「星合の空」第6話の感想とソフトテニスの解説
この記事は、「星合の空」の第6話の感想とソフトテニスの解説を記しています(筆者がソフトテニスから離れてしばらく経っていることにご留意ください)。
第5話については以下の記事をどうぞ!
1.OP映像の変更について
第4話で眞己のラケットが父親に壊され、第5話で再び柊真から新たなラケットを貰ったことに伴い、今回、第6話のOP映像における眞己のラケット(画面左側)が新しいものに替わっていました。
2.試合におけるコートとサイドの決め方
ソフトテニスの試合においては、コートとサイドの決め方は少し複雑な手順を踏みます。
なお、ここにおいて、「コート」を決めるというのは、ネットを挟んでどちら側のコートを選ぶのか(日差しや風向きを考慮します)、「サイド」を決めるというのは、サービスサイドを選ぶのかレシーブサイドを選ぶのか、ということを意味します。なお、ここで決めるコートとサイドは1ゲーム目のものであるため、2ゲーム目以降はルールに従ってコートやサイドは交代してゆきます。
コートとサイドの決め方は、試合の冒頭に以下の手順に従って行われます。
(1)それぞれのペアの代表者がじゃんけんをする。
(2)じゃんけんに勝った方のペア(ペアA)が「表」か「裏」のどちらかを指定する。ここでいう「表」とは、ラケットのシャフトに刻印されている日本ソフトテニス連盟の緑色のマークがある方の側面をいい、「裏」はそのマークがない方の側面です。
(3)じゃんけんに負けた方のペア(ペアB)のどちらかが、ヘッドを地面に着けてラケットを回転させる。ラケットの回転数が十分でない場合はやり直しとなる(表または裏となった結果が意図的に操作された可能性があるため)。ペアBは、ラケットを回転させるに先立って、ラケットの表面(連盟マークのある側)をペアAに提示することが望ましい(グリップテープの巻き過ぎによってマークが隠れてしまっていたり、そもそも連盟公認以外のラケットが使用されていたりした場合は、「裏」しか出ないことになってしまう)。
(4)回転させたラケットが倒れた際に上に向いている方の側面が、(2)においてペアAが指定した側面と同じであればペアAの勝ち、違う側面であればペアBの勝ちとなる。
(5)(4)において、勝った方のペアが「コート」または「サイド」を選ぶことができる。このとき、勝った方のペアが「コート」を選べば、負けた方のペアは「サイド」を選ぶことができる。
※第1試合において、(4)で勝った御崎学園のペアが「サーブはやるよ。コートはこっちでいい」と言ったことからすれば、彼らはコートだけでなくサイドも選んでいるように見えますが、そうではありません。彼らには「サイドを選べるなら当然にサービス側を選ぶはず」という前提・固定観念があるので、このような発言になったのです。第3試合にはこんなややこしい発言はありませんので、こちらも注目してみてください。
3.ダブル後衛が実力を発揮!
既に第4話の記事で指摘しましたが(下記リンク先記事の8を参照)、第1試合において、ついに大洋と直央によるダブル後衛(2人ともが常態としてベースライン付近に位置するポジショニング)が練習試合において発揮されることになりましたね!
「星合の空」第4話の感想とソフトテニスの解説 - 小説・ラノベ・アニメ・漫画の感想・おすすめブログ
1ポイント目のプレーを解説すると、ダブル後衛のポジショニングについた大洋と直央のペアは、前衛と後衛という一般的なポジショニングをする相手ペアとラリーするにあたって、左右にボールを打ち分けて相手後衛を走らせていました(反対に、相手前衛はまったくプレーに関与できていませんでした)。
このプレーにおいて、左右に走らされた相手後衛がバックハンドで打たなければならなかった場面があったのに対し、大洋と直央のペアはすべてフォアハンドで打ち返していました(普通、バックハンドよりもフォアハンドの方が、スピードもコントロールも優れています)。
単純計算すれば、大洋と直央が左右に走らなくてはならない距離は相手後衛の半分なので、左右のどこに打たれても余裕をもって打ち返せます。それに対して、相手後衛は、左右に走らされた挙句、返球が甘くなってしまい、ポーンと浮いた球をボレーで決められてしまいました。まさにダブル後衛の基本的・理想的な得点パターンです。
2ポイント目も甘い球をボレーで決め、3、4ポイント目については左右に振られた相手後衛がバックハンドで打ったところアウトボールになってしまいました。いずれについてもダブル後衛の戦術がうまく機能しています。
4.試合の進め方
ソフトテニスの試合は、1ゲームごとにサイド(サービスサイドかレシーブサイドか)が、2ゲームごとにコート(ネットを挟んでどちらのコートか)が交代します。具体的には以下の手順で交代します(自分が試合をするつもりで見てください)。
1ゲーム目:東側コート、サービスサイド(1ゲーム目終了後、チェンジサイズ)
2ゲーム目:西側コート、レシーブサイド(2ゲーム目終了後、チェンジサービス)
3ゲーム目:西側コート、サービスサイド(3ゲーム目終了後、チェンジサイズ)
4ゲーム目:東側コート、レシーブサイド(4ゲーム目終了後、チェンジサービス)
となり、5ゲーム目以降は1ゲーム目からと同様の繰り返しです。ただし、ファイナルゲーム(5ゲームマッチにおいては5ゲーム目、7ゲームマッチにおいては7ゲーム目)については、上記とは異なるルールに従ってサイドとコートが交代します(機会があればまた説明します)。
各ゲームが始まるごとに審判が「ゲームカウント〇〇」と言っていますが、たとえば、「ゲームカウント2-1(ツーワン)」は、3ゲームを終えて4ゲーム目を始めるにあたって、サービスサイドのペアが2ゲームを、レシーブサイドのペアが1ゲームを獲得しているということを意味します(サービスサイドのペアの方を先にカウントします)。「ゲームカウント1-1(ワンオール)」というのは、2ゲームを終えて3ゲーム目を始めるにあたって両ペアとも1ゲームずつを獲得しているという意味です。ゲーム内におけるポイントのカウントも同様の方法で行います。
ちなみに、ゲーム内においてペアのうち誰がサービス/レシーブをするのかについては、下記リンク先記事の4で解説していますが、とりあえずは下の画像を見てもらえば分かるかと思います。
「星合の空」第3話の感想とソフトテニスの解説 - 小説・ラノベ・アニメ・漫画の感想・おすすめブログ
5.スライスサーブ
スライスサーブ(カットサーブ)とは、サーブを打つ際にラケットを傾けることによってスライス(横)回転をかける技法です。スライス回転をかけることによって、サーブの軌道がカーブし、打球のスピードが増し、奥方向へのフォルトが少なくなります(逆に、左右方向へはフォルトしやすくなります)。スライス回転はかけられてはいるものの、バウンド時に思ったよりは変な方向には曲がりません(スピードに乗ってほとんどそのまま直進します)が、バウンド後のボールが思ったよりレシーバー側に伸びてきて、レシーブの姿勢が崩されます。
スライスサーブを打つには、普段はウェスタングリップの握り方を、一時的にイースタンやセミイースタンに変えたり、あるいはウェスタンのまま手首をひねって回転をかけたりします(グリップの握り方の種別については、第2話および下記記事の5を参照)。
「星合の空」第2話の感想とソフトテニスの解説 - 小説・ラノベ・アニメ・漫画の感想・おすすめブログ
6.番外編――夏アニメを思い出す
御崎学園の王寺アラシが、他人の試合を見て「へえ~おもしれえ奴ら」とか「なんかスゲーおもしろいじゃん」とか言っていますが、夏アニメ「女子高生の無駄づかい」第1話で妄想を繰り広げるバカ(田中)を思い出してしまうので、可笑しいことこの上ないですw
7.試合中の奇声について
第3試合において、晋吾と翅(つばさ)は試合中に奇声を上げるという戦法をとっていました。
サービス時にサーバーが奇声を上げるのは、ルール上もマナー上も特に問題ないと思われます。硬式テニスのプロの試合において、サービスなどの打球時に「ポゥ!」などの声をテレビ画面越しに聞いた経験は皆さんあるのではないでしょうか。サーバーとなった翅や晋吾が奇声を上げるのはこの延長線上の行為と解釈することができます。
しかし、(サーバーが晋吾のとき)レシーバーの正面に立つ前衛の翅が相手レシーブの際に奇声を上げたり、相手側がサーブする瞬間にレシーバー側の翅・晋吾ペアが奇声を上げたりするのは、(少なくとも私の目から見れば)どう見てもマナー違反であり、審判はこれを注意すべきです。おそらくルール上では特に禁止されていないと思いますが、「おもしろい」とか「頭脳プレー」で済まされる話ではありません。
(ついでに言えば、こんな前衛がいたら報復を食らう可能性があります。たとえば、「アウトやネットになる可能性はあるけど、レシーブを強打してあのムカつく相手前衛の体にぶつけてやろう……」といったことを相手ペアが考えていてもおかしくはありませんし、実際に「偶然」ぶつかってしまってもルール上は問題ありません)
公式試合において、もし自分が審判の立場でこのような場面に遭遇したときは、一旦注意をして、それでも改善されなかった場合には、試合を中断して大会本部に相談しに行くと思います。
とはいえ、レシーバーを動揺させたいというサーバー側の前衛の気持ちはよく理解できるものです。しかし、その場合には、奇声ではなく、行動を起こすべきなのです。つまり、前衛は左右にラケットや上体を揺らし、また小刻みにステップを踏むことで、相手レシーバーの視界に印象深く入り込み、レシーブが前衛のボレーによってカットインされてしまうのではないかと相手レシーバーに思わせ動揺させるのです。これこそが正当的な方法でしょう。
記事下方コメント欄にてご指摘を頂き、上記訂正線部について以下の通り追記修正します。
日本ソフトテニス連盟の定めるハンドブック(2004年改訂版)は、次のように規定しています(PDF:http://www.soft-tennis.com/shiga/2_HSAF/H31/handbook.pdf)。
競技規則15条 プレーヤーは互いにマナーを尊重し、次の事項を守らなければならない。
