要な要因になるという訳ではありません。ネット型競技、特に広いコートを使用するソフトテニスは、対戦相手との身体的接触がないため、身長の高低差(体格の差)はそれほど重要ではないのです。むしろ技術力や俊敏性といった要素の方が重要かと思われます。

もちろん、高身長が技術力・俊敏性とあわさると、とんでもないフィジカル・エリートが生まれます。しかし、フィジカル・エリートを裏付けるのは高身長だけではないのです。

 

 

第9話の記事はこちらからどうぞ!

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アニメ「俺を好きなのはお前だけかよ」第9話のちょっとした感想

 

 

アニメ俺を好きなのはお前だけかよについては感想記事を書いてこなかったのですが、第9話については特に思うことがあったのでここに記すことにします。

※筆者は原作未読です。誤解があったらごめんなさい。

※筆者の人間観が反映されていますのでご留意ください。

 

 

(1)パンジーとジョーロ

まずは、汚損してしまった高額の本をバイトによって賠償しようとするジョーロの姿勢をパンジーが厳しく指弾したシーンを振り返りましょう。

パンジー「最低の理由で続けるアルバイトなんて文句しかないわ」

ジョーロ「俺が何のためにバイトしてると……?」

パンジー「自分の立場を守るためよね」

ジョーロ「な、なんのことだよ……?」

パンジー「甲子園を目指すサンちゃん、テニス部のエースのヒマワリ、生徒会長のコスモス先輩、お店を切り盛りするツバキ、みんなと比べて劣等感を持つあなたは、どうにかこの件だけは自力で解決したかった。だから今回のあなたの行動は誰かへの優しさではないわ。善意の皮を被った自己満足。私が世界で一番嫌いな感情よ」

ジョーロ「ざけんな! だとしてもテメーにとやかく言われる筋合いはねえ!」

パンジー「俺にどうしろってんだよ……俺に何がある? 俺には何もねぇ……何も、ねぇんだよ……」

パンジー「私があるわ。ジョーロ君のことが大好きで大好きで仕方ない私があるわ」

ジョーロ「んなもんは……」

パンジー「大丈夫、大丈夫よ、ジョーロ君。あなたは十分立派な人よ」

ジョーロ「パンジー……テメーはもう失せろ」

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言い争うジョーロとパンジー

パンジーはもちろん、ジョーロをストーカーするなど、これまで常人とは一線を画す人物として描かれてきましたが、ここにきて彼女の性格の「歪み」が一気に見えてきたような気がします。以下、3点にわたって具体的に記してゆきます。

 

1.賠償を固辞しようとするパンジー

まず、これは一つ前の第8話のことですが、パンジーは本を汚損してしまったジョーロの賠償を固辞しようとしていました。

一見するとこのようなパンジーの姿勢は美徳のように見えますが、「タダよりも高いものはない」という言葉があるように、負い目を感じている相手に何らかの形でその清算をさせないことは、その人に対して隠然と負い目を感じ続けさせることになります(「これまで通り図書室に通う」ことは「これまで通り」なので清算にはなりません)。そしてその人は、その負い目から、相手の要求を断りづらくなります。もしもジョーロが賠償の辞退を受け入れていたら、パンジーのジョーロに対する支配が強まったのではないでしょうか?

 

2.ジョーロのアルバイトの動機を非難するパンジー

サンちゃん、ヒマワリ、コスモス会長、ツバキらがそれぞれに個性(アイデンティティ)を確立している(ように見える)ことに対してジョーロが劣等感を抱き、それを克服するためにアルバイトをすることは、悪いことだとは全く思えません。

もちろん、他の誰のためでもなく、ほかならぬ自分のために行っているもの(自己満足)ですが、このような行動は一概に否定されるべきではありません。利己的行動が非難されるのは、それが他者の迷惑になるためですが、今回のジョーロのアルバイトは、普通に考えれば誰の迷惑にもなりません。迷惑を被る人をあえて挙げるとすれば、ジョーロと放課後に一緒に過ごす時間がなくなるパンジーが挙げられますが、これはもはやパンジーのわがままです。パンジーこそ、ジョーロのアイデンティティの形成を阻む利己的人物に思えてなりません

パンジー「今回のあなたの行動は誰かへの優しさではないわ。善意の皮を被った自己満足。私が世界で一番嫌いな感情よ」と言っています。しかし、人のあらゆる行動(とまでは言わないにしても重要な決断を伴う行動)がすべて「誰かへの優しさ」に基づかなければならないというのは、無理な話ですし、必ずしも良いことだとも思えません。そんな行動原理の人物がいたとすれば、その善意や優しさにつけ込んでその行動をコントロールしようとする人が現れてきます。まるで最近話題の「やりがい搾取」と似た構造です。パンジーはジョーロを奴隷にしたいのでしょうか?

