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ファンタジーのジャンル論・再考――「『異世界転生しないのにゲーム的な要素が登場するファンタジー』はアリなのか?」に対するご批判を受けて

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フォーチュン・クエスト


(1)先日の記事に関するお礼と反省

 

irohat.hatenablog.com

先日、異世界転生しないのにゲーム的な要素が登場するファンタジー」はアリなのか?――この種のラノベには違和感を抱きませんか?」と題する上記記事を書いたところ、望外の反響がありました!

様々な場所で(ご批判を中心に)ご意見を頂き、ありがとうございました!

上記記事については、ライトノベル/ファンタジーのジャンル論の「叩き台」としてひっそり機能すればよい、くらいの気持ちで記事を書いたのですが、そのまま「叩き」台にして下さり感謝しております。

叩き台の側になって気づいたのですが、私と異なるジャンル論を提示してくれるという意味での建設的意見の少なさからは、やはりジャンル論の不在・混乱を感じましたし、建設的な意見をくださる方についても、どうやら手探り状態といった感じでした。

 

いずれにせよ、先日の記事については、お陰様で皆様から頂いた意見から以下のように反省すべき点があると気づかされました。

  • 私自身のライトノベルの読書歴が「異世界転生」の興隆後から始まったことによる、ライトノベルあるいはファンタジーの歴史と古めの作品に対する理解の不足。特に、ゲームとファンタジーの相互影響に対する視点の欠落
  • 異世界転生しないのにゲーム的な要素が登場するファンタジーについては、上記記事で書いたような違和感――もはや偏見とでも言うべきかもしれません――があったのであまり読んでこなかったこと。
  • ファンタジーのジャンルの切り分け方には様々な方法があるが、必ずしも同時に成り立たない訳ではないこと。

 

特に、最前者については、ラノベ読者の諸先輩方から多くのご不評を頂きました。これについては、「『異世界転生しないのにゲーム的な要素が登場するファンタジー』はアリなのか?」という、やや挑戦的なタイトルのせいもあったかと思います。また、記事の趣旨からして、このジャンルの愛読者に対して「私の好みはあなたとは違う」というメッセージが強く伝わり過ぎたのかもしれません(とはいえ、可処分時間と好みの関係から、少なくともしばらくの間は、この種のジャンル――存在自体が疑われているのですが――を読むことはないだろう、と正直に告白しておきます)。色々と反省しているところです。

 

様々な反省すべき点がある反面で、上記記事を書いて改めて良かったと思った点もあります。

上で自身のラノベ読書歴の短さを反省しましたが、あまりラノベに慣れていなかったからこそ異世界転生しないのにゲーム的な要素が登場するファンタジーに対する違和感を抱くことができたのだと思います。もちろん、この点についてご批判のあることは承知していますが、おそらく今しかないこの極めて主観的な感覚を言語化し、公開・問題提起できたことは良かったと思います。

また、ご批判の声に圧倒されたものの、私が抱いた違和感に対するご共感の声もちらほらと頂けました。この手の記事にわざわざコメントしようとする方がいるとすれば、愛の鞭をもって私の不見識を正そうとしてくださる方のみだと思っていたので、大変嬉しく思います。

 

今後は、より皆さんからの賛意を頂けるように、この違和感の整理方法やジャンル分けの方法について議論ができればと考えております。今後とも、忌憚のないご意見を賜ることができればと思います。

 

 

(2)本題――ファンタジーのジャンル論・再考

 

さて、いよいよ本題です。

「ファンタジーのジャンル論・再考」と題しましたが、皆さんからのご批判を受け、自らの無理解と不見識と浅学非才さを反省した結果、下記記事で論じたファンタジー小説のジャンル論を見直さなければならないと考えました(皆さんのご意見をすべて拝読しすべて咀嚼できた訳ではないのですが、問題意識はひしひしと感じたのでひとまず見直しを行ってみました)。

 

irohat.hatenablog.com

詳細はここには書きませんが、上記記事では、ざっくり言うと下図のようなジャンル分けをしていました(これから修正を加えるので無視してもらっても構いません)。

 

ファンタジー

 ├─本格ファンタジー

 │  ├─ハイ・ファンタジー

 │  └─ロー・ファンタジー

 └─異世界ファンタジー

    ├─ゲーム的異世界ファンタジー

    └─非ゲーム的異世界ファンタジー

 

以下では、このジャンル分けに大幅な修正を加えてゆきます。

 

 

