ドラマ「あおざくら 防衛大学校物語」第3話の感想と原作との違い
ドラマ特区「あおざくら 防衛大学校物語」-【MBS】毎日放送
この記事は、ドラマ「あおざくら 防衛大学校物語」の第3話の感想記事です。
TVerでも無料配信しているので、見逃した方、もう一度見たい方は下記リンクからどうぞ!
第2話の感想については、こちらの記事をどうぞ!
まずは第3話のあらすじを。
入校以来初めての外出許可。制服姿で街を歩けば、女子たちからも注目される防大生。
サブ部屋長の西脇とともに、横浜中華街を堪能した近藤、原田、武井の面々。そんな中、武井が親に会うと願いでて、別行動をとることに。
近藤たちが外出から戻ると、別行動の武井の姿がない!! またもや恐怖の連帯責任!?そして地獄のヘルウィークが始まる。果たして、武井を待ち受ける結末とは…!!
ドラマ第3話は、原作の第2巻第9話~第11話および第3巻第25話~第4巻第31話に対応しています。詳しく見てみると、
第2巻第9話~第11話(初めての外出編)
第9話「外出点検」
第10話「引率外出」
第11話「岡上乙女」
第3巻第25話~第4巻第31話(ヘルウィーク編)
第25話「武井という男」
第26話「服務事故」
第27話「ヘルウィーク」
第28話「事故走り」
第29話「ヘルウィーク二週目」
第30話「本当の武井」
第31話「謝罪」
となっています。ほとんどのエピソードが基本的には再現されていますが、第10話後半から第11話にかけてはバッサリとカットされ、代わって第10話から第25話が接続されています。
ここで何がカットされたかというと、みんなで初めての外出をした際、近藤はその制服から駅員と間違われ、そのまま迷子の子供の案内をします。が、いつのまにか皆とはぐれてしまい、また携帯電話も先輩に預けていたために合流もできません。すると、同じく防大の制服を着た同期の学生に出会います。その人物とは、本作品(原作)におけるヒロイン、岡上乙女なのです。そしてその流れから近藤は彼女と休日を一緒に過ごすことになる(つまりデート!)、といったエピソードです。この部分がバッサリとカットされてしまいました。
対応する原作の話数を見れば分かるように、ドラマではヘルウィークは初めての外出での服務事故をきっかけに始まったことになっていますが、実は原作では何度目かの外出での出来事なのです。
それでは、印象に残ったシーンと原作との違いに着目しつつ、ドラマを振り返りたいと思います。
まずは外出点検のシーンです。印象的なセリフ「目の輝き不備!」が登場しましたね!!
これについては、本物の防大生による外出点検の様子が映された動画があるのでご覧になってみてください。「目の輝き不備!」はもちろん、「全部不備!」なんてものもあります!!
四大隊 容儀点検
— 水瀬マナ🦅市ヶ谷ちゃん (@34bekitown) November 13, 2018
あおざくらにもある「目の輝き不備」と「全部不備」#防衛大学校 #開校祭 #容儀点検 #四大隊 #あおざくら pic.twitter.com/9U9xTqYY9Q
ドラマオリジナルとして外出中の場面に挿入されたのは、山下公園のシーンです。
ここで若い女性から「私、あの人めっちゃタイプなんだけど」と言われたのは、武井ではなく原田でした。モテる奴らには謝罪したくない武井の態度への伏線がきちんと張られています。
原作では、近藤、沖田、原田がある程度は女子からモテるというエピソードが散りばめられているのですが、ドラマではすべてカットされているので、その代償として山下公園のシーンがドラマオリジナルとして挿入されたのだと思われます。
気になったのは、中華街のシーンです。
原作では、引率の西脇サブ長や、近藤、原田、武井に加えて、沖田もいたのですが、ドラマでは沖田はいませんでした。沖田はドラマ冒頭で「家に帰る」と説明していとことからすれば、ドラマ上では実家に帰ったという設定なのでしょう。
しかし、「食いしばき」のシーンに沖田がいないのは不自然です。原作においては大食い設定の沖田がこの場面で大活躍するからです。話が散らばるために(あるいは尺の都合で)カットされたのでしょうか? しかし、そうだとしても、この場面自体に沖田を登場させない理由にはなりません。
それにしても、相変わらず坂木部屋長の迫力がいいですね!!
もう一つ、ドラマオリジナルで良かったシーンがありました。ヘルウィークの一環として、近藤らは様々な罰(訓練)を課されるのですが、ドラマオリジナルの罰として階段でのランニングが登場しました。
見ていてキツそうで、しかし腕立て伏せのように画面として地味にならず、さらにコーンの代わりに気まずそうな様子の武井を置くという訓練風景が、固定したカメラで綺麗にひとつの画面に収められています。まさに映像映えするシーンでした。制作陣としてもこのシーンには自信があったのではないでしょうか(実際、第2話放送時の次回予告でも使用されていました)。
ちょっと面白かったのが、近藤によって武井が「お前らみたいなモテる奴らには絶対頭は下げない」ことが暴かれたシーンです。ドラマでは特に目立っていなかったので気付いていない視聴者も多いかと思いますが、原作通り再現された武井の裏アカのアカウント名にご注目ください。かなり拗らせていますw
以下はドラマに限らず原作でも気になったことなのですが、近藤らがモテるかモテないのか話になったときのシーンです。
近藤「俺もこの人生においてモテたことなど一度もない!」
武井「まあ確かに、お前は目が怖いしケチだからそうかもだが、沖田とかは!?」
近藤「確かに沖田は女子と仲よくなるのが上手いと思う。だが、トロくて頼りにならないし、付き合ったとしても、すぐに別れるに決まっている」
沖田「ひどい!」
武井「じゃあ……原田は!?」
近藤「原田は体育会系のノリでテンション空回りで、女子が最も苦手とするタイプだ」
原田「お前にだけは言われたくない!」
このようなやり取りがありましたが、主役の本郷奏多らイケメン俳優がこう言い張るのは、客観的に見ると、まったくもって可笑しな話です。皆さんだって、このドラマを見る理由の少なくない部分が「イケメンの○○君が出演しているから」で占められているでしょう?
とはいえ、ドラマでも原作でも、ここの会話は武井を説得するための方便のようなものでしたから、こんな感じになるのは仕方のないことかもしれませんね(ただ、これに説得されてしまう武井も武井ですが……)
しかし、原作読者としては一つ言っておかなければなりません。それというのは、近藤という男は、地元の幼馴染と同期の女子学生との間を揺れ動く典型的ラブコメ主人公であり、のちに「15股騒動」を引き起こした奴なんですよ!!(気になる方は原作第13巻を!)
さて、ドラマ第4話のサブタイトルは「脱柵!」です。おそらく、原作第2巻第12話~第16話をベースにしたエピソードになると思われます。公開されているドラマ第4話のあらすじは以下の通りです。
少しずつ、防大の厳しい日常に慣れてきた近藤たち。そんな彼らは銃貸与式を迎える。
しかし、銃解体の授業で、原田が銃の部品を紛失してしまう事態が発生。それから、ミスを繰り返し空回りする原田。先輩からの呼び出しも頻発。
そんな原田を励まそうと気遣う近藤、沖田、武井たちだったが、遂に最悪の事態が起ころうとしていた…。
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ドラマ第4話の感想記事は以下のリンクからどうぞ!