 

3.ジョーロには自分がいると説くパンジー

自身の無個性に劣等感を抱くジョーロに対して、パンジーは自分がいると説きます。

アルバイトを通じてアイデンティティの形成を目指すというジョーロの動機を否定した上で、あなたが大好きな私こそがあなたのアイデンティティである、とパンジーはジョーロの心の隙間に入り込もうとしてきます。まるで洗脳です。

そもそも、自らのアイデンティティを他者の好意に依存することが健全だとは思えません。当事者同士はその時点ではその好意が変化することはないと信じているかもしれませんが、人の感情である以上、それなりの確率で裏切られる可能性があります。裏切られたときには、ひどいアイデンティティ・クライシスに陥り、心を病むのではないでしょうか。

アイデンティティはむしろ、安定性・持続性を持った関係(家族、郷土、母校など)や、個人的な成功体験(勉強、スポーツ、周りの人がやっていない仕事など)に基礎を置くべきではないでしょうか。これらは裏切ることが(ほとんど)ありません。

パンジーのような恋人未満の関係性の他者に、アイデンティティが依存するのは不健全に思われます。

 

 

(2)ジョーロの謝罪

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パンジーに謝罪するジョーロ

「この間は本当に悪かった! お前に本心を言い当てられて、自分が惨めに感じて、八つ当たりをした……。それで俺なりに考えたんだ……アルバイトは続ける。負い目を無くしたいからじゃねぇ。俺がお前にちゃんと新しい本を買い直したいから」

ジョーロはパンジーにこう言って謝罪しましたが、「アルバイトは続ける。負い目を無くしたいからじゃねぇ。俺がお前にちゃんと新しい本を買い直したいから」というのは、額面通りに受け取るべき言葉ではありません

まず、ジョーロはその前段において、自身が劣等感を抱いていること自体は本心であると認めているのです。そして、パンジーに賠償した後もバイトを続けていることからすれば、バイトの目的は、「俺がお前にちゃんと新しい本を買い直したいから」以外にもあり、それとはまさしく「劣等感を解消する」ことなのです。ジョーロはアルバイトを通じたアイデンティティ形成をなお目指しているのです。

ということは、上記のジョーロのセリフは、「アルバイトは続ける。負い目を無くしたいから(という理由だけ)じゃねぇ。俺がお前にちゃんと新しい本を買い直したいから(という理由もある)と補足しておくべきでしょう。

 

 

(3)ツバキとジョーロ

ジョーロにバイトの早退をすすめたとき、ツバキは「今日はゆっくり休んで考えてほしいかな。自分が何のためにアルバイトするか、何を成し遂げたいかを」と言っていました。

また、祝勝会の裏側で二人はこんな会話をしていました。

ジョーロ「それに何か話があったんだろ? 俺に」

ツバキ「アルバイトを通して君は自信を持って行動できるようになった。そんな今だからこそ、僕の本当の恩返しをさせてもらおうと思ってね」

ジョーロ「いや、もう十分世話になってるし、これ以上は……」

ツバキ「ジョーロ、君はそろそろちゃんと覚悟を持った方が良いかな。転校してきた初日、ジョーロを見てて思ったんだ。君は自分には脇役がふさわしいって考えて、自分を卑下して、大事なことから目を背けてるって。君を大切に想ってる周りの気持ちから。だから決めたんだ。ジョーロは脇役なんかじゃない、みんなの中心にいる人だって覚悟をもってもらおう、それを僕の恩返しにしようってね」

ジョーロ「お前もしかして最初から……」

ツバキ「ジョーロ、みんな君が大好きだよ。君がいるからみんなが一緒にいるんだ。その気持ち、ちゃんと受け止められるかな?」

ジョーロ「そうだな……ちゃんと受け止めるよ。なんせ俺は……」(とびっきりかわいい女の子たち、頼れる親友。こんな最高の奴らと一緒に過ごす俺がモブなわけ……いや、そもそもモブなんて世界のどこにもいねーんだ)「……どこにでもいる平凡な主人公だからな!」

ツバキ「うん、大正解かな!」

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ジョーロとツバキ

アルバイト経験やツバキとのやり取りを通じて、自身がモブでないこと、モブなんて世界のどこにもいないこと、自身も主人公であることに気付いたジョーロは、他者に劣等感を抱いたり、他者に依存したりするのではなく他者と対等な関係にある自己像=アイデンティティを形成することができました

そして注目すべきは、ツバキの発言です。「ジョーロは脇役なんかじゃない、みんなの中心にいる人」「みんな君が大好きだよ。君がいるからみんなが一緒にいるんだ」と言っているのです。ツバキは、ジョーロについて、アルバイトをしていることだけでなく、みんなの中心的人物であることを指摘し、ジョーロにそのアイデンティティの在処を気付かせてくれていますジョーロのアイデンティティを自身に依存させようとしたパンジーとは真逆のセリフです

 

こうしてみてみると、無個性なことを劣等感として抱くジョーロに対して、その心の隙間に入り込もうとするパンジーと、ジョーロが無個性ではないことを気付かせ激励するツバキとが好対照な第9話でした。

どちらの方がジョーロにとって好ましい人物かと問われれば、一般的な感覚からすれば、もちろんツバキです。正ヒロインにふさわしいのは、パンジーではなく、ツバキではないでしょうか? いや、でも、この作品のヒロインたちは一様にどこかで失点をしているので、ツバキもその例外ではない……?

 

 

まあ、こんなことを考えたアニメ「俺を好きなのはお前だけかよ」の第9話でした。

次話の特別編「俺は丁寧に進める」というのは、「(これまでの放送を振り返ってストーリーを)丁寧に進める」だけでなく、「(作画を)丁寧に進める」ということも意味しているんでしょうか?

