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【9/26追記】「かげきしょうじょ!!」アニメ化の範囲は?――原作漫画のエピソードの取捨選択について

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テレビアニメ「かげきしょうじょ!!」第1話

 

ついに放送が開始されましたテレビアニメ「かげきしょうじょ!!」ですが、原作漫画はどこまでアニメ化されるのでしょうか? 色々な情報を総合して考察してみました。

 

 

公式情報(その1)

公式情報によれば、アニメBlu-ray特典として、スピンオフの収録されたドラマCDが封入されるようです。ということは、ここでCDドラマ化されたエピソードはアニメ本編には組み込まれないことを意味します。具体的には、以下の3エピソードがCDドラマ化されるようです(なお、Blu-ray第1巻の特典CDには、アニメ1話で流れたJPX48の「ごめんねLOVE」が収録されるようです)。

  • Blu-ray第2巻特典CD スピンオフドラマ「ファントム」
  • Blu-ray第3巻特典CD スピンオフドラマ「絶対ヒロイン」
  • Blu-ray第4巻特典CD スピンオフドラマ「99期生の卒業式」

 

 

公式情報(その2)

監督の米田和弘さんとシリーズ構成の森下直さんの対談記事では、以下のようなやり取りがありました。

――原作のエピソードの取捨選択を行う上では、どこがポイントだと考えておられましたか?

森下 全体の流れでいうと、最初は間違いなくさらさと愛を中心に話を進めようと思いました。そうしつつも、他の生徒たちや先生たちのキャラクターやバックグラウンドがじわっとわかるようにする。〔中略〕軸に絡まないエピソードにもいいものがたくさんあって、泣く泣く削ったものもあります。スピンオフ的なエピソードは、本編には何とかギリギリ一本だけ入れられた感じですね……。

米田 原作を読んじゃうと、どうしても欲張りたくなってしまうんですけど、エピソードの区切りの良いところまではアニメ化したいというのが大前提であったので、どうしても学校生活のエピソードが中心にはなりました。ただ、森下さんにエピソードの取捨選択は基本お任せしていたんですが、僕の大好きなスピンオフのエピソードが一本、何も伝えてないのに構成に入っていたんですよ。あれはうれしくて、見たときに「よっしゃ!」と思いました(笑)。

このやり取りの要点をまとめると、以下のようになります。

① さらさと愛の物語が中心となる。
② 学校生活が物語の中心となる。
③ スピンオフエピソードのアニメ化は1つだけ。

①については、そもそも『かげきしょうじょ!!』の主人公がさらさと愛なので、①から得られる情報は抽象的すぎます。②については、帰省やさらさの過去に関するエピソードが削られる可能性を示唆していると思われます。③については、Blu-ray特典CDにスピンオフエピソードが3つ盛り込まれていることと併せて考える必要がります。

 

 

原作漫画を振り返る

さて、アニメ化の範囲の考察の前提として、まずは原作漫画のエピソードを振り返る必要があります(微ネタバレ注意!)。なお、ほとんどのエピソード名は私が便宜的に付けたものです。

  シーズン0(現在休刊の集英社ジャンプ改」に掲載)

第1幕 紅華音楽学校受験編【アニメ1話】

第2幕 合格発表・入学説明会・入寮編【アニメ1話】

第3幕 自衛隊集団行動訓練編【アニメ1話】

第4幕 本科生との顔合わせ編【アニメ2話】

第5幕 自己紹介編【アニメ2話】/さらさの彼氏疑惑編

第6幕 さらさと愛の言い争い編【アニメ3話】

第7幕 愛の過去編【アニメ3話】

第8幕 本科生の指導・タップダンス授業・愛とオタクの再会編①【アニメ3話】

第9幕 愛とオタクの再会編②【アニメ4話】

第10幕 さらさと愛の葛藤編【アニメ4話】

第11幕 愛とオタクの再会編③【アニメ4話】

第12幕 予科生観劇日編【アニメ5話】

第13幕 彩子のダイエット編①【アニメ5話】/日舞授業編

第14幕 彩子のダイエット編②【アニメ5話】

特別収録 予科生の一日編

おまけマンガ みんなでお出かけ編

  第1巻(移籍後の白泉社「メロディ」に掲載)