(1)過度のかけ声、又は相手を不快にする発声をしないこと。〔中略〕
(3)アンパイヤーの指示に従いプレーすること。
[解説5] プレーヤーの心得を第15条にまとめた。過度のかけ声・連続プレー等プレーヤーの心得を示しているが、その判定は、アンパイヤー判断とする。
競技規則41条 第15条、第38条及び第40条に明らかに違反したと認められる場合、正審はプレーヤー(団体戦の場合は部長・監督・外部コーチ・コーチを含む)に対し警告(イエローカード)を与える。
審判規則19条 正審はマッチの進行に支障があると認める行為等に対しては、関係者(プレーヤー、部長、監督、外部コーチ、コーチ、当該チーム(ペア)等の総称)に注意を喚起することができる。
審判規則20条 正審はプレーヤー(団体戦の場合は部長、監督、外部コーチ、コーチを含む)が明らかに競技規則第15条、第38条及び第40条に違反していると認める場合は、競技規則第41条に従い警告(イエローカード)を与える。なお、警告はカードを提示して行う。
[解説27] 競技では、関係者(プレーヤー、部長、監督、外部コーチ、コーチ、当該チーム(ペア)応援者の総称)の応援(発声)は、競技の盛り上がりとして認める方向であるが、それが行き過ぎ、不快感となり、プレーに支障があるとアンパイヤーが判断した場合は、第19条の注意の喚起、第20条の警告を適用する。
これらの規定のうち、今回、ルール違反として問題になりそうなのは、競技規則15条(1)です。しかし、「過度」や「不快」の感じ方は個人差がありますので、直ちに「明らかに違反した」として警告を出すこと(競技規則41条、審判規則20条)は躊躇われます。もっとも、[解説5]は、この判断について審判の主観に委ねていますので、中立性と一般的な公正感を持つ審判であれば、今回のような行為はルール違反と認定しそうです。
しかし、むしろ、審判規則20条(警告)とは別に審判規則19条(注意の喚起)が定められている趣旨および[解説27]を踏まえれば、審判がすべきなのは、まずは競技規則15条(1)への抵触の疑いを理由とする審判規則19条に基づく注意の喚起であり、次いで対象者がこれに従わず繰り返す場合には、競技規則15条(1)および(3)に反する行為として競技規則41条・審判規則20条に基づく警告であると言えるでしょう。
8.第4試合について
第4試合の1ポイント目において、眞己はいきなりアラシのレシーブにカットインしてボレーを決めました。1ゲームの1ポイント目のレシーブといえば、経験則から言えば(特に中学生は)、クロス(対角)に打ってサーバー(相手後衛:柊真)の方へ返球する確率がかなり高く、ストレートに強打して相手前衛(眞己)の正面を抜く確率はかなり低いです。眞己は初心者とは思えないほどの勝負強さを持っています。
第1試合の御崎学園の後衛は逆サイドに来たボールをバックハンドで返球していましたが、この第4試合の2ポイント目において、後衛のアラシは逆サイドに来たボールでもきっちりと回り込んで、フォアハンドで打っていました。その尊大な態度に違わず、きっちりと実力も備えていることが分かる描写でした。また、相手前衛(眞己)のポジションを見てその正面に打って得点したのも、上手な証左です。
ところで、2ゲーム目の1ポイント目において、審判がゲームカウントをした後に、サーバーのアラシがその場でボールを地面にポンポンと打ちつけていましたが、これは許されていない行為です(第3試合のプレイボール直後の晋吾にも同様のことが当てはまります)。
硬式テニスとは異なりソフトテニスのルールにおいては、審判がゲーム数やポイント数をカウントした後に地面にボールを落とした(打ちつけた)場合は、サーブの失敗=フォルトと見なされます。
9.ネットの描写が地味にすごい
地味なところですが、ボールがネットに引っかかって揺れる際の描写が素晴らしいです。
第7話の感想記事はこちらから!
ドラマ「あおざくら 防衛大学校物語」第3話の感想と原作との違い
ドラマ特区「あおざくら 防衛大学校物語」-【MBS】毎日放送
この記事は、ドラマ「あおざくら 防衛大学校物語」の第3話の感想記事です。
TVerでも無料配信しているので、見逃した方、もう一度見たい方は下記リンクからどうぞ!
第2話の感想については、こちらの記事をどうぞ!
まずは第3話のあらすじを。
入校以来初めての外出許可。制服姿で街を歩けば、女子たちからも注目される防大生。
サブ部屋長の西脇とともに、横浜中華街を堪能した近藤、原田、武井の面々。そんな中、武井が親に会うと願いでて、別行動をとることに。
近藤たちが外出から戻ると、別行動の武井の姿がない!! またもや恐怖の連帯責任!?そして地獄のヘルウィークが始まる。果たして、武井を待ち受ける結末とは…!!
ドラマ第3話は、原作の第2巻第9話~第11話および第3巻第25話~第4巻第31話に対応しています。詳しく見てみると、
第2巻第9話~第11話(初めての外出編)
第9話「外出点検」
第10話「引率外出」
第11話「岡上乙女」
第3巻第25話~第4巻第31話(ヘルウィーク編)
第25話「武井という男」
第26話「服務事故」
第27話「ヘルウィーク」
第28話「事故走り」
第29話「ヘルウィーク二週目」
第30話「本当の武井」
第31話「謝罪」
となっています。ほとんどのエピソードが基本的には再現されていますが、第10話後半から第11話にかけてはバッサリとカットされ、代わって第10話から第25話が接続されています。
ここで何がカットされたかというと、みんなで初めての外出をした際、近藤はその制服から駅員と間違われ、そのまま迷子の子供の案内をします。が、いつのまにか皆とはぐれてしまい、また携帯電話も先輩に預けていたために合流もできません。すると、同じく防大の制服を着た同期の学生に出会います。その人物とは、本作品(原作)におけるヒロイン、岡上乙女なのです。そしてその流れから近藤は彼女と休日を一緒に過ごすことになる(つまりデート!)、といったエピソードです。この部分がバッサリとカットされてしまいました。
対応する原作の話数を見れば分かるように、ドラマではヘルウィークは初めての外出での服務事故をきっかけに始まったことになっていますが、実は原作では何度目かの外出での出来事なのです。
それでは、印象に残ったシーンと原作との違いに着目しつつ、ドラマを振り返りたいと思います。
まずは外出点検のシーンです。印象的なセリフ「目の輝き不備!」が登場しましたね!!
これについては、本物の防大生による外出点検の様子が映された動画があるのでご覧になってみてください。「目の輝き不備!」はもちろん、「全部不備!」なんてものもあります!!
四大隊 容儀点検
— 水瀬マナ🦅市ヶ谷ちゃん (@34bekitown) November 13, 2018
あおざくらにもある「目の輝き不備」と「全部不備」#防衛大学校 #開校祭 #容儀点検 #四大隊 #あおざくら pic.twitter.com/9U9xTqYY9Q
ドラマオリジナルとして外出中の場面に挿入されたのは、山下公園のシーンです。
ここで若い女性から「私、あの人めっちゃタイプなんだけど」と言われたのは、武井ではなく原田でした。モテる奴らには謝罪したくない武井の態度への伏線がきちんと張られています。
原作では、近藤、沖田、原田がある程度は女子からモテるというエピソードが散りばめられているのですが、ドラマではすべてカットされているので、その代償として山下公園のシーンがドラマオリジナルとして挿入されたのだと思われます。
気になったのは、中華街のシーンです。
原作では、引率の西脇サブ長や、近藤、原田、武井に加えて、沖田もいたのですが、ドラマでは沖田はいませんでした。沖田はドラマ冒頭で「家に帰る」と説明していとことからすれば、ドラマ上では実家に帰ったという設定なのでしょう。
しかし、「食いしばき」のシーンに沖田がいないのは不自然です。原作においては大食い設定の沖田がこの場面で大活躍するからです。話が散らばるために(あるいは尺の都合で)カットされたのでしょうか? しかし、そうだとしても、この場面自体に沖田を登場させない理由にはなりません。
それにしても、相変わらず坂木部屋長の迫力がいいですね!!
もう一つ、ドラマオリジナルで良かったシーンがありました。ヘルウィークの一環として、近藤らは様々な罰(訓練)を課されるのですが、ドラマオリジナルの罰として階段でのランニングが登場しました。
見ていてキツそうで、しかし腕立て伏せのように画面として地味にならず、さらにコーンの代わりに気まずそうな様子の武井を置くという訓練風景が、固定したカメラで綺麗にひとつの画面に収められています。まさに映像映えするシーンでした。制作陣としてもこのシーンには自信があったのではないでしょうか(実際、第2話放送時の次回予告でも使用されていました)。
ちょっと面白かったのが、近藤によって武井が「お前らみたいなモテる奴らには絶対頭は下げない」ことが暴かれたシーンです。ドラマでは特に目立っていなかったので気付いていない視聴者も多いかと思いますが、原作通り再現された武井の裏アカのアカウント名にご注目ください。かなり拗らせていますw
以下はドラマに限らず原作でも気になったことなのですが、近藤らがモテるかモテないのか話になったときのシーンです。
近藤「俺もこの人生においてモテたことなど一度もない!」
武井「まあ確かに、お前は目が怖いしケチだからそうかもだが、沖田とかは!?」
近藤「確かに沖田は女子と仲よくなるのが上手いと思う。だが、トロくて頼りにならないし、付き合ったとしても、すぐに別れるに決まっている」
沖田「ひどい!」
武井「じゃあ……原田は!?」
近藤「原田は体育会系のノリでテンション空回りで、女子が最も苦手とするタイプだ」
原田「お前にだけは言われたくない!」
このようなやり取りがありましたが、主役の本郷奏多らイケメン俳優がこう言い張るのは、客観的に見ると、まったくもって可笑しな話です。皆さんだって、このドラマを見る理由の少なくない部分が「イケメンの○○君が出演しているから」で占められているでしょう?