 

 

ドラマ「あおざくら 防衛大学校物語」第5話の感想と原作との違い

 

ドラマ特区「あおざくら 防衛大学校物語」-【MBS】毎日放送

この記事は、ドラマあおざくら 防衛大学校物語第5話(最終話)の感想記事です。

TVerでも無料配信しているので、見逃した方、もう一度見たい方は下記リンクからどうぞ!

tver.jp

 

第4話の感想については、こちらの記事をどうぞ!

irohat.hatenablog.com

 

 

まずは第5話のあらすじを。

近藤が、夜中目を覚ますと、原田の姿が見当たらない!まさか原田は防大から逃げ出したのか?!それは、すなわち脱柵をしてしまったということなのか!?

姿を消してしまった原田を必死で探す近藤は、思い悩み一人座り込む原田の姿を発見。必死に原田を説得する近藤。そんな中、鬼先輩の坂木がやってきて…。果たして、原田の出した答えとは…!?

そして防大の厳しい日々の中で、少しずつ何かが変わり始めた彼らの未来とは!?

 

ドラマ第5話は、原作第2巻第15話~第16話(脱柵編)および第4巻第35話(発熱編)に対応しています。

 

それでは、印象に残ったシーンや原作との違いに着目しつつ、ドラマ第5話を振り返りたいと思います。

 

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洗濯乾燥室を覗き込む坂木部屋長

このシーンについて、ドラマでも原作でも明言されていなかったのですが、「最悪の事態」とはやはり「自殺」のことなのでしょうか? 衣類を乾かす洗濯乾燥室でこの発言ということは、首吊りにおあつらえ向きの物干し竿があるということ……?

 

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プールサイドに座り込む原田

ドラマで近藤が原田を発見したのはプールでしたが、原作では敷地内の森でした。当然、原作には近藤がプールに落ちるシーンもありません。原作では代わりに(?)、逃げる原田と揉み合いになるうちに、近藤は顔に肘鉄を食らってしまいます。

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プールで溺れる近藤

しかし、近藤がプールで溺れるシーンについては、近藤は泳ぎが下手だという原作の設定が活かされています(原作第5巻)。

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近藤を助けに行く坂木部屋長

もちろん、原作では坂木部屋長は溺れた近藤を助けに来ません(そもそもプールの場面がないので)。そのため、原作では坂木部屋長は、近藤が「夢も目標もまだない」と語るシーンにはいません。

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「俺は、原田やみんなと違って、夢も目標もまだない……」

 

プールで溺れてしまった近藤ですが、翌朝、風邪をひいてしまいました。これは原作4巻35話の展開をここに持ってきたと思われます(しかし、ドラマでは38.9℃、原作では38.4℃という微妙な違いが……)。

近藤の頭をつかんで熱を測る坂木部屋長はドラマオリジナルでしたが、彼のキャラがよく活かされたシーンだったと思います!

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「てめぇ、風邪ひきやがったな」

 

近藤が「ああ~でもでもでもでも! 俺、男子トイレの清掃当番が! あとプレスも洗濯も残ってて……」と言うシーンですが、なんかここの近藤は、原作とはキャラが違うように見えませんでしたか? 原作の近藤は「でも」を4回も繰り返すようなキャラではないし、あんなオロオロした話し方をするような男でもないように思います。風邪のせい、と言ってしまえばそうかもしれませんが。

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「ああ~でもでもでもでも! 俺、男子トイレの清掃当番が! あとプレスも洗濯も残ってて……」

この二人の迫力ある顔はやっぱり良いですね!

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「寝てろ!」

 

近藤の看病のシーンもやはりドラマ的な変更がなされていました。

ドラマでは、坂木部屋長が濡れタオルを額にあてる、「しんどいな」と話しかける、プリンを持ち出す、「何かしてほしことはないか?」と持ち掛ける、原田の脱柵について相談される、という流れでした。

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乙女ゲームのような画角

それに対して、原作では、実際は西脇サブ長がプリンを食べさせてくれているのに、幼馴染の松井常代が茶碗蒸しを食べさせてくれるという妄想をしたり、同学年の岡上乙女がお見舞いに来てくれてたりします。原作ではこのようなブコメ展開があったのですが、ドラマではヒロインが二人とも登場しないこともあって、きっちりと変更されていました。というか、その代わりを坂木部屋長が務めたことによって「ある種のサービスシーン」になっていましたね

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近藤の相談にのる坂木

ドラマでは近藤が原田の脱柵について「原田の脱柵を引き止めてよかったのでしょうか?」相談した相手は坂木部屋長でしたが、原作での相談相手は松平でした。そしてドラマではこの会話を沖田と武井がこっそり聞いているのですが、原作ではこの二人は結局、原田の脱柵については知らないままです。

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聞き耳を立てる沖田と武井

 

なんだこのシーンwと思ったのが、西脇サブ長のトイレ掃除のシーンです。完全にドラマオリジナルで予想もしていなかったですw

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「特別に西脇秘伝のトイレ掃除を披露しよう!」

 

沖田が「僕だってホントは無いんだよ。確固たる目標なんて……」というシーンはドラマオリジナルでした。「口ではそれっぽく言っているけど、根っこの根っこは家族をあっと言わせたい。そこだもん」というようなセリフは(たぶん)原作にはなく、沖田の事情についてドラマなりに突っ込んでいるようでした

原作第4巻第33話~第34話は、ダメっ子の沖田に焦点があたるエピソードでしたが、同様の発言はありませんでした。ただ、海将補の父のようにはなれないと言う姉に対して沖田が「僕だって父さんみたいに…なってみせるさ…」と言ったセリフを、ドラマではさらに突き進めて上記の「家族をあっと言わせたい」というセリフにしたのでしょうか?