第1幕 「表現力」編【アニメ6話】/舞台裏見学編【アニメ2話】

第2幕 国広先生編

第3幕 実技練習編【アニメ6話】

第4幕 実技授業編【アニメ6話】

  第2巻

第5幕 夏休み帰省編①【アニメ7話】

第6幕 さらさと暁也の過去編①【アニメ7話】

第7幕 さらさと暁也の過去編②【アニメ7話】

第8幕 夏休み帰省編②【アニメ7話】

  第3巻

第9幕 紅華大運動会準備編①【アニメ9話】

第10幕 紅華大運動会準備編②/沢田姉妹の葛藤編①【アニメ9話】

第11幕 紅華大運動会準備編③/沢田姉妹の葛藤編②【アニメ9話】

スピンオフ 男役志望・星野薫の夏休み編【アニメ8話】

  第4巻

第12幕 紅華大運動会編①【アニメ10話】

第13幕 紅華大運動会編②【アニメ10話】

第14幕 風邪の愛編

スピンオフ 冬組トップスター・里美星編【Blu-ray第2巻特典CD】

  第5巻

第15幕 文化祭オーディション準備編①【アニメ11話】

第16幕 文化祭オーディション準備編②【アニメ11話】

第17幕 文化祭オーディション編①【アニメ11話】

スピンオフ 愛の指導役・野島聖編【Blu-ray第3巻特典CD】

  第6巻

第18幕 文化祭オーディション編②/彩子の過去編【アニメ12話】

第19幕 文化祭オーディション編③/さらさと暁也の過去編③【アニメ12話】

第20幕 文化祭オーディション編④/さらさと暁也の過去編④【アニメ13話】

  第7巻

第21幕 紗和のオーディション反省編【アニメ13話】

第22幕 冬休み帰省/文化祭編①

第23幕 文化祭編②

スピンオフ 中山リサ編【Blu-ray第4巻特典CD】

  第8巻

第24幕 文化祭編③/さらさ緊急帰省編①

第25幕 さらさ緊急帰省編②

第26幕 さらさ緊急帰省編③

第27幕 復活編

既刊11巻ですが、予科生編は第8巻までであり、流石にアニメ化されないと思われる第9巻以降の本科生編は省略します。

 

 

アニメ化されるスピンオフエピソードは?

上記の原作漫画の振り返りから分かるように、原作で描かれているスピンオフは以下の4つで、そのうち3つが特典CD化される予定となっています。

  • 原作3巻 星野薫編
  • 原作4巻 里美星編【Blu-ray第2巻特典CD「ファントム」】
  • 原作5巻 野島聖編【Blu-ray第3巻特典CD「絶対ヒロイン」】
  • 原作7巻 中山リサ編【Blu-ray第4巻特典CD「99期生の卒業式」】

前記のインタビュー記事で、シリーズ構成の森下さんが、アニメ本編にはスピンオフエピソードが1本だけ入ると語っていたので、唯一特典CD化されない星野薫編がアニメ化されることは間違いないでしょう。

さらに言えば、主人公のさらさと愛は格別として、薫以外の同期のメインキャラクター(山田彩子、沢田千夏、沢田千秋、杉本紗和)には、以下のように漫画本編にてそれぞれ焦点が当たるエピソードがあります(いわゆる「当番回」です)。

  • 彩子のダイエット編(シーズン0第13幕~第14幕)
  • 沢田姉妹の葛藤編(第10幕~第11幕)
  • 紗和のオーディション反省編(第21幕)

漫画本編に描かれた彼女たち4名の当番回がアニメ化される一方で、薫にはアニメでの当番回がないのは不平等に感じられますので、このことからも、漫画のスピンオフで描かれた星野薫編もアニメ化されると考えられます。

 

 

全体でどこまでアニメ化される?

漫画本編の区切りの良さと、特典CD化されるエピソードの選択を考えれば、アニメは第8巻末の予科生編までの1年間を描くことになりそうです

しかし、エピソード0は通常巻の約2.5倍のページ数であるため、第8巻までのアニメ化は実質10.5巻分のアニメ化を意味します。私の視聴経験上(アニメオリジナルのエピソードが挿入されない場合、かつ、原作を大幅に短縮・改変しない場合)、1クール12話前後のテレビアニメは一般的に原作漫画5巻前後に相当するケースが多いため、「かげきしょうじょ!!」は一般の約2倍の原作量のアニメ化に挑戦することになります。