とはいえ、ドラマでも原作でも、ここの会話は武井を説得するための方便のようなものでしたから、こんな感じになるのは仕方のないことかもしれませんね(ただ、これに説得されてしまう武井も武井ですが……)
しかし、原作読者としては一つ言っておかなければなりません。それというのは、近藤という男は、地元の幼馴染と同期の女子学生との間を揺れ動く典型的ラブコメ主人公であり、のちに「15股騒動」を引き起こした奴なんですよ!!(気になる方は原作第13巻を!)
さて、ドラマ第4話のサブタイトルは「脱柵!」です。おそらく、原作第2巻第12話~第16話をベースにしたエピソードになると思われます。公開されているドラマ第4話のあらすじは以下の通りです。
少しずつ、防大の厳しい日常に慣れてきた近藤たち。そんな彼らは銃貸与式を迎える。
しかし、銃解体の授業で、原田が銃の部品を紛失してしまう事態が発生。それから、ミスを繰り返し空回りする原田。先輩からの呼び出しも頻発。
そんな原田を励まそうと気遣う近藤、沖田、武井たちだったが、遂に最悪の事態が起ころうとしていた…。
下記サイトより、11月30日まで原作マンガ第1巻~第3巻の無登録・無料の試し読みができるのでぜひ!
そして11月18日(月)には、単行本最新刊である第14巻が発売となります! ご購入をお忘れなく!!
ドラマ第4話の感想記事は以下のリンクからどうぞ!
2019秋アニメ前半一言コメント
11月も中旬になり、2019年秋アニメもそろそろ折り返し地点です。ということで、5~6話までを視聴したアニメについて、乱文雑文ですが一言ずつコメントしていきたいと思います(五十音)。
※筆者(管理人)はすべて原作未読(未プレイ)です。
※第1話の一言コメントについては下記リンクからどうぞ!
この作品の厨二病的指向は理解していたつもりなんですが、第3話の「カウンターストップ」からの「リミットブレイク」の流れには思わず笑ってしまいました。もちろん、王道的で良かったですよ!
第4話における姉妹校との練習試合という設定や予想外の候補生への選出といった展開を見たとき、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』における「トライウィザード・トーナメント(三大魔法学校対抗試合)」を思い出しました……と思っていたら、やっぱり皆さんもネット上で指摘されていましたね!!
ところで、この作品を見る前は、ラノベ原作ということもあり、またテンプレ要素が多数取り入れられたファンタジーか……と思っていたのですが、どうやら違うようです。とりあえず、
- 「クラス」という設定はあるものの、クエストやレベルなどのゲーム的な要素は極力抑えられている。 追記:どうやらアニメでは省略されているだけで、HPなどのゲーム的な要素は原作には結構登場するみたいです。
- 主人公のクーファに惚れているヒロインはメリダだけで、ハーレムは形成されていない。
- 厨二病的とも言えるが、クーファのキザなセリフと振舞いはどこか少女漫画の王子様的である。
- メリダとエリーゼの関係がもはや百合作品のそれといっても差し支えない(第5話がすごかった!)。
の4点が指摘できると思います。特に、②③の要素については、読者(視聴者)層の観点から興味深く見させてもらっています。
声優初心者ですが、どうやらCV:茅野愛衣検定に合格できるようになったようです。「愛宕」の声が分かりましたから(でも、同作品において加賀の声優もされているので、かなり迷いました)。
「シェフィールド」(初出第4話)の声優ですが、「かぐや様は告らせたい」の藤原千花役や「スター☆トウィンクルプリキュア」のキュアミルキー役などでお馴染み、独特の声質を持つ小原好美さんが演じているのには気づきませんでした。歴戦の声優ファンの方は初見(初聞?)で気付いたのでしょうか?
第6話の風呂のシーンですが、あんな長尺(約5分間!)で不自然な湯気を見せられるくらいなら、むしろ風呂のシーン自体なくてよかったように思います……しかし、湯気や光でなく、石鹸や蛇口、風呂桶などを駆使した超絶技巧が使われていたら、手放しで称賛しますけどね!
戦×恋(ヴァルラヴ)
一推しはやはり七樹、次いで八雲ですね!
五夜も六海もいい性格をしている……と思ったら、八雲がそれ以上でしたw 公共の場であれはアウトでしょう! 第6話の「一糸まとわぬ姿で抱き合って濃厚ディープキス5分間」も相当なものでしたが!!
炎々ノ消防隊(2クール目)
新OPの最後のカットにいないから、途中で死ぬのかなと思っていたら、裏切りでしたね。ということは、一番左端の人は……?
衝撃の真相が待っていた第1話~第3話のミステリーのような展開はかなり好きです(その反面、第4話~第6話の真相は予想に容易かったですね)。
コスモス会長もヒマワリも、第3話までのストーリーで株が落ちたとか、どんな面してジョーロの前に現れているんだなどと言われていますが、あんな風に可愛い女の子が現実にいたら、なんだかんだ皆さん許してしまうんでしょうね。
と思っていたら、第6話でまさか、あのゲスなジョーロがアスナロを拒絶! 四股を夢見たジョーロでさえも、ついに妙に本命に一途な典型的なラブコメ主人公に堕したのか?と思ったのですが、どうやら原作ではサンちゃんが毒害事件の被害者になったらしく、サンちゃんラブなジョーロにとっては許せなかったんですね。つまり、ジョーロの本命はサンちゃんということで……
神田川JET GIRLS
第3話のガード下での「揺れ」はアニメ史に残るべき所業です。業が深い。
それにしても、レースが熱いのはいいですね!
警視庁特務部特殊凶悪犯対策室第七課―トクナナ―
良くも悪くも、実写の刑事ドラマを見ているようです。が、刑事モノの中でも対テロは好きなジャンルです。
慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~
第4話の、謎の光でも影でもない、モザイク処理には笑ってしまいました。アクア以上に扱いがひどい駄女神ですねw
ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld
SAOは引きが良いので、いつも1時間枠で見たいと思ってしまいます。
アズールレーンのところで「CV:茅野愛衣検定に合格できるようになった」と言いましたが前言撤回です。SAO第4話のアリシアは分かりませんでした。精進します。
厨病激発ボーイ
まったくもって面白い、事前に注目をしていなかったダークホース的なアニメです。
主人公・聖瑞姫はCV:赤崎千夏なんですよね? 夏アニメのバカ(田中)のバカっぽい声が耳に残っているので。
常識人の瑞姫はもちろん、周りの厨二病患者たちのキャラクターも好きです!
Dr. STOEN(2クール目)
村の歴史にまつわるストーリーには、ちょっとうるっと来てしまいました。
声が好きなので、杠(CV:市ノ瀬加那)には早く再登場して欲しいですね!
ぬるぺた
妹のぬるのキャラデザがかなり可愛い!!
旗揚!けものみち
メインキャラクターの4人が皆いいキャラをしていますね!
花子の大物感が半端ない!(でも真顔がちょっと怖い……)
バビロン
超おもしろいです。なんだかアメリカのTVドラマを見ているような気分です。野﨑まど作品に手を伸ばしたくなりました→とりあえずデビュー作『[映]アムリタ〔新装版〕』(メディアワークス文庫)を買いました!(積読状態ですが……)
Fairy gone(分割2クール目)
異世界へ転生・転移する異世界ファンタジーや、ステータスやらクエストやらが登場するゲームファンタジーが溢れる中、こういった要素のない本作のような本格的な(つまり伝統的スタイルの)ファンタジーは見てしかるべきだと思われます。
とはいえ、オリジナリティの高いストーリーは、前話までのストーリーを覚えていられないですね(この点、クエストをこなすといったテンプレ的な展開が続く異世界ファンタジーは優れています)
どれか1つくらいはこのアニメで紹介されたボードゲームを買おうかなと思ってます。今のところ、最有力候補は、第4話に登場した「ニムト」です。シンプルなルールの方がみんなが参加しやすいですからね!
翠が夢に向かってあがく第6話の熱いストーリーは良かったですね!!
ぼくたちは勉強ができない!(2期)
第4話で出た「steady」の意味を理解できるうるかって、かなり英語ができる人だと思うんですけど……。
それにしても、第1話や第5話のすれ違い系のストーリーは最高ですね!
メインヒロインの中では、個人的な一推しは文乃、二推しは真冬先生なので、この2人のエピソードがもっと増えてほしいですね! もっと言えば、妹の水希に焦点が当たる回が欲しいです!!
星合の空
ソフトテニス経験者ということで、ソフトテニスの解説を中心に記事を書いています。よければご覧ください!
それにしても、登場人物がそれぞれに抱えている家庭の問題が重すぎる……
本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません
「全然本を作れないじゃん!!」と思いつつも、丁寧なストーリー運びはかなり気に入っています。
ふと思ったのですが、マインの「本好き」ってかなり変な方向にひねくれていませんか? 普通、「本好き」と言ったら、「小説=物語が好き」とか「知識・情報を吸収したい」という人が多いと思うんです。そうであれば、異世界へ転生したマインにとっては、この世界には未知の物語や知識・情報が溢れているはずであり、これらを摂取する方法は本でなくとも口頭でも可能です。つまり、「本」は手段であって、それ自体が目的ではないのです。
それにもかわらず、マインが「本」というパッケージにこだわる(しかも自分で本作りをして既に知っていることを書こうとする)というのは、活字中毒の末期症状のようなものなんでしょうか?