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「僕だってホントは無いんだよ。確固たる目標なんて……」

原田の「俺はただ、逃げてきただけだ。大事な試合でヘマして野球部にいられなくなって、とにかく逃げ出したくて、必死に理由探して、そんで防大受けて…」というシーンも、武井の「んなこと言ったら俺なんて、誰かさんに邪念の塊だって暴露されているしな」というシーンもドラマオリジナルです(前者については元ネタが原作のどこかにあるかもしれません)。

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「俺はただ、逃げてきただけだ」

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「んなこと言ったら俺なんて、誰かさんに邪念の塊だって暴露されているしな」

どうやら、上記のベッド上での坂木部屋長との相談の場面から、沖田の「僕たち、まだみんな同じで、弱くてフワフワしてて、だから支え合っていろんなこと乗り越えて行けばいいんじゃないかな」というセリフ、そして坂木部屋長の「今、てめぇらが欲しいもんを持ってなくても、この先で見つけりゃいいだろ?」というセリフに至るまでが、原作における松平先輩との相談場面に置き換わっているようですね。

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僕たち、まだみんな同じで、弱くてフワフワしてて、だから支え合っていろんなこと乗り越えて行けばいいんじゃないかな」

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「今、てめぇらが欲しいもんを持ってなくても、この先で見つけりゃいいだろ?」

 

近藤がタダでプレスかけのコツを教えると言って沖田らを驚かせたシーンはドラマオリジナルですね。

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後ろの人たち(同期?)も驚いた近藤の発言

 

最後らへんの「金と勉強のためにここに来た。けど、今は思う。いつか何かでっかいことをやり遂げたい。こいつらと」という近藤の締めのセリフですが、ここは(少なくとも現時点での)原作とは少々軌道がズレているような気がします。

原作の第11巻第105話や第12巻第107話の「目標」「憧れ」などを始めとする原作の全体的なストーリーからすれば、防衛大学校に来た目的については、「こいつら=同期」と関連付けられるよりも「坂木部屋長」と関連付けられる方がしっくりきます。もちろん、今後の原作で近藤が「同期と何かでっかいことをやり遂げたい」という発言をする可能性はありますが。

 

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制服と規律

 

 

最後にメインキャストの7名について一言ずつ(素人目でのコメントなのでご笑覧を)。

本郷奏多さん(役:近藤勇):漫画実写化の主演という胃の痛くなりそうな役どころお疲れ様でした。

小澤廉さん(役:沖田蒼司):原作の沖田の雰囲気が良く再現されていました。原作のキャラに沿った沖田の演技ができる人は限られますよね。

結木滉星さん(役:原田忠):原作と違って長髪イケメンになっていましたが、原田の言動・心情を細やかに演じられていたと思います。

小園凌央さん(役:武井寅明):最後に言わせてください……あの髪型と眼鏡は三四郎の小宮さんにそっくりですよね!? ヘルウィークの階段ランニングでコーンの代わりになっているときの表情が良かったです!

高崎翔太さん(役:坂木龍也):マイベストアクター賞を勝手に贈呈させてもらいます。特に毎度のように近藤らに怒声を飛ばすシーンは良かったです! 原作よりもデレ多めのツンデレでしたね。

伊阪達也さん(役:西脇鷹史):原作のコミカルなキャラを実写で再現するのは大変だったかと思いますが、きっちりとそれを掴んだ演技だったと思います。あと、イケボですね!

狩野健斗さん(役:松平容介):ベストキャスティングです。顔の造形から表情の作り方まで、漫画から飛び出てきたかのようにそっくりでした。

 

 

さて、ドラマの最後で発表されましたが、本作品は2020年4月にドラマと同じキャストで舞台化されるそうです。詳しくは以下リンクから!

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舞台化!

aozakura-stage.com

 

 

そして11月18日に原作最新刊の第14巻が発売されました! 巻末にはTVドラマ&舞台に出演する高崎翔太さん(役:坂木龍也)と小澤廉さん(役:沖田蒼司)の対談が収録されています。撮影現場での裏話などを知ることができます! ドラマ版の視聴者の方も是非手に取ってみてください! また、第14巻については感想記事を書いているのでぜひご覧になってください! 

irohat.hatenablog.com

 

 

「星合の空」第7話の感想とソフトテニスの解説

 

この記事には、「星合の空」第7話の感想とソフトテニスの解説を記しています(筆者がソフトテニスから離れてしばらく経っていることにご留意ください)。

第6話については以下の記事をどうぞ!

irohat.hatenablog.com

 

 

1.声かけは大事!