「かげきしょうじょ!!」は全13話でアニメ化予定なので、これより条件は緩和されますが、しかしなおエピソードの厳しい取捨選択がなされることになるでしょう。

ここで、先のインタビュー記事で明らかになった「さらさと愛の物語が中心となる」「学校生活が物語の中心となる」を踏まえると、帰省やさらさの過去に関するエピソードは削られることになりそうです(ただし、物語の軸と密接に関連するエピソードもあるので、脚本構成には苦労しそうですが)。アニメ公式サイトの登場人物のページに白川家の面々が掲載されていないことも、これを示唆していると思われます。とはいえ、これらのエピソードを削ったとしても、せいぜい漫画2巻分くらいなので、実質8巻分ほどを脚本化しなければなりません。

となると、最も区切りの良い予科生編の終わり(第8巻)までではなく、次に区切りの良い大運動会編(第4巻)までをアニメ化するという選択肢も浮かび上がります。巻数もちょうどくらいです。しかし、特典CDとの整合性に欠く点、第7巻の紗和の当番回がなくなってしまう点は見過ごせません。

以上を踏まえると、脚本構成の工夫により、予科生編の終わりまでがアニメ化される可能性が一番高いと思われます。いずれにせよ、アニメの放送が楽しみです!!

 

 

(8/1追記)アニメ化は大運動会編まで?

アニメ第5話の時点で、ちょうどシーズンゼロの本編までがアニメ化されれました。このペースだと、アニメ化できるのは大運動会編(第4巻)までくらいのように思われます。

また、劇伴やキャラクターソングが収録された音楽集の詳細も公開されています(一部未公開項目あり)。CD2枚組に81曲が収録されている盛りだくさんな音楽集ですが、注目すべきは、その曲目です。

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TVアニメ「かげきしょうじょ!!」音楽集

DISC1の冒頭から順に劇伴が使用されていったと考えると、彩子がメインとなったアニメ5話の時点で「DISC1 M32 あなたの歌」までが使用されたと見られます。

そこで、どこまでアニメ化されるかのヒントとして、M33以降の劇伴タイトルを見ていくと、いくつか発見がありました。

  • 「DSIC1 M40 花火大会」は、星野薫の過去編(3巻スピンオフ)を、
  • 「DSIC2 M6 運動会」「DISC2 M7 4人のトップスター」は、大運動会準備編(3巻)と大運動会編(4巻)を、

それぞれ指していると思われます。このことから、4巻の大運動会編まではアニメ化されると考えられます。

気になったのは、「DISC1 M44 杉本紗和」です。原作における紗和の当番回は、紗和のオークション反省編(7巻21幕)です。また、「DISC1 M42 お風呂の会話」も、文化祭オーディション準備編(5巻15幕)の場面を指しているように見えます。しかし、このまま原作を大きくスキップすることなければ、ここまでアニメ化されるようには思えません。いったいどうなるのでしょうか?

 

(9/11追記)アニメ化されるのは文化祭オーディション編までのよう!

これまでアニメ化される範囲について、①予科生編の終わりまで(8巻)、もしくは、②大運動会編まで(4巻)と予想してきましたが、どうやら文化祭オーディション編および紗和のオーディション反省編(7巻21幕)までがアニメ化されるようです。

そもそも、8月3日に配信された上坂すみれさん(役・杉本紗和)と佐々木李子さん(役・山田彩子)の対談記事にて、紗和にスポットライトが当たる回があると言及されています。

さらに言えば、OP映像にも十分なヒントが隠されていました! OP映像の最後の部分における愛の髪型です!! 愛は作中の時間経過とともに髪型がどんどん変わるので、どこまでアニメ化されるかについての十分なヒントとなるのです! 大運動会編まで(4巻)はこんなに髪は伸びておらず、この長さになるには文化祭オーディション編までアニメ化される必要があります!

また、ED映像の最後の部分の予科生全員のシルエットは紗和のオーディション反省編に登場する生徒募集ポスターを基にしています!

今から思い返してみると、既に最初からヒントがあったなあと反省しきりです。

残り3話で文化祭オーディション編および紗和のオーディション反省編まで(7巻21幕=原作約2巻分)が描かれるようですが、ここを丁寧にアニメ化するとなると、最も区切りの良い予科生編の終わり(8巻27幕=原作約2巻分)までのアニメ化は無理そうです。

文化祭オーディション編がアニメ化される以上は文化祭当日もアニメ化されなければならないと当初は考えていたのですが、現在はあまりそう思っていません。そもそも、原作読者ならご存知の通り、オーディション編に比べると文化祭はさらっと終わってしまいます。また、主人公が音楽学校生であることを考えれば、むしろ成長途上が露わになるオーディションこそをメインに据えるべきとも言えます。

残り3話が楽しみですね!