ところで、このアニメを見て、必ずしもバトルばかりではない女性主人公の異世界ファンタジーの面白さに目覚めた人には、唐澤和希『転生少女の履歴書』(ヒーロー文庫、2019年11月30日第9巻発売予定)を紹介しておきます。詳しくは下記リンクの紹介記事をどうぞ!
ライフル・イズ・ビューティフル
動きのない地味な画が続く競技を題材にしながらも、テンポが良いので見ていて飽きないですね!
私、能力は平均値でって言ったよね!
パロネタの難易度が高過ぎじゃありませんか? 私の理解率はせいぜい1/4程度です。
「星合の空」第5話の感想とソフトテニスの解説
この記事には、「星合の空」の第5話の感想とソフトテニスの解説を記しています(筆者がソフトテニスから離れてしばらく経っていることにご留意ください)。
第4話については以下の記事をどうぞ!
1.乱打
ソフトテニスの練習の一つに、「乱打」(らんだ。ふざけて「みだれうち」という場合も)というものがあります。普通は、準備運動の次に行う練習メニューです。
上のキャプチャ画像のように、2人1組になり、対角(クロス)または正面(ストレート)にいる人とボールを打ち合うことを「乱打」といいます。特に決まりという決まりはなく、可能な限り相手とラリーを続ければよいのです。ですので、楽しい練習の一つに挙げられます。
乱打の時間は、公式試合においてもあります。各試合それぞれにプレーボールの直前の数分間だけ、乱打の時間がとられているのです。ただし、乱打の相手は、自分のペアでなく敵です。自分と対角の位置にいる敵と乱打をします。そのため、この時にある程度、敵の実力や弱点が分かったりします。
2.眞己の新ラケットは?
第4話にて眞己は、父親にラケットを壊されてしまいました。ちなみに、そのラケットは、ミズノ製の「TECHNIX 200」(ブルー)という2019年発売の入門用モデルのラケットようでした。
そして今回、再び眞己は柊真からラケットをもらうことになるのですが(お金持ち!)、どうやらミズノ製の「SCUD 01-C」(ハイブリッドブラック×ブルーパープル)という2019年発売の中上級者の前衛向けのラケットのようです。
ミズノ|スカッド01-C(ソフトテニス)|テニス|ソフトテニスラケット
3.入門用ラケットと中上級者向けラケットの違い
ところで、入門用(初心者用)ラケットと、中上級者用ラケットは、見た目はそれほど変わらないのですが、やはり違いはあります。
入門用ラケットの特徴は、「軽い」、「面の面積がやや広い」、「ガット(ストリングス)への耐久強度が低い」の3点かと思われます。
最前者については、初心者でも扱いやすい操作性を追求した結果です。
後二者については、面の面積が広いほど、また、ラケットに張るガットの強度(テンション)が低いほど、ラケットのミート面が広がり、初心者でも打ちやすくなるのです(打球がボヨーンと飛びます)。それぞれラケットにはメーカーによってガットを張る際の適正強度(推奨張力)が設定されているのですが、入門用ラケットの方が中上級者用よりも低く設定されているのです。
実際、眞己が使っている新旧のラケットを比べてみると、
壊されてしまった入門用ラケットの「TECHNIX 200」については、重さ220g、面サイズ95平方inch、推奨張力20~30ポンド
新たに柊真からもらった中上級者用ラケットの「SCUD 01-C」については、重さ238g、面サイズ90平方inch、推奨張力25~35ポンド
となっています。
それでは、なぜ中上級者は、「重い」すなわち「操作がやや難しい」、また、「面の面積がやや狭い」「ガットの強度が高い」すなわち「ミート面の狭い」ラケットを使用するのか?という疑問が当然に浮かび上がります。
この疑問に対する答えは、ずばり、スピードのある球を打つためです。ラケットが重い方がボールに勢いが乗りますし、ミート面が狭い方がボールを打ったときのインパクトが強くなります(鋭い打球になります)。
4.ラケットを買い替えるタイミング
ラケットを買い替えるタイミングは、人それぞれな側面もあります(たとえば、年配の方はいまだに木製ラケットを使用している方もいます)。しかし、中高生の標準のようなタイミングはあります。
まず、ソフトテニスをする人の多くは中学生になってから始めるのですが、まず手にするのは入門用ラケットです。そして、だいたい1年間くらいこれを使ってから、中級者用(中上級者用)ラケットに買い換えます。
その後の現役中の買い替え頻度については、1年に1回から3年に1回くらいまで人によって幅があります(ここで資本力は重要な要素です)。ただ、買い替えるといっても、損傷によって使用不可にならない限りは、新しいラケットも古いラケットも両方使う(使い分ける)ことも多々あります。
ただ、男子に比べて女子の方が買い替え頻度は低い傾向にあると思われます。女子はラケットを地面に叩きつけたり武器として使用しないので損傷による買い換えという事態が発生しにくいのです。また、そもそも男子と比べると非力で、スピードのある球を打つための前提となる筋力がないために、買い替える必要性が低く、入門用ラケットを長く使うというパターンがあります。
その一方で、男子は見栄を張りますから、それほど上達していないのに、早め早めに中上級者用ラケットに移行しがちです。
5.ガットの張り替え
ラケットの買い替え以上に大事なのが、ガット(ストリングス)の張り替えです。
ガットは長く使用していると、どうしても緩んできます。そうすると、ボールに上手くスピードが乗らなくなってきます(ボヨーンとした打球感になり、ボールがアウトしやすくなります)。そこで、定期的にガットを張り替えることが必要になるのです。
昔は個人で張り替えを行うということもあったようですが、現在はスポーツ用品店やラケットスポーツ専門店などで専門家に張り替えを行ってもらいます(専用器具があります)。
ガットの張り替えについては、メーカーは3ヵ月に1回を推奨していますが、中高生にとってはそれなりに費用が掛かるので(ガット代+張り替え手数料で3千円程度)、(強豪校はともかく)中高生ならば半年以内に1回を目安とすればよい気がします。ただし、ガットを張り替えると、それまでとは打球感が違ってきます。大会直前に張替えをしてしまっては、慣れるための時間が足りなくなるのでタイミングには注意が必要です。
ところで、ラケットの買い替えのタイミングの一つにはラケットの損傷がありますが、同様のことがガットの張り替えについても言えます。すなわち、ガットの張り替えの際に、もう一度ガットを張ったらラケットが壊れてしまうと告知されるパターンがあるのです。高めの強度(テンション)でガットを張り続けたり、メーカー推奨の適正強度(耐久強度)を超えてガットを張ったりした場合には、こういう事態が起こり得ます。こういった場合には、素直にラケットを買い替えた方が吉です。
第6話の記事はこちらから!
ドラマ「あおざくら 防衛大学校物語」第2話の感想と原作との違い
ドラマ特区「あおざくら 防衛大学校物語」-【MBS】毎日放送
この記事には、ドラマ「あおざくら 防衛大学校物語」の第2話の感想が書かれています。
TVerでも無料配信されているので、見逃した方、もう一度見たい方は下記リンクからどうぞ!
第1話の感想については、こちらの記事をどうぞ!
まずは第2話のあらすじを。
日々のスケジュールをこなすため、防大内を駆け足で過ごす近藤たち。
いやおうなしに先輩たちからくだされる数々の指導。敬礼が甘ければ、「反省文20枚!」。清掃に落ち度があれば「反省文20枚!」なんなんだーー、これは!? 勉強なんて、やる暇なし!
そんな状況に、遂に、近藤が動いた。ただの理不尽としか思えないこの状況を、近藤が坂木に問いただす。果たして、鬼先輩の坂木から返ってきた答えは…。
さて、本題です。
ドラマ第2話は、原作第2巻の第7話~第8話(と第9話の冒頭)に相当するエピソードでした。ドラマ第2話については、かなり忠実に原作が再現されています!(ドラマ第1話が原作第1巻を駆け足ですべて消化したのとは対照的です)
第2話では、部屋荒らし、存在しない鯖味噌ゴマドレッシングのパシリ、膨大な量の反省文などを課された近藤らは、ついに坂木部屋長にその理不尽の理由を尋ねました。そこで坂木部屋長から放たれた言葉は印象的ではなかったでしょうか?
オレたちはオマエらに理不尽なことをしている。それは、オマエらが理不尽を知らなければならないからだ。
オレたちの任務は理不尽な状況の中で部下や市民の安全を守ること。理不尽な状況の中でオレたちは常に冷静に適切な指示を出さなければならない。
だからこそ理不尽に慣れて、その対処法を学ばなければならないんだ。
また、沖田の反省文を手伝った近藤に対して、坂木部屋長はこうも言いました。
違う。沖田が理不尽に立ち向かうチャンスを奪ったんだ! 理不尽な状況を手伝えば沖田は何を学ぶ?
失敗の尻拭いをするするんじゃなぇ、次、失敗しねぇように手伝ってやるんだよ!
全員ができなきゃなんの意味もねぇんだ! 連帯責任の意味を履き違えるな!