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衝突するアラシと須永

第7話開幕早々、柊真の絶妙な位置への打球によって、御崎学園のペアが失点してしまいました。このように、ちょうどペアの中間位置へ来た打球については、どちらが取るかペアの間で「取る!」「取って!」などの声かけをしなければなりません

この御崎学園のペアについては、普段のパワーバランスからして察するに、王寺アラシの方が「自分が取る」と声かけしつつ、ボールを取りに行くべきだったでしょう。ちなみに、後衛のアラシがこのボールを取りに行った場合、ポジションがかなりネット寄りになってしまいコート後方が空いてしまうので、前衛の須永は後ろに下がり、一時的に前後衛のポジションを逆転させた方が良いでしょう。

 

その次のポイントについては、アラシが「どけ!」と言って自分が返球する旨を宣言していますが、言うまでもなくアラシのミスです。ほとんど前衛の正面に来た――その意味では柊真のコースミスと言える――打球を、後衛のアラシが「どけ!」と言って取りに来るのは、明らかに前衛の領分を侵しています。その結果、前衛の須永がボレーミスをして眞己にスマッシュを決められたのも、アラシのせいです。

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前衛の守備範囲に突っ込んでくるアラシ

3ゲーム目の御崎学園側の失点のいずれにしても、眞己の言う通り、ペア間の非対等な関係とそれに基づくコミュニケーション不全に由来しています。しかし、アラシはファイナルゲームでやっとペアの健全な関係に思い至ったようです。

 

 

2.メンタルスポーツとしてのソフトテニス

ソフトテニスは――多かれ少なかれ他の競技と同じように――メンタルスポーツの側面があります。焦り苛立ち緊張不安などによって、プレーは乱れてゆきます。

その中でも特に影響を受けるのがサービスかと思います。レシーブやラリーは半ば反射のように体が反応しますが、サービスだけは自分自身のポジションとタイミングで始められるので、その分だけ自身のメンタル面が試されます。メンタルが乱れると、トスがいつもの位置、いつもの高さに上げられず、したがってサーブも入らなくなるのです。

4ゲーム目の御崎学園のアラシのように、キレて自分のペアを動揺させるのは、もってのほかです。ペア(チーム)スポーツ全般に言えることだと思いますが、ペアは互いを励まし合い、支え合わなければなりません。自分が不調のときは明るく振舞うよう努め、相手が不調のときは励まさなければなりません。

 

 

3.ファイナルゲームの進め方

3ゲームマッチにおける3ゲーム目、5ゲームマッチにおける5ゲーム目、あるいは7ゲームマッチにおける7ゲーム目は、「ファイナルゲーム」と呼ばれ、ファイナルゲーム以外のゲームとは異なるルールで進行されます。

まず違うのは、作中でも説明された通り、ファイナルゲームは、他のゲームのように4ポイント先取制ではなく、7ポイント先取制であるという点です。

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ファイナルゲームは7ポイント先取制

もう一つの違う点は、作中では明言されていませんでしたが、サイドとコートの公平を期すために、ファイナルゲームの最中にサービス/レシーブやコートが交代します2ポイントごとにサービス/レシーブが交代し、4ポイントごとにコートが交代します

柊真・眞己ペア―アラシ・須永ペアの試合に照らせば、具体的な手順は以下の通りになります(便宜上、コートの各サイドに「東側」「西側」と名付けています)。

1ポイント目:東側・サーバー・柊真――西側・レシーバー・アラシ

2ポイント目:東側・サーバー・柊真――西側・レシーバー・須永

  (チェンジサイズ)

3ポイント目:東側・サーバー・アラシ――西側・レシーバー・柊真

4ポイント目:東側・サーバー・アラシ――西側・レシーバー・眞己

  (チェンジサービス)

5ポイント目:西側・サーバー・眞己――東側・レシーバー・アラシ

6ポイント目:西側・サーバー・眞己――東側・レシーバー・須永

  (チェンジサイズ)

7ポイント目:西側・サーバー・須永――東側・レシーバー・柊真

8ポイント目:西側・サーバー・須永――東側・レシーバー・眞己

(チェンジサービス後、以降の手順は1ポイント目からの繰り返し)

ポイントのカウントが2-2のとき(つまり5ポイント目のとき)、眞己がサーバーだったのは、以上の手順を踏んでいるからです(普通のゲームであれば、5ポイント目は柊真がサーバーのはずです)。

 

 

4.デュースについて

デュースについては、他のネット型競技と同じく、2点差がつかなければゲーム終了となりません(4ポイント先取制の通常のゲームについては3-3から、7ポイント先取制のファイナルゲームについては6-6からデュースになります)。デュースが続く展開(デュースアゲイン)も、アドバンテージが取られっぱなしの展開も、非常に緊張する状況です。

ところで、ひとつ疑問なのですが、作中でファイナルゲームにおけるポイントが(サーバー:アラシ・須永)6―5(レシーバー:柊真・眞己)のとき、審判が「アドバンテージ・サーバー」とコールしていました。しかし、「アドバンテージ」コールをするのはデュースになった後からのことであって、7ポイント先取制のファイナルゲームにおいてはデュースが6-6から始まることからすれば、6-5「シックス・ファイブ」とコールすべきなのではないでしょうか。現役の方、経験者の方、いかがでしょうか?