1.本格ファンタジーとゲームファンタジーの区別の可能性

 

まずは、「本格ファンタジー「ゲームファンタジー区別の可能性について考えたいと思います。

 

「本格ファンタジーとは、ヨーロッパなど各地の神話・歴史・文化・宗教等に基づいて作られた伝統的なファンタジーのことを指します。『指輪物語』(ロード・オブ・ザ・リング)や「ハリー・ポッター」シリーズなどがこれに該当します。

これ対して、「ゲームファンタジーとは、(神話・歴史・文化・宗教等を背景とするか否かに関わらず)ロール・プレイング・ゲームRPG)の諸要素が盛り込まれたファンタジーのことを指します。

 

しかし、ファンタジー小説とゲームが相互影響の下に発展してきたことに鑑みれば、ゲームファンタジーと本格ファンタジーとを区別することの意義は疑わしいのかもしれませんし、両者を区別するとしても、その区別の基準も設けようがないのかもしれません(両者の差は、ゲーム的要素の多寡・強弱の程度問題・グラデーション問題でしかありません)。

 

その一方で、両者の区別の基準――何をゲーム的要素とするか――が恣意的・主観的になってしまうことを承知の上で、あえて区別を設けようと試みることも、私のような読者の便宜のため――読みたい本を探しやすくするため――には必要なことだとも思います(私がジャンル論に手を出して固執する理由はここにあります!)

 

試論ですが、ゲームファンタジーと本格ファンタジーの区別の基準について、以下のようなゲーム的要素を持つファンタジーは、ゲームファンタジーに分類すべきではないかと思われます。

  • 物語の舞台がゲームであると明言されている場合(ゲーム世界への没入、ゲーム世界に取り残された、転生先がゲーム世界だった、など)
  • HP、経験値、スキル、ランク、レベルなどのステータス制度が存在し、この情報が登場人物の強さを規定する場合(世界や人間の複雑性を各種のステータス制度へと捨象・変換し、これらの客観的指標によって世界観を管理することは、ゲームの特徴の一つであるため。ゲームを有意に進行させるためには必要不可欠な要素といえる)
  • 冒険者・勇者といった職業・地位が存在し、登場人物の属性情報として重視される場合(職業が登場人物の重要な属性となることがRPGの特徴の一つであるため)

※典型的には、主人公らが剣士・魔法使い・聖職者などでパーティーを組むような場合は、そこにおいては職業・地位が重要な属性として機能する世界観なので、これはゲームファンタジーと呼べるでしょう。

※たとえば、「魔法使い」はRPGの職業の一つとして挙げられることが多いですが、主人公などの主要な人物がすべて魔法使いで学生である魔法学園モノであれば、各人の職業・地位の特殊性・重要性は相対的に低下するので、(他の要素との兼ね合いもありますが)このような魔法学園モノはゲームファンタジーとは呼べないでしょう。

 

以上のようなゲーム的要素を持つ場合はゲームファンタジーに一応分類でき、上記のいずれの要素も持たない場合は本格ファンタジーに一応分類できるのではないかと思います。

 

 

2.ハイ/ロー・ファンタジー異世界ファンタジーの関係性

 

まず先に、ハイ/ロー・ファンタジーの定義を確認しておきたいと思います。

 ハイ・ファンタジーとは、現実の世界ではなく、架空の世界のファンタジーとして定義される。その架空の世界は(架空世界内では)一貫しているが、現実の世界とは異なる「法則」で成り立っている。逆にロー・ファンタジーは、現実の世界に魔法の要素が含まれていたり、架空の世界であっても(現実の世界として)合理的で親しみのある世界に魔法の要素が含まれている。

ハイ・ファンタジー - Wikipedia

 

また、異世界ファンタジーについては、物語において、現実世界とは別の異世界への転生・転移・接続や、ゲーム世界への没入・転生・転移などが描かれるファンタジーと定義しておきます。また、これらをまとめて、「転生・転移」と呼ぶことにします。

 

さて、ハイ/ロー・ファンタジー異世界ファンタジーの関係については、いくつか考え方があります。

第一に、現実世界を基点として異世界に転生・転移する点や、転生・転移者が現実世界での知識・経験を異世界において活用するという点を捉えて、異世界ファンタジーをロー・ファンタジーの一類型とする考え方があります。

第二に、異世界ファンタジーにおいては、異世界と現実世界の間を行ったり来たりすることはできず、異世界が物語の主要な舞台となるパターンが多いため、異世界ファンタジーをハイ・ファンタジーの一類型とするという考え方もあります。