坂木部屋長は、不合理で嫌な奴ではなく、きちんと理由があって理不尽を課していたのです。しかし、そんな坂木部屋長の言葉に対して、近藤は「わかりません! こんなしごきや理不尽なくたって、やり方はあるはずです! こんなの納得いきません! 理屈は分かりますが…納得いきません!」と返しました。
一見すると口答えのようですが、坂木部屋長はこの返答を気に入ったようです。「だったらテメェはテメェで考え続けるんだな」と返したことからすれば、坂木部屋長の理想とする幹部自衛官像と近藤の返答が重なったのでしょう。
ちなみに、Twitter上でこんな動画を見つけました。本物の防大生による清掃の様子だそうです。
#あおざくら防衛大学校物語#あおざくら#防衛大学校
— 水瀬マナ🦅市ヶ谷ちゃん (@34bekitown) October 31, 2019
清掃 pic.twitter.com/ArZgjVlLam
さて、マンガ実写化ドラマといえども、第2話あたりになってくると、そろそろ原作読者の視聴者としても慣れが出てきます。また、心なしか、俳優の方も役の人物像(キャラクター)を徐々に捉えてきているような気がします。というわけで、印象に残ったシーンを振り返ります。
まずは理不尽に対して近藤がキレたときの居室(自習室)でのシーンです。
このシーンにおける沖田、原田、武井の3人については、原作のキャラが良く再現されていました。特にコブラツイストについては原作にはないドラマオリジナルのようですが、原作における原田と武井のキャラをうまく生かしたシーンだったと思います(原作では度々原田が武井に関節技をかけているのですが、ここにそのようなシーンを持ってくるのは上手い構成です)。
また、坂木部屋長の迫力も抜群でした。喫煙室という声が反響しやすい環境がうまく生活かされ、「鬼のサカキ」がよく再現されていました!
原作では空気イスのシーンに松平はいないのですが、ドラマでは登場していました。理不尽の理由について武井が美辞麗句を並べて答えたとき、松平が「かっけぇ~」と言っていましたが、いい味を出していましたね!
坂木部屋長らが反省文の取消しをかけあったことについて松平が近藤に言わないように圧力をかけるシーンも良かったですね! これもドラマオリジナルのシーンなのですが(逆に原作では近藤らはこのことを知っています)、このツンデレに既視感を覚えたということは、ドラマが原作のキャラをきちんと捉えている、あるいは、(確認できていませんが)原作の別エピソードのシーンを借りてきたかです。いずれにせよ、上手なドラマの脚本構成になっています!
さて、ドラマ第3話のサブタイトルは「ヘルウィーク!」です。おそらく、原作における第2巻第9話~第11話(初めての外出編)と第3巻第25話~第4巻第31話(ヘルウィーク編)を混合させた構成になるのではないでしょうか? 公開されているドラマ第3話のあらすじは以下の通りです。
入校以来初めての外出許可。制服姿で街を歩けば、女子たちからも注目される防大生。
サブ部屋長の西脇とともに、横浜中華街を堪能した近藤、原田、武井の面々。そんな中、武井が親に会うと願いでて、別行動をとることに。
近藤たちが外出から戻ると、別行動の武井の姿がない!! またもや恐怖の連帯責任!?そして地獄のヘルウィークが始まる。果たして、武井を待ち受ける結末とは…!!
下記サイトより、11月30日まで原作マンガ第1巻~第3巻の無登録・無料の試し読みができるのでぜひ!
第3話の感想記事は下記リンクからどうぞ!
「星合の空」第4話の感想とソフトテニスの解説
この記事では、「星合の空」の第4話の感想とソフトテニスの解説を記しています(筆者がソフトテニスから離れてしばらく経っていることにご留意ください)。
第3話については以下の記事をどうぞ!
1.アオエム初登場!
OPアニメーションにて、ルーセント製の「アオエム」ボールが(たぶん)初登場しました! 右側の少し薄汚れた方のボールで、青字のロゴが入っています。
手前の白いボールは、ナガセケンコーの「ケンコーボール」です。
左側の青色のラケットは、眞己のミズノ製「TECHNIX 200」(ブルー)です。この度はご愁傷様です。
右側の緑色のラケットは、ヨネックス製「LASERUCH 9S」(ブライトグリーン)のはずです。しかし、ずっと気になっていたのですが、このラケットの印字がどうみても「ze」、上下逆さましても「az」で、左右反転させないと「9S」とは読めないんですよ。作画ミスなんですかね? それとも、ヨネックスが協力しているのに、なんらかの配慮があって意図的にこうなっているのでしょうか?
2.グリップエンドにご注目!
ラケットのグリップエンドには、各メーカーのロゴが入っています。ヨネックス製については、緑地に白のロゴが入っています。
後に紹介できれば良いのですが、グリップエンドのデザインについては、ミズノ製の方が格好良いです。
3.女子ソフトテニス部の練習が危険!
第1話から気になっていましたが、女子部員がコートとコートとの間に並んで立っている状況は危険です。隣のコートにボールが飛んでいかないようにという配慮からだと思いますが、後ろからぶつかられる危険性があります(特に試合中ならなおさらです)。十分にコート間の間隔が空いていればまだしも、これくらいのスペースでは事故になりかねません。
4.15ポイントマッチ!?
「15ポイントマッチ」で試合を行うというのは初めて聞きました。私は経験がありません。
「15ポイントでやるのが一番早いんでしょ?」と眞己は言っていますが、3ゲームマッチ(最小でゲームカウント2-0、ポイント換算で8-0)で行うのが一番早いのではないかと思います。
それに、ソフトテニスは、ゲームが終わるごとにサーバー/レシーバーを交代するので、15ポイントマッチ(=1ゲーム制)ということで交代がなければ有利不利が生じてしまいます。アニメでは、途中でサーバー/レシーバーが変わっているようなので、15ポイントマッチでも4ポイントごとにサーバー/レシーバーが交代しているっぽいですね。
5.ペアの決め方、前衛と後衛の相性
ペアの組み方について、もっとも単純で粗雑な決め方は、前衛と後衛の上手い人を順にペアにさせてゆく方法です。これを基本として、様々な要素を考慮し少々の調整を加えて、ペアを最終的に決めるというパターンが多いのではないでしょうか?
ちなみに、団体戦(3ペア6人制)の場合は、強い方の4人で2ペアを組み、弱い方の2人で1ペアを組む、みたいな勝ちに行く方法があります(もちろん個人戦と同じペアを維持する方法もあります)。
ペアの組み方における性格云々については、正直よく分かりません。アニメらしいストーリーだとは思いますが。
加えて言えば、「常にペア2人の行動を基本とする。コンビネーションを高めるには、それが手っ取り早い」なんてのは、理想主義的(つまりアニメ的)に過ぎるように思います? ペアで戦術や反省を話し合うことはもちろん重要ですが、学校生活においてまでもペアと一緒に行動するなんて、うんざりしそうで、かえって逆効果な気がします。また、他の友達との関係が変になりそうじゃありませんか?
6.前衛と後衛のコミュニケーション
第一試合における翅(つばさ)と晋吾(しんご)のように、ペア同士は、コミュニケーションを取り合いながら試合しなければなりません。
たとえば、ボールがちょうど二人の中間地点に来たときは、「取る!」「取って!」などの会話をして、どちらが打つのか決めなければなりませんし、コートの真ん中で前衛と後衛の位置が縦に重なってしまったときは、後衛が前衛に「右!」と言って、前衛に行ってもらいたい方向に指示を出し、後衛自身は左の方へポジショニングするのです(前衛が後衛に指示をするパターンもあります)。
円滑なコミュニケーションの観点からは、前衛と後衛は対等な関係にあった方が望ましいです。
7.ボレーの方法
ノーバウンドでボールを打つことを「ボレー」と言います。
(右利きの人の)ボレーの打ち方は、まず、シャフトに左手をそえて、ボールが来たら右足を前に踏み込み、ラケットをやや下に向けつつ、右手を前に伸ばしてボールを打ちます。ボレーをするときは、怖いかもしれませんが目を閉じずに、ラケットを顔の前に持って来てボールを打ちます。
ボレーをするときは、勢い余ってラケットや体がネットに触れないようにしましょう。プレー中にネットに触れてしまった場合、失点してしまいます。
8.ダブル後衛というポジショニング
第3試合において、大洋と直央は、ペアの2人ともが後衛ポジションを常態とするダブル後衛となりました。ダブル後衛は、後衛の足が遅い場合や、前衛が上手くない(決定力に欠ける)場合などに有効なポジショニングです。
このペアの場合、元々後衛だった大洋の足が遅く、相手にボールを左右に振られてコートを走っても追いつけず失点するパターンがあったようです。そこで、このペアは二人ともが後衛になることにより、大洋はコートを左右に走る必要が無くなったのです。
ダブル後衛においては、コートの半分はペアのもう一人に任せられるので、左右方向にはほとんどは走らなくて済むのです(ただし、ネット際に短いボールが来たときは前に走らなければなりません)。前後衛およびダブル後衛の場合において、各人がとるべきボールの範囲(バウンド地点基準)は、おおよそ以下の図のようになります。
ダブル後衛の基本戦術は、相手前衛の裏側にロブ(高い打球)などを打って相手後衛を走らせるという形でラリーを続けることにより、相手後衛のミスを待つことです。ラリーを続けることにより、相手後衛がアウトボールを打ったり、体力切れでボールに追いつけなくなったりするのを待ったり、甘いボールが来たときには強打すればよいのです。実際、大洋と直央がダブル後衛になってから失点したときの柊真は肩で息をしていました。
2人でラリーを行うダブル後衛側は左右に走らなくても良いので、1人でラリーを続ける相手後衛に対して体力的に優位に立てます。つまり、無理に相手前衛がいるコースへボールを強打してボレーで返されるようなリスクは負う必要はないのです。直央は積極的にネット際へ出て前衛の仕事もこなしているようでしたが、このような機動的なポジショニング(オールラウンダー)は、中級者~上級者向きです。
それでは、前後衛のペアはダブル後衛に対してどのようにして対抗したらよいのでしょうか?