 

 

5.王寺アラシのラケット

王寺アラシの使っているラケットは、ヨネックス製「NANOFORCE 8V REV」(フレイムレッド)のようです(ディティールの再現がすごい!)。

NANOFORCE 8V REV | RACQUETS ラケット | YONEX SOFT TENNIS ヨネックスソフトテニス

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NANOFORCE 8V REV(その1)

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NANOFORCE 8V REV(その2)

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NANOFORCE 8V REV(その3)

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NANOFORCE 8V REV(その4)

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NANOFORCE 8V REV(その5)

このモデルは、メーカーとしては前衛向けモデルとして宣伝しているようですが、実際は後衛にも人気が高いラケットのようです。

ある記事(【魅力3選】8シリーズといえば、NANOFORCE 8V REV 【各地で神ラケットと話題】|tatsumisports-pro もっと詳しく商品解説ブログ)によれば、このラケットは、前衛向けというより後衛向けの全長(前衛向けにしては長い)、前衛向けにしてはヘッドがやや重い(重心が普通よりヘッド寄り)などの特徴を有しています。アラシのように、前後衛どちらもできるプレイヤーにとっては重宝するモデルなのでしょう。

 

 

 

 

ドラマ「あおざくら 防衛大学校物語」第4話の感想と原作との違い

 

ドラマ特区「あおざくら 防衛大学校物語」-【MBS】毎日放送

この記事は、ドラマあおざくら 防衛大学校物語第4話の感想記事です。

TVerでも無料配信しているので、見逃した方、もう一度見たい方は下記リンクからどうぞ!

tver.jp

 

第3話の感想については、こちらの記事をどうぞ!

irohat.hatenablog.com

 

 

まずは第4話のあらすじを。

少しずつ、防大の厳しい日常に慣れてきた近藤たち。そんな彼らは銃貸与式を迎える。

しかし、銃解体の授業で、原田が銃の部品を紛失してしまう事態が発生。それから、ミスを繰り返し空回りする原田。先輩からの呼び出しも頻発。

そんな原田を励まそうと気遣う近藤、沖田、武井たちだったが、遂に最悪の事態が起ころうとしていた…。

 

ドラマ第4話は、原作の第2巻第12話~第14話に対応しています。が、第14話の中心的場面であるカッター競技会のシーンはバッサリとカットされています。

 

 

それでは、印象に残ったシーンや原作との違いに着目しつつ、ドラマ第4話を振り返りたいと思います。

 

まず、ドラマオリジナルとして目についたのが、最初の脱柵(原田ではない学生の脱柵)です。原作ではこのようなシーンはありませんでした。

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臨時点呼!

 

原作と同じく、以下のシーンは印象深い場面でした。

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「銃は重いぞ」

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銃を放してくれない?

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「原田を孤立させるんじゃねぇ」

 

ドラマ第1話でも登場しましたが、沖田の姉・美月さんは写真で登場しています。

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「ボク、銃、受け取ったとき、家族の顔、浮かんできて……母さんとかお姉ちゃんとか」

その際の「沖田の姉ちゃん可愛いもんな~。俺、全然守るよ」とか「いや、俺が守る」とか、「お母さま」「お姉さま」のシーンは、ドラマオリジナルの会話ですね。もしかしたらアドリブかも。

 

 

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一人で食事をする原田

原作のこのシーンでは原田は思わず泣いてしまうのですが、ドラマでは引きのカメラワークのままだったので、涙が流れたかどうかは判別できませんでした。が、鼻をすすった音はちゃんと聞こえてきました。

 

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廊下を歩く近藤と原田

この廊下を歩くシーンはドラマオリジナルですね。ここでの会話は、ドラマではカットされたカッター競技会後のシーンのものでした。このとき、ドラマでは近藤はノートを出世払いで貸すことを原田に提案していますが、原作にはありませんでした。どうやらドラマの近藤の方が気が利いているようです。

 

また、その後に居室(自習室)で次の外出日について話し合うシーンもドラマオリジナルでした。

武井が気を遣って原田に次の外出日について提案しますが、武井がこんな仲間想いな一面を見せたのは、ドラマ第3話でのヘルウィーク騒動があったです。原作通りに原田脱柵編→武井ヘルウィーク編の順序で進んでいれば、武井はこのような提案をしなかったと思われます。

また、原田に「モテモテ防大生として、横浜にアバンチュールしに行く」と言われて誘いを断られた武井が、原田に詰め寄るシーンも同様です。ドラマ第3話で明らかなったモテる奴らを憎む武井のキャラが上手く活かされています

いずれのシーンについても、ドラマによって変更されたエピソードの順序を活かした上手い脚本構成です。

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「原田。お前、どこか行きたい所ないのか?」

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「モテモテアバンチュールぅ?」

 

その後も原田の脱柵に至るまで、怒涛のドラマオリジナルシーンが続きます

沖田がパンケーキ外出にワクワクするシーンも、原田がトイレに残って近藤らをやり過ごすシーンも、原田と近藤が学校に残って自習するシーンも、調理室で原田が近藤に弱音を吐露したシーンも、沖田の一人パンケーキ自撮りが送られてきたシーンも、ボヤのシーンも、その後の寝室で会話するシーンも、すべてドラマオリジナルです。

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「パンケーキ食べたい♪」

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トイレに残って近藤らをやり過ごす原田

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学校に残って自習する原田と近藤

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「なんか最近みんなに迷惑かけてばっかで、俺、向いていないのかもな~」

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沖田の一人パンケーキ自撮り

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ボヤを起こした原田

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脱柵の話を振られ、思いつめた表情をする原田

 

このようにオリジナルのシーンがかなり追加されたドラマ第4話を振り返ってみると、最終話の第5話に向けた尺調整をしている印象を強く受けました。

 

さて、ドラマ第5話(最終話)のサブタイトルは「あおざくら!」です。原作第2巻第15話~第16話をベースにしたエピソードになると思われますが、おそらくドラマオリジナルのシーンもかなり入ってくると予想されます。公開されているドラマ第5話のあらすじは以下の通りです。

近藤が、夜中目を覚ますと、原田の姿が見当たらない!まさか原田は防大から逃げ出したのか?!それは、すなわち脱柵をしてしまったということなのか!?