第三に、一大ジャンルとなった異世界ファンタジーを、ハイ・ファンタジー、ロー・ファンタジーに並ぶ類型として据える考え方があります。

 

しかし、いずれの考え方も妥当とは思えません。

①第一、第二の考え方については、異世界ファンタジー(転生・転移)の多種多様さをハイ/ロー・ファンタジーともに捕捉しきれていないですし、②第一と第二の考え方が真っ向から対立する中でどちらかの考え方を採用しても混乱の元となるだけですし、③第三の考え方については、一つの作品において異世界ファンタジーとハイ/ロー・ファンタジーとが両立し得ることを無視してしまっています。

 

そこで、第四に、ハイ/ロー・ファンタジーと、異世界ファンタジーの各種類型(転生・転移のあり方)は相互に独立したジャンル分けの方法であるとする考え方があり得ると思われます。具体的には下表をご覧ください。 

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ハイ/ロー・ファンタジー異世界ファンタジーの各種類型の関係

「?」の箇所があったり、枠内の説明に自身が完全に納得できてる訳ではなかったり、そこでの作品例が適切なのかについて不安があったりなど、この表は暫定版なので、適当な作品例やアイデアを思い付いた方はご教示頂ければ幸いです。

 

 

(3)とりあえずの結論――相互に独立した三つのジャンル分け方法

 

ここまで、三つのジャンル分けの方法を記してきました。

①ゲーム的要素の多寡を基準とする区別方法(本格ファンタジー/ゲームファンタジー

②現実世界との関係性を基準とする区別方法(ハイ・ファンタジー/ロー・ファンタジー

③転生・転移のあり方を基準とする区別方法(転生・転移なし/狭義の異世界間転生・転移/逆異世界転生・転移/異世界接続/異世界内転生・転移、異世界間転生・転移/ゲーム世界への没入・転生・転移)

 

これらは相互に独立したジャンル分けの方法であるため、たとえば、

とそれぞれ分類することができるのです。

 

以上が、先日の記事に対するご意見を受けて考え直した、ファンタジーのジャンル分けの方法に関する試論です。これもまた叩き台ですので、忌憚のない意見を頂ければ幸いです。

 

 

 

 

……しかし、ジャンル論は鬼門ですね。もしよかったら、ジャンル論以外にも下記のような雑考記事を書いているので是非ご覧ください!

irohat.hatenablog.com

 

 

以上が2019年8月30日に書いた元記事の内容です。

 

 

(4)コメント返し(2019年9月5日追記)

 

全部ではなく一部だけですが、せっかくくださったコメントに何の反応もしないのも心苦しいので、いくつか返信いたします。

なお、論点は1~5とありますが、1、2については、この記事の趣旨をより理解するのにはあまり役に立たないので、関心のない方は読み飛ばしてもらって結構です。

 

 

1.「深まっ太郎」問題
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「「叩き」台にして下さり感謝しております」「おそらく今しかないこの極めて主観的な感覚を言語化し、公開・問題提起できたことは良かったと思います」 ふ、深まっ太郎……

2019/08/30 20:58

 

恥ずかしながら「深まっ太郎」なる単語は初めて見ました。以下のような意味を持つ言葉らしいです。

自身の暴言がそもそもの原因であるにもかかわらず『議論が深まっただろう』と評して逃げに徹する人

 議論が深まっ太郎とは - はてなキーワード

つまり、以下の三要件すべてを満たしている人がこれに該当することになります。

①自身の暴言がそもそもの原因であること

②「議論が深まっただろう」と評していること

③逃げに徹していること

以下、この三要件該当性について考えます。

 

①「自身の暴言がそもそもの原因であること」の該当性について

この点については、この記事の(1)で触れた通り反省しています。ですので、①の要件は満たしていると思います。

 

②「『議論が深まっただろう』と評していること」の該当性について

「おそらく今しかないこの極めて主観的な感覚を言語化し、公開・問題提起できたことは良かったと思います」と私が書いたことについては、「議論が深まった」という言葉遣いでこそありませんが、まとっている雰囲気はまさに②の要件に該当します

 

③「逃げに徹していること」の該当性について

この要件の該当性については、まったく同意することができません。前の記事で書いた「ゲーム的なファンタジーに対する違和感」については、この記事の(2)1で「ゲームファンタジーと本格ファンタジーの区別とその基準の可能性」という形で訂正・昇華させたつもりです。むしろ、この方に対して、この点に関する私の見解についてどう考えるのかご意見を伺いたいところです。