第一に、ネット際に短いボールを打って、相手後衛のどちらかをネット際まで走らせ、ダブル後衛を崩すのです。もしかしたら(特に中学生の場合は)ダブル後衛をするような人は前衛が下手なので、一時的に前衛ポジションになったところを狙います。
第二に、ダブル後衛はセオリーとして相手前衛の裏側にロブ(高い打球)を打って相手後衛を走らそうとするので、前衛はこのコースを読んで、甘いロブが来たらスマッシュで決めるのです。ただし、ダブル後衛なので、スマッシュであっても拾われる可能性があります。
第三に、ダブル後衛の場合、相手に前衛がいないので、後衛は積極的に際どいコースを攻められます。具体的には、ダブル後衛の中間地点を狙って打ちます(上図の紫色の部分)。どちらがとるか相手ペアが迷うようなコースがベストです。実際、第三試合の最終ポイントにおいて、柊真が決めたコースはこの中間地点でした。このとき、右利きの大洋が右側に、左利きの直央が左側にいただけに、両者がバックハンドになる中間地点に打ったのは大正解です。
第5話の感想については以下の記事をどうぞ!
マンガ実写化ドラマ「あおざくら 防衛大学校物語」第1話の感想と原作との違い
さて、2019年秋ドラマとして、「あおざくら 防衛大学校物語」(30分枠)が始まりました。TVerでも無料配信しているので、見逃したという方もまだ間に合います!
この記事では、原作読者としての感想と原作との相違点を記したいと思います(一応、この記事の読者としては原作読者を念頭に置いています)。
(1)基本情報
1.ドラマ情報
放送局:MBS(10/31より毎週木曜)、テレビ神奈川(10/31より毎週木曜)、チバテレ(11/1より毎週金曜)、テレ玉(11/6より毎週水曜)
ネット配信:MBS動画イズム、TVer(いずれもMBSの放送終了後から配信)
主人公の近藤勇美は成績優秀だが、実家の経済的事情から進路の選択を迫られる。そんなある日、入学金・学費が免除される上、毎月手当が出るという防衛大学校を知り、同校への進学を志望する。
高校を卒業して防大に着校した近藤は、それぞれ様々な目標を持つ1学年の原田忠、沖田蒼司、武井寅明といった仲間と、対番の松平容介らと出会い、新たな生活の一歩を踏み出す。
希望に胸膨らます近藤らだったか、入校式を終えると部屋長の坂木龍也やサブ部屋長の西脇鷹史をはじめ上級生たちの態度は激変し、厳しい指導の日々が始まる。果たして、近藤たちは、日々の試練を乗り越えられるか…!?
2.原作マンガ情報
タイトル:『あおざくら 防衛大学校物語』
原作者:二階堂ヒカル
レーベル:週刊少年サンデーコミックス
既刊:13巻(2019年11月18日第14巻発売予定)
(2)第1話のあらすじ
全国統一模試の優等生の近藤が本校を志望したのは、「タダで勉強ができて、金が貰えて、実家にお金も入れられる、まさに一石三鳥だから」。そんな近藤の防大生活が幕を開けた。
同学年の原田忠、沖田蒼司、武井寅明。それぞれの目標は違うが、仲間たちとの楽しい共同生活が始まるはずが…。
入校式の翌日から容赦なく始まったのは、想像を超える厳しい日々だった。4年生で部屋長の坂木やサブ部屋長の西脇の激が飛ぶ!! これが防衛大なのだ!!
以上がドラマ第1話のあらすじです。30分枠1クールという制約から、原作と比べると、エピソードがそれなりに削られています。相違点については後述しますが、ドラマ第1話で原作の第1巻のすべて(第1話~第6話)を消化しています。
(3)原作との相違点
1.登場人物の相違点
実写化の常として登場人物の容姿に違和感があるのは否めません。が、慣れの問題かと思われます(夏ドラマの「これは経費で落ちません!」(原作:集英社オレンジ文庫)も終わってみれば良作でした。もっとも、こちらの原作は表紙絵のみの小説でしたが)。
まず原作とドラマとの違いが目につくのは、沖田と原田です。
沖田は原作では金髪っぽいのですが、ドラマでは暗めの茶髪です。とはいえ、防衛大学校生はそもそも染髪が許されていないはずなので、妥当な変更だと思います。
原田については逆に、原作では坊主だったのに、ドラマでは長髪になっています。おそらく女性視聴者をメインターゲットとするこのドラマでは、イケメン若手役者の美観を損ねたくなかったのでしょうか?(映画「日本のいちばん長い日」の坊主姿の松坂桃李は格好良かったんですけどね)
西脇サブ長は、さすがにあの大柄なゴリラ体型を日本人キャストで再現するのは無理だったようです。が、少しイケメンになり過ぎですw
坂木部屋長については、もう少し目つきが悪くて小柄な人の方が良かった気がします。
近藤や武井については、想定の範囲内という感じです。
しかし、そんな中、原作からそのまま飛び出してきたかのような人物がいました。対番の松平(演:狩野健斗)です。眉毛がいい!!
2.エピソードの相違点
上述の通り、ドラマ第1話で原作第1巻を丸々消化しているので、エピソードがそれなりに省略されています。
まず、原作第1話の近藤の地元でのエピソードが丸々カットされています。したがって、原作におけるメインヒロインの一人、幼馴染の松井常代は登場しませんでした( ;∀;)
さらに、もう一人のメインヒロイン、岡上乙女も登場しませんでした(´;ω;`)(つまり、近藤と松平の「のぞき」エピソードはカットされています)。
ちなみに、サブヒロインである沖田の姉、美月さんは写真のみでの登場でした。
以上から言えるのは、このドラマは徹底して女性向けの作品になっている、ということでしょうか?(2020年に同じキャストでの舞台化というのも女性向けのように思われます) しかし、岡上乙女については今後、登場する可能性があるので期待しておきます!(公式HPのキャスト欄に名前はありませんが……)
その他のエピソードについては、多少の省略はありますが、基本線は再現されています。
原作マンガを読んだことがない方は、超おもしろいのでぜひ読んでみてください!! 試し読みはこちらから!(11月30日まで原作第1巻~第3巻が無登録・無料で読めます)
さて、ドラマ第2話のサブタイトルは「理不尽」です。沖田の反省文100枚を手伝うと言った近藤のベッドが庭に放り出されているところ(原作第2巻)から物語は再開します。続きが楽しみですね!
日々のスケジュールをこなすため、防大内を駆け足で過ごす近藤たち。
いやおうなしに先輩たちからくだされる数々の指導。敬礼が甘ければ、「反省文20枚!」。清掃に落ち度があれば「反省文20枚!」なんなんだーー、これは!? 勉強なんて、やる暇なし!
そんな状況に、遂に、近藤が動いた。ただの理不尽としか思えないこの状況を、近藤が坂木に問いただす。果たして、鬼先輩の坂木から返ってきた答えは…。
「星合の空」第3話の感想とソフトテニスの解説
この記事では、「星合の空」の第3話の感想とソフトテニスの解説を記しています(筆者がソフトテニスから離れてしばらく経っていることにご留意ください)。
第2話については以下の記事をどうぞ!