姿を消してしまった原田を必死で探す近藤は、思い悩み一人座り込む原田の姿を発見。必死に原田を説得する近藤。そんな中、鬼先輩の坂木がやってきて…。果たして、原田の出した答えとは…!?

そして防大の厳しい日々の中で、少しずつ何かが変わり始めた彼らの未来とは!?

 

 

下記サイトより、11月30日まで原作マンガ第1巻~第3巻の無登録・無料の試し読みができるのでぜひ!

www.cmoa.jp

 

また、11月18日原作最新刊の第14巻が発売されました! 巻末にはTVドラマ&舞台に出演する高崎翔太さん(役:坂木龍也)と小澤廉さん(役:沖田蒼司)の対談が収録されています。撮影現場での裏話などを知ることができます! ドラマ版の視聴者の方も是非手に取ってみてください! また、第14巻については感想記事を書いているのでぜひご覧になってください! 

irohat.hatenablog.com

 

 

ドラマ第5話(最終話)の感想記事はこちらから!

irohat.hatenablog.com

 

 

『あおざくら 防衛大学校物語』第14巻の感想

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あおざくら 防衛大学校物語』第14巻


この記事は、二階堂ヒカルあおざくら 防衛大学校物語』第14巻(2019年11月18日発売)の感想記事です(TVドラマの記事ではなく、原作マンガの記事です)。ネタバレにご注意ください!

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なお、第14巻巻末に、TVドラマ&舞台に出演する高崎翔太さん(役:坂木龍也)と小澤廉さん(役:沖田蒼司)の対談が収録されています。撮影現場での裏話などを知ることができます! ドラマ版の視聴者の方も是非手に取ってみてください!

 

 

第14巻のあらすじ

冬休みでつかの間の休暇…と思いきや事件続発!!

長かった中期が終わり、冬休みに突入。

初日を「部屋会」で過ごすと先輩から聞いていた近藤と土方だったが、その会場はまさかの温泉宿! 上級生たちに学ぶ「オフの過ごし方」とは――!?

部屋会の後も、犬猿の仲であるはずの土方が実家に来たり、クリスマスダンスパーティーで色々あった松井と年末年始を一緒に過ごしたりと、近藤にとっては重大イベント満載のようで…!?

新年、新キャラ、新展開!! 勢いを増す青春“防大”物語!!!

〔裏表紙より〕

 

第14巻は、おおよそ、部屋会(127話~128話)、実家で年末年始(129話~132話)、坂木らの新年会(133話)、後期スタート(134話~136話)という構成です。

 

第14巻の感想としては書くべきことはたくさんあるのでしょうが、ブコメの側面に注目して感想を書きたいと思います。

 

 

(1)松井常代との関係

第14巻における近藤と松井常代の関係を語る前に、まずは第13巻第123話での出来事を振り返っておかなければなりません。クリスマスダンスパーティーの後、二人の別れ際、常代は駅の構内で近藤に向かってこう叫びました。

こっ…近藤君!! 本当はもっと話がしたかった! ドレス姿かわいいねって言ってほしかった!! 素敵な場所で会えて嬉しかったのに!! 年末年始の予定もっといろいろ立てたかった! アンタと一緒に踊りたかった!!! 

と言って、常代は近藤に駆け寄りその頬にキスをして、「おせち作って、待ってるから!!」と帰って行きました。

「大胆な告白は女の子の特権」なんて格言がありますが、常代の告白はまさにそれでした(それにしても、赤面して「おせち作って、待ってるから!!」というダメ押しのセリフには作者のセンスしか感じません)。ダンスパーティーの後は両者の間にメールなどのやり取りはなく、近藤が帰省するまで二人の関係は宙ぶらりんでした。

 

そして第14巻。近藤が実家に帰ると、そこには常代が待っていたのです!! そこで二人はきちんと話をすることになりました(129話)。

近藤「えっと…その、いやオレ…オマエのこと…ずっとそういう風に思ってなくて。だってさ…家族みたいにやってきたわけじゃんか。いきなりそんな、キ…スとか…」

常代(近藤の手を握って)「ねえ。私の…初めてだったんだよ…どう責任取ってくれるの…!?」

近藤(赤面して絶句)