と、言いたいところですが、どうやら、この方のブログやTwitterを見る限り、私とは異なるジャンル分けの理解をされています。そこで勘繰ってみるに、このような意見の相違から「深まっ太郎」と評されたのではないかと思います。その限りで、上記の「ご意見を伺いたい」は不要なお願いです(もちろん、自身と異なるジャンル分けの理解が提示されたことに対して「逃げに徹している」「深まっ太郎」と評することの妥当性・適切性については甚だ疑問ですが)。

 

なお参考までに、ジャンル分けの理解の相違が現れている記事として、異世界ファンタジー」の定義問題に関するこの方の記事を以下に挙げておきます(ついでにこれに対する私の応答記事も挙げておきます)。 srpglove.hatenablog.com irohat.hatenablog.com

 

 

2.「深まっ太郎」「トマじゃが警察」問題
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深まっ太郎!深まっ太郎じゃないか!こんなところで何をやってるんだ、さぁトマじゃが警察の仕事に戻ろう!

2019/09/02 14:26

 

こちらのコメントについても、上の方と同じ趣旨であれば、同様の回答をしたいと思います。

 

しかし、もしかしたら、このコメントはそのような趣旨ではなく、その他の点に関する批判・揶揄だったり、自身の考えを上手く言語化できないまま脊髄反射的に放言したものだったりするのかもしれません。

一言居士も大歓迎ですが、批判するにせよ揶揄するにせよ、せめてその趣旨を明らかにしてほしいところです。でないと、この手の一言コメントを読解するのが不得意な私にとっては、小学生が「バーカ!バーカ!」と放言しているのとそう変わりはありません。まさかそのような意図でわざわざコメントする方がいるとは信じたくないので、無粋なことをお願いするようですが、不肖な私にコメントの趣旨をご教示して頂ければと思います。文字数が足りないというのであれば、記事下方のコメント欄へお願いします。

 

また、「トマじゃが警察」については、「中世ヨーロッパ“風”ファンタジー」について、特にトマトとジャガイモを取り上げて、「こんなのは中世ヨーロッパではない」と指摘する人を揶揄する言葉だと理解しています。

しかし、この記事では「中世ヨーロッパ風ファンタジー」について触れていませんし、そもそも私はトマじゃが警察活動をしたことがありません。これはどのような趣旨のコメントなのでしょうか? もしかしたら、私の記事に対する致命的な勘違いあるいは偏見があるのではないでしょうか? もしこのコメントが的を射た批判・揶揄だというのでしたら、この手のコメントは私には高尚すぎるので、できれば解説をお願いします。

 

 

3.ハイ/ロー・ファンタジーと転生・転移モノの関係について
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異世界転生ものはハイファンタジーでは。ナルニア国物語とか。で、我々の世界とは違う自立した世界が舞台のはずなのにゲーム要素が出てくるからなんじゃこりゃなのであって。ゲームの世界に転生する話ならともかく。

2019/08/31 07:51
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異世界転移転生ジャンルは全てローファンタジーなので頭が悪い俺定義クソ野郎っぷりが笑える

2019/08/31 02:17

 

このように、この記事のコメント欄においてだけでも、両者の意見は真っ向から対立しています。もちろん、(2)2にも書いてありますがどちらの立場もそれなりの理由はあります(究極的には、どのようにハイ/ロー・ファンタジーを定義するのかという好みの問題になってしまいます)。だからこそ、このような不毛な対立が生まれるのです。

そこで、境界問題として扱うには作品例が多くなり過ぎた転生・転移モノをどう扱うかについては、視点を変える必要があるのではないでしょうか? つまり、「現実世界との関係性を基準とする区別方法」(ハイ・ファンタジー/ロー・ファンタジーと、「転生・転移のあり方を基準とする区別方法」(転生・転移するか否か)は、相互に独立したジャンル分けの方法であると整理する方が良いと思うのです。

 

 

4.ゲームファンタジーと本格ファンタジーの区別について

コメント① 

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この人そもそもゲーム由来の用語なのか、それ以前のファンタジー小説等からの輸入なのか区別つかないんじゃないだろうか。

2019/08/31 06:10

コメント② 

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その世界に現代地球のゲーム的要素がある利用なんて『そういう世界だから』で十分なんだけどな。話の根幹に何ら関わらない、地球の一地方にあるものと同じ(に見える)ものがその世界にある理由を延々語ってみる?