1.ソフトテニスの試合形式
ソフトテニスの試合形式については、柊真の説明の通り、
ソフトテニスの試合は、通常、1セットマッチ。その1セットは3ゲーム、5ゲーム、7ゲームなど奇数ゲーム数で行う。その1ゲームは4ポイント先取すれば取れる。3ゲームマッチなら、先に2ゲーム取れば、試合は勝ちになる。つまり、1試合の過半数のゲームを取ればいい訳だ。
追加説明を行うとすれば、中高生の公式戦は7ゲームマッチで行うことが多いです(ただし、中学生では公式戦でも県大会に行くための地域予選は5ゲームマッチの場合もあります)。
練習試合(特に部内での練習試合)では、限られた時間内で多くの試合が組めるようにするために、3ゲームマッチや5ゲームマッチで行われることが多いです。
1ゲームは4ポイント先取制ですが、双方とも3ポイントずつとなった場合(デュース)は、2点差がつくまでゲームは続きます。
ちなみに、プロの硬式テニスは、1マッチ5セット制(3セット先取)、1セット6ゲーム先取(2ゲーム差以上)、1ゲーム4ポイント先取(2ポイント差以上)なので、テレビ画面の向こう側で活躍しているプロテニスプレイヤー(特にシングルス)がいかに体力オバケなのか痛感します。
2.ソフトテニスのユニフォーム
ソフトテニスは、(日本発祥ですが)イギリス由来ということで、服装には少々うるさいです(硬式テニスやバドミントンはここまでうるさくありません)。
ユニフォームは、襟付きで、すそはパンツにしまわなければなりません。また、公式戦の場合は、氏名と学校名が書かれたゼッケンをユニフォームに付ける必要があります(ユニフォームに直接プリント・刺繍されたものでも可)。
3.コートとポジション(前衛と後衛)
以下の図がテニスコートにおけるラインの名称です。
ダブルスにおいては、前衛と後衛で役割分担するのが常道です(これはルールではなく、ただのセオリーです)。
後衛はコートの後ろの方にポジションをとり、相手の後衛との打ち合い(ラリー)をしてボールを繋げ、ネット際にポジショニングする前衛は、相手後衛のコースを読んだりミスを捉えて、ボレーやスマッシュといった決定打を決めます。
もちろん、一時的に二人ともが後衛になったりするなんてことは多々あります。役割分担・ポジショニングは試合の状況に応じて流々転々します。
ダブル後衛(2人とも後衛)やダブル中衛(2人ともサービスラインくらいにポジションをとる)といったポジショニングを常態として行うペアもありますが、特に後者は上級者じゃないと無理です。
4.サービス/レシーブのルール
サーブ(サービス)を行う者をサーバー、サービスに対して返球(レシーブ)する者をレシーバーといいます。サーバー、レシーバーはペアのどちらかがいつどのタイミング行っても良いというものではなく、きちんと順番が定まっています。
サーブ権はゲームが終わるごとに自分たちのペアと相手のペアとで交代します。また、自分たちがサーブ側のときでも、2ポイントごとにペアの中でサーバーが交代します。他方、レシーバーは、ペアの中で1ポイントごとに交代します。
サーブは、エンドライン後方のセンターマークより片側から対角のサービスコートに向かって打ちます。レシーブはどこに打っても構いません。相手後衛に打ち返しても、相手前衛の裏側にロブ(高い打球)を打って相手後衛を走らせても、相手前衛に向けて強打してストレートを抜いても構いません。
以上の内容は言葉では理解しにくいと思うので、詳しくは下図をご覧ください。
1つ目の練習試合の1ポイント目で、サービスサイド側の眞己(サーバーは柊真)は、下のキャプチャのようにサービスライン付近にポジショニングしていますが(画像右上)、かなり悪い位置にいます。
ソフトテニスは、足元にノーバウンドで来る球の返球が一番難しいため、このポジションにいては格好の的です。そのため、相手側が眞己の足元を狙ったのも当然のことなのです(眞己はネット際に走って誘うような形でボレーを決めましたが、しかし、特に初心者にとっては必然性のあるポジショニングではありません)。
同じように、2つ目の練習試合において、下のキャプチャのように相手ペア(画像上側)は、多くの時間帯で2人ともサービスライン付近にポジショニングしていましたが(ダブル中衛)、これは上級者でなければ無理なポジショニングです。足元に強打されたり、ベースライン付近にロブ(高い打球)を打たれたりしたら、簡単に失点してしまいます。負けたのも仕方ありません。
その一方で、柊真(画像右下)はベースライン付近にポジショニングしており、だいたいの球に対応できる位置にいます(反対に、眞己の位置はもっとネット際に寄った方が良いです)。
サーブは1回目(ファーストサーブ)がサービスコートに入らず失敗(フォルト)した場合、2回目を打てます(セカンドサーブ)。1回目がスピード重視で打つのに対し、2回目は、これも失敗したら相手側のポイントになってしまう(ダブルフォルト)ので、コントロール重視で打ちます。
セカンドサーブは、中級者~上級者はオーバーハンド(肩より上で打つ)の方が多いですが、初心者~中級者はアンダーカット(膝くらいの高さで回転をかけて打つ)の方が多いです(カットサーブはスピードこそありませんが、バウンドしたボールが変な方向へ曲がります)。アンダーカットの方がコントロールしやすく、またオーバーハンドに比べると打った後に体勢をすぐに直せるからです。
1つ目の練習試合の4ポイント目において、眞己はセカンドサービスをオーバーハンドで緩やかに打っていましたが、これでは相手が強打してレシーブしやすいです(初心者なので仕方ないのですが)。
5.ミミズ腫れは初心者あるある
ソフトテニス初心者において、ラケットを握り慣れていないことにより生じる水ぶくれや皮が剥ける現象はあるあるです。数か月も続けていれば、当該箇所の皮膚が硬くなり、問題なくラケットを握れるようになります。
6.ラケットの形状について
まず大前提として、ソフトテニス用のラケットと硬式テニス用のラケットは別物です。ボールが違うため、その造りも異なるのです。ソフトテニス用のラケットで硬式テニスのボールを打ったら壊れてしまう可能性があるので止めましょう(反対に、硬式テニスのラケットではソフトテニスボールを打っても大丈夫です)。
ラケットの形状は、大きく分けて二種類あり、一本シャフトと二本シャフトとがあります。シャフトとは、ラケットの面/フレーム部分とグリップ部分を結ぶ箇所のことです。枝分かれしていないものを一本シャフト、二つに枝分かれしているものを二本シャフトといいます。
一本シャフトは、2000年代頃までは、中級者~上級者の後衛が使うものとされてきました。二本シャフトに比べると一本シャフトは、面もミート部分も比較的小さく、重量も重めに作られていますが、その分だけ振り抜きやすく球威が増すのです。反対に、面もミート部分も広く、比較的軽いためどんな球でも素早く対応しやすい二本シャフトは、前衛や初級者~中級者の後衛が使うものとされてきました。2000年代頃までの二本シャフトの中空部分は、シャフトの半分程度までしか開いていませんでした。
しかし、2010年代になってからは、シャフトの中空部分がグリップ部分まで大きく開いたものが勢力を増してきました(このアニメで皆が使っているラケットの形状です)。2019年現在においては、前後衛を問わず、大きく開いた中空部分を持つ二本シャフトがかなりのシェアを占めるようになっています。メーカーにおいて、後衛における二本シャフトの優位性が証明されたのでしょうか? とはいえ、前後衛で、一見して同じような外見でも、前衛用と後衛用では、重さ、重心、面の大きさ、グリップの太さなどに違いは残っています。
第3話で、眞己は地面にラケットを打ちつけ、樹は人にラケットで人に殴りかかっていましたが、こんな使い方をすればラケットが損傷してしまいます(実際、後者についてはしっかりと壊れていました)。ラケットの枠が損傷すれば当然にガット(ストリングス)が緩んで使い物にならなくなります。シャフトが損傷しても打撃感が変わってきます。ラケットは1~3万円くらいするので、中学生・高校生にとってはかなり高い買い物です。
第4話の感想・解説はこちらから!
「星合の空」第2話の感想とソフトテニスの解説
この記事では、「星合の空」の第2話の感想とソフトテニスの解説を記しています(筆者がソフトテニスから離れてしばらく経っていることにご留意ください)。
第1話については以下の記事をどうぞ!
1.サンバイザー
作中で指摘されている通り、サンバイザーは女子しか被らないというのが常識です(とはいっても、キャップを被る女子もたくさんいます)。頭全体を覆えて日差しを遮れるキャップの方が良いのですが、髪型や通気性の問題から女子からはサンバイザーも支持されているのです。
2.ダブルス
テレビでよく見る硬式テニスはシングルスの方がメジャーですが、ソフトテニスにおいては圧倒的にダブルスの方がメジャーです。中高における夏の大会(3年生最後の試合)、秋の大会(新人戦)の二大公式戦おいては、ダブルスしかありません。
3.グラウンド20周
中学生の頃、入部してから3年生が引退するまではこのような走り込みをやっていたのを思い出しました。基礎体力を付けるという理由もあるのですが、そもそもコートを大人数で使えないという事情もあったかと思います。
(私の体験談で言えば)正直なところソフトテニスは、ある程度まではきちんと基礎体力を付けていなくても、小手先だけのテクニックでそれなりにできるのですが、試合で勝ち進んでより強い相手と当たるとなると基礎体力の必要性を痛感します。
たとえば、フォアハンドで打つのとバックハンドで打つのは、一般論として前者の方が威力もコントロールも優れているのですが、利き手と反対側(バックハンド側)にボールが来たときに回り込んでフォアハンドで打ちたければ、やはり俊敏性や持久力などの基礎体力がモノを言います。
4.ソフトテニスボール
ソフトテニスでは、中空の白色ゴムボールが使用されます。専用の空気入れを使ってボールの弾力を調整します。硬式テニスのボールが黄色のフェルトで覆われた硬めの球であるのに比べると、格段に柔らかいです。そのため、硬式テニスはパワーによってラケットでボールを弾き返せるのに対し、ソフトテニスはボールが軽く柔らかい分、より大きなフォームでラケットに全身の体重を乗せてボールを打つのです。
作中でも言及がありましたが、ソフトテニスボールは柔らかいため、万が一当たったとしても安全です。しかし、骨折をしない程度に安全というだけで、皮膚に直接当たれば赤紫色のミミズ腫れができます。柔らかい分、当たったボールは皮膚にぴったりと接着し、ヒリヒリとした痛みを広範に残すのです(ビンタみたいな感じでしょうか?)。
ソフトテニスボールはゴム製品であるため、新品は白くてグリップ力があるのですが、長い間使っていると砂利で茶色っぽく汚れてきて、表面がツルツルになってゆきます。ツルツルなだけならまだしも、ゴムボールのため長く使っていると新品に比べ少し肥大してゆきます。どれくらいの頻度で新品のボールに交換されるかは、部の財政状況によるでしょう。
5.ラケットの握り方
作中で説明があった通り、ラケットの握り方には、ウェスタングリップ、イースタングリップ、セミイースタングリップがあります。そして、ソフトテニスにおいては、ウェスタンが基本となります(ウェスタングリップでは、フォアハンドもバックハンドも同じ面でボールを打ちます)。
硬式テニスやバドミントンでは、イースタングリップが基本かと思われます。両競技ともラケットの両面を使って球を打つ(フォアハンドとバックハンドで別々の面を使う)ので、イースタンの方が適しているのです。
しかし、ソフトテニスは、ボールが軽く柔らかいという特性上、全身の体重を移動させてボールを打つという大きなフォームが必要になります。そして、そのフォームのためには、フォアハンドでもバックハンドでもラケットに体重が乗りやすいウェスタングリップが優れているのです。
とはいえ、サーブの場面では、ボールに回転をかけるために、一時的にイースタングリップやセミイースタングリップにすることがあります。しかし、サーブを打ったらすぐにウェスタングリップに握り直します。
6.ボールの打ち方(フォアハンドとバックハンド)
柊真の説明は完璧ではないでしょうか。初心者はこれを見て勉強するのも良い手かと思われます。
あえて追加説明するとすれば、
- ボールはへその高さで打つよう、しっかりと腰を曲げて膝を低くかがめる。
- ボールを打つ瞬間、ラケットの中心線(グリップからラケットのヘッドを結ぶ線)が地面と水平になるようにする(意識していても、どうしてもヘッド側に傾いてしまいますが)。
- ボールを打つ瞬間、ラケットの面が地面と垂直かやや下向きになるようにラケットを振る(ラケットの面を上向きにすればアウトになってしまい、下向きにすればネットに引っかかってしまう)。ラケットをそのまま振り抜けば、綺麗に順回転(ドライブ)がかかる。
正直、フォアハンドについては、柊真の説明の通りの綺麗なフォームでなくとも、小手先のテクニックである程度の威力とコントロールを出すことはできるのですが、バックハンドについてはこうはなりません。バックハンドは、フォアハンドに比べると習得が格段に難しく、正確なコントロールに苦労します。
7.コートが使えないからグラウンドで練習
「コートが使えないからグラウンドで練習」と言いつつも、グラウンドにはしっかり「壁打ち」用の壁があります。これがあるのとないのとでは大違いです。
コートがない場所では基本的にはラリーの練習はできませんが、壁打ち用の壁があれば、擬似ラリーができます。ラリーができるのとできないのとでは、練習の楽しさが格段に違ってきます。
とはいっても、実際のコートに比べると、ボールが再び手元に返ってくるタイミングが若干早く、また勢いよく打たないと元の場所まで返ってこないので、まったく同じという訳にはいきません。初心者向きの練習ではないです(眞己くらい才能があれば問題はないのでしょうが)。
第3話の感想と解説については、以下の記事をどうぞ!