常代「あはははっ、おっかしー!! アンタのそんなリアクション初めて見た… 自業自得! 女の子達に期待させた罰よ。苦しみました?」

近藤「なんだよ。それ…じゃあ、まさかあのとき言った事も冗談だったのか!?」

常代「……ううん。それは違うよ。あれは私の、本当の、気持ち。」

近藤「変だって思われると思うけど、一応、その…答えを考えてきたから最後までちゃんと聞いてほしい」

常代「はい」

近藤「……オレ、正直に言って、今の松井の気持ちに、真剣に向き合ってやれないと思う。今のオレは防大の生活だけでいっぱいいっぱいで、とても恋愛のことなんて考えられる状況じゃない。やっと摑めてきた今の生活を、疎かにしたくないんだ。ただ、あの日、松井に言われて気づいたよ…オレはずっと松井のこと、家族同然の幼馴染だと思ってたけど、松井は違ったんだな。…あのとき叫んでたことを、ずっと考えてくれてたんだよな。お前の気持ち邪険にしてて…本当にごめん…」

常代(ちゃんと伝わってる…私の気持ち…)「ど、どうせ…アンタが器用な人間じゃないってことは私が一番知ってんだから。変わらないわね、近藤くんは。今向き合えないなら向き合ってくれるその時まで、私はいつでもここにいるから」

 

宙ぶらりんの状態がなんとか丸く収まったのは良かったのですが、常代の告白は近藤に断られる形となってしまいました

近藤の「今は忙しい」的な返事は、ラブコメ作品でも現実でも、気持ちがない相手の告白を断るための方便として使われる例が少なくありません。しかし、常代は、近藤の言葉が真摯な気持ちに裏打ちされたものだと確信しています。まさに近藤勇美という人物をよく理解している幼馴染だからこそのなせる業です。

それに、「今は忙しい」的な返事への分かりやすい常代への伏線は第13巻第123話で既に用意されていました。ダンスパーティーの後、近藤に告白する前、常代は、15股騒動への解決策として彼女を作ることを近藤に提案しますが、「交際費がバカにならないし、割く時間も正直惜しい」と言い切られています。

 

このように近藤という人間を理解しているからこそ近藤との信頼関係があるからこそ、常代は「今向き合えないなら向き合ってくれるその時まで、私はいつでもここにいるから」「…簡単に気移りしないでよね」と言ったりするなど、引き続き近藤に対して積極的・前向きに接することができたのではないでしょうか。

また、儀仗隊の写真を見て近藤と岡上乙女の関係を疑ったり、防衛大に行ってからすっかり変わった様子の近藤を見て心配する母親に対して、「大丈夫ですよ、おばさん…大事なことはキッパリ言い切って誤魔化せない…根本の部分は何も変わらない、勇美君ですから!」と言い切ったりもしています(130話)。もはや正妻といっても過言ではありませんよね!?

 

さて、近藤は近藤の方で、思った通りのことを発言するという性格は変わっていませんが、しかし、恋愛スキルは確実にアップしています。ダンスパーティーの際の常代の気持ちを理解したり(129話)、常代の振り袖姿を褒めたりするなんて(131話)、第3巻で「原宿でカワイイ娘に声をかけて一緒に写メ100人斬り」のときに常代に遭遇し、その後わけも分からず謝罪したときとは大違いです。

そして、第131話で近藤は、常代が大学の先輩である佐々木にターゲットにされていることを知ります。近藤は佐々木のゲスな発言にムカついたようですが、なぜムカついたのでしょうか――? その気持ちは? また、真剣な顔で口を開けたまま何も言わなかった近藤は、常代に向けて何を言おうとしたのでしょうか――?

 

 

(2)妹・理絵がいい味を出している!!

近藤と常代の関係性において、近藤の妹・理絵はいい味を出しています。個人的には第14巻のMVPを授けたいと思います。

特に良かったのが、実家に帰った近藤と常代の再開のシーンです(129話48頁)。赤面してどこか気まずそうな様子の二人を見て、「妹は悟った…」のシーンは最高でした。

また、近藤が常代の振り袖姿を褒めたとき(131話91頁)、左下のコマで理絵はとんでもない顔でニヤついていますw

さらに、実家に土方が来たときには(132話96頁)、近藤が常代の告白を断った理由について、近藤の性的指向に原因があるのではないかと大興奮してしまいましたw

出番が少ないのにいいキャラしてますよね!

 

 

(3)岡上乙女との関係

さて、正ヒロインレースにおいて常代に遅れをとってしまったのは、岡上乙女です。第14巻において彼女の出番は多くありませんでした。しかし、乙女は乙女で獲得したものがあるようです(134話)。

近藤と原田の「告白を断った」「目標を達成するまでは恋愛を考えられない」という会話を聞いていた乙女が、少なからず好印象を持っている近藤の「告白を断った」という話を聞いて安心したのは間違いないはずです。

しかし、それ以上に乙女の心に響いたのは、「目標を達成するまでは恋愛を考えられない」という方でしょう。近藤と乙女は、同じく坂木部屋長/兄を目標の人物とすることで一致しています(第11巻第105話)。近藤のその信念が揺らいでおらず、二人で同じ目標を追いかけることができるというのは、乙女にとって心強かったはずです

 

ところで、近藤と乙女の関係は、「同じ目標を持つもの同士」という関係のみに解消・発展されたわけではありません。近藤は「今の松井の気持ちに、真剣に向き合ってやれないと思う」と言って常代の告白は断ったものの、「オレはオマエ以外の女とは付き合う気はないから、待っててくれ!」みたいなセリフは一度も言っていません。つまり、まだ言質は取られていないのです! 乙女にはまだチャンスがあるのです!!

 

 

さて、第15巻の発売は、2020年2月18日の予定だそうです。続きが楽しみですね!