「星合の空」第1話の感想とソフトテニスの解説
現在、2019秋アニメとして「星合の空」が放送されています。この作品では、アニメでは珍しく(というか初めて?)、ソフトテニスが題材とされています。
中学・高校でソフトテニスをやっていた私としては何かを書かずにはいられません。そこで、(ストーリーやキャラについての感想は他の方に任せるとして)主にソフトテニスの解説をこの記事では書こうと思います。
ソフトテニスの競技人口の中心は中高生ですが、生涯スポーツとしても可能な競技でもあります。この記事がソフトテニス普及の一助になれば幸いです。
※筆者がソフトテニスから離れてしばらく経っているので、もしかしたら不正確な記述があるかもしれません。ご注意ください。
※筆者が常識だと思っていることは狭い地域でしか通用していなかった可能性があります。ご了承ください。
1.中学校におけるソフトテニス
このアニメの舞台は中学校ですが、中学校でのテニスと言えば、ほとんどがソフトテニスになるかと思います。硬式テニス部がある学校はかなり少ないはずです。
その理由は、硬式テニスがパワー(筋肉)を使って球を打つのに対し、ソフトテニスはパワーというよりも、大きなフォームによる全身の体重移動を使って球を打つからです(第2話参照)。つまり、まだまだ体の筋肉が未発達な中学生にとってはソフトテニスの方が向いているのです(硬式テニスの場合、肘を壊す可能性があります)。
2.試合における掛け声
「いっけーいけいけ〇〇! おっせおせおせ〇〇!」という女子部員の掛け声がありましたが、公式試合や他校との練習試合ならともかく、部内での練習で掛け声を行うことは珍しいかと思われます(ただ、強豪校なのであり得る話ですが)。
ソフトテニスでは、試合中のペアを応援するために試合のない仲間が応援するのが通例です。しかし、「いっけーいけいけ……」のようにリズムに乗せて応援するのは女子中学生くらいなもので、男子や高校生以上は、「ナイスサーブ!」や「ナイスボール!」程度の単発的な掛け声にとどまるものが多いかと思います(しかし、強豪校はこの例外ですが)。
また、ソフトテニスの掛け声において特徴的なのは、外野の掛け声によって味方を応援するはもちろんですが、敵にプレッシャーをかけることも重視されていることです。つまり、味方に対して「ナイスサーブ!」のような掛け声はもちろんするのですが、たとえば、敵がミスした場合には敵の方にまで聞こえるくらい大きな声で「ラッキー!!」と声を出すのです。こうやって相手のメンタルへの攻撃を仕掛けて味方の応援をするというのが、ソフトテニス界の(褒められたものではない)慣習です。
3.練習着がユニフォーム?
このアニメでは、放課後の部活で使う練習着としてユニフォームを使っていますが、中学生は普通、体操服で練習をするかと思います(高校生になったら体操服は使わず、中学校の頃に使っていたユニフォームや自前の練習着を着ることが多いです)。
ただ、この中学校は強豪校(部活に力を入れている学校?)なので、練習着としてユニフォームを使うという決まりがあってもおかしくはないですね(ただ、毎日の練習にユニフォームを使うとなると、洗濯・乾燥を頑張るか、ユニフォームを複数セット購入する必要があるということになります)。
ところで、女子のユニフォームにはスコート(スカート)が採用されていますが(多くの学校は女子もハーフパンツを採用します)、練習着としてこれを着用するとなると、健全な男子中学生にとっては目に毒ですね。
4.音がリアル!
第1話において女子部員と男子部員が練習試合を行っていますが、そこでのボールの音がリアルです。
また、男子部員が女子部員に向けてラケットを使って拍手をするシーンがありましたが、あのラケットのガット(ストリングス)を手で弾く音はかなりリアルです。というか、本物で録音しているはずです! ちなみに、ガットを張る度数が高いほど弾いたときの音は高く、度数が低いほど(張りが緩んでくるほど)音が低くなります。
5.1点も取れない?
第1話の練習試合において、男子部員は女子部員から1点も取れなかった(ラブゲーム)ようですが、これは異常事態です。それなりに上手くても、コースを狙いすぎてミスをしたなんてことは珍しくありません。ということは、ここの女子部員はかなりの上級者ぞろいということになります。
6.ソフトテニスをやっていてもモテない?
これは私の中学校の頃の経験談ですが、男子ソフトテニス部には、学年一のイケメンが所属していました。彼は運動神経も良く、小学生の頃から地域のクラブに入ってソフトテニスをやっており、部内で一番強かったです。
また、女子ソフトテニス部には、学年の中でもかわいい女子たちが多く集まっていました。そして、中3のとき、その中の一人と、例のイケメンが付き合っていました。周りが文句の言いようもない美男美女カップルでした。
以上の経験談から言えるのは、男子ソフトテニス部だからといって定型的にモテないのではなく、モテないのはその顔のせいだ、ということです(特に、小中高大の中で、顔が一番重視される時期は中学校ではないでしょうか)。しかし、例の彼は性格も良かったですからね……。
地方大会や全国大会に出るほどの強豪校であれば、男子ソフトテニス部というものに箔が付き、少しはモテやすくなるのではないでしょうか?
7.4年間一度も勝ったことがない?
ここの中学校の男子ソフトテニス部は4年間一度も公式戦で勝ったことがないそうですが、これは異常事態です。
ソフトテニスは中学校から始める人がほとんどなので、個人戦ならば一回戦で初心者と当たる確率はそれなりにあります。初心者と当たっても勝てない、あるいは初心者と当たったことがないという事態であれば、かなり運の悪い弱小部ということになります。
8.ソフトテニス業界のこのアニメにかける思いがすごい!!
エンディングクレジットの協力の欄には、ソフトテニス業界にとって重要な企業・団体が勢ぞろいしていました。
まず、「日本ソフトテニス連盟」は、日本ソフトテニス界の統括団体です。ここが公式戦のルールなどを決めています。ソフトテニスのラケットには連盟のマークが入っています(ラケットの軸にある小さな緑色の盾状のマークです)。
そして重要なのが「ミズノ(Mizuno)」と「ヨネックス(YONEX)」です。これらはソフトテニス界における二大メーカーで、ラケットやユニフォームを製造しています。この両企業が業界シェアをめぐってしのぎを削っています(両方とも国内メーカーです)。
第1話で柊真が眞己にあげた青色のラケットはミズノ製の「TECHNIX200」(ブルー)でした(2019年発売の入門用モデル)。
ミズノ|テクニックス200(ソフトテニス)|テニス|ソフトテニスラケット
反対に、柊真の緑色のラケットはヨネックス製の「LASERUSH 9S」(ブライトグリーン)ようです(同型モデルの発売が2015年の上級者モデル)。
各部員のラケットが接写される際、デザインのディティールがかなり再現されていますのでよく確かめてみてください。
上記二社と比べると、「アシックス」は、ソフトテニス界においては影が薄いです(というか、私自身、このアニメを見てアシックスがソフトテニス界と関わりがあることを知りました)。どうやらテニスシューズを製造しているようです(しかし、ソフトテニスプレイヤーほとんどがミズノかヨネックスを履いています。硬式テニスではそれなりに使われているのでしょうか?)。このアニメにおいては、アシックス製のシューズが使われているようです。
「ナガセケンコー」は、ソフトテニスのボールの製造業者です。連盟公認の公式球として公式試合に使える「ケンコーボール」を製造しています(赤字は公式球で、青字は廉価版の練習球です)。
「ルーセント」は、ソフトテニスのユニフォームメーカーです。ミズノとヨネックスに次ぐシェアかと思われます。また、ソフトテニスボールのメーカーでもあります。「アカエム」と呼ばれる赤字の公式球と、「アオエム」と呼ばれる青字の廉価な練習球を製造しています。
「ベースボール・マガジン社」は、ソフトテニス界唯一のスポーツ誌「ソフトテニス・マガジン」を発行しています。第1話にはそれらしいものが映り込んでいました。
「誠文堂新光社」は、出版社のようですが、ソフトテニス界とどう関わっているのか私はよく知りません。「清明学園」は、東京にあるソフトテニス強豪校のようですね。
ちなみに、第3話で樹が破壊したラケットは、ウィルソン製っぽいですね。ウィルソン(海外メーカー)は、硬式テニスのメーカーという印象でソフトテニス界においてはほとんど存在感がなく、硬式テニスのラケット市場においてヨネックスと国際シェアを争っているという感じです。
第2話の感想と解説については、以下の記事をどうぞ!