2019/08/31 21:14

 

既に(2)1で述べていますが、たとえば、ゲームを有意に進行させることを目的として、世界や人間の複雑性を捨象・変換し、客観的指標によって世界観を管理するための、HP、経験値、スキル、ランク、レベルなどのステータス制度が登場する作品群は、この点において、その他の作品群とは異なる性質を持っています。つまり、ゲームファンタジーと特徴づけ区別することができるのです。【論点A――区別の存在性】

コメント①の方については、たとえば、このような由来・目的のあるステータス制度が登場するか否かは、「ゲーム由来の用語なのか、それ以前のファンタジー小説からの輸入なのか」を区別する基準として使えるのではないでしょうか?

 

【論点A――区別の存在性】についてその存在を認める人であっても、(おそらくコメント②をくださった方のように)ゲームファンタジーも本格ファンタジーのどちらも好きな人は、この区別の重要性を認めないと思われます。その一方で、(少数派かもしれませんが)私のように、上記の特徴に対して「ひっかかり」を覚える者にとっては、この区別は重要です。それというのも、ゲームファンタジーだけが好みで本格ファンタジーは好みでない人は前者だけを探し出す指標が欲しいだろうし、本格ファンタジーだけが好みでゲームファンタジーは好みでない人は前者だけを探し出す指標が欲しいだろうからです(両方好きな人であっても、気分によって細かく読むジャンルを決めているような人にとってもこの指標は重要です)。【論点B――区別の重要性】

コメント②の方については、まさに【論点B――区別の重要性】のことを言っておられるのだと思われます。この区別の重要性を認めるかどうかは、まったくもって各人に委ねられている好みの問題だと思うので、この方の意見を否定するつもりは毛頭ございません。他方、【論点B――区別の重要性】前提問題たる【論点A――区別の存在性】については、おそらくご理解を頂けたようで嬉しく思います。

 

 

5.ジャンル分けの意義について 
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ジャンル分けってやりたい人が自分の基準でやるもんだから共通解を求めても仕方ない気がする。 それよりも本題は、最近の作品でテレビゲーム由来の符丁を濫用してるのが鼻に付く、てことなのでは。

2019/08/30 22:40
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ガチのジャンル論やりたいなら1000タイトル読んでからでは?こういうのに正解はないから、外形的な部分だけで分類しても突き崩されると思う。

2019/08/31 00:31
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ジャンルの定義とかどうでもいいわ。知るか

2019/08/31 01:42
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あなたがそう思うものがラノベです。但し他人の同意を得られるとは限りません。/神様がどうやって世界を作ったか。即席でジャンクなのと、素材から育てたのと。

2019/08/31 09:05
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ラノベをジャンル分けしようという試み自体が間違っているのだという割と以前から出ている結論に果敢に挑戦しようとしてる気はする/がやっぱりなんかラノベ誌はざっとでいいからレビューしておいてほしい

2019/08/31 23:21

 

これらの方は皆、ジャンル分けの意義(あるいは私がジャンル分けを行う意味)を問うておられるように思われます。これに対する回答としては、後日書いた記事の中で触れていますので、引用します。 

irohat.hatenablog.com

 

そもそも、人々(作者・出版社・読者など)は、なぜジャンル分けという行為をするのでしょうか? あるいは、「ファンタジー おすすめ」と検索するように、なぜジャンルを利用するのでしょうか?

 

その最たる答えの一つとしては、「読者が探したい本を見つけられるようにするため」といった即物的理由が挙げられると思われます。つまり、ジャンル分けという行為は、読者一般に対して便宜を図る行為であって、それを超えて、ジャンル分けの正義や真理を探究することは――文学研究上の学術的意義はありますが――それが読者一般に支持されない限りは、即物性という点においてあまり意味がないと思うのです(そもそも、過去・現在・未来にかけて多種多様なファンタジーが存在する中では、完璧なジャンル分けなんてものは期待できませんから、どこかで割り切る必要があると思われます)。

 

これを踏まえると、相容れないジャンル分けの方法が並立しているとき、いずれが優れているかを判断する際に重要になるのは、「どのジャンル分けの方法が読者に支持されているのか」という――これもまた短絡的な――指標になると考えられます。

 

この点、異世界ファンタジーを巡るジャンル分けの方法については、その概念把握について混乱・対立があり、おそらく、どの考え方が多数の支持を集めているかは分からない状況です(少なくとも、他を圧倒的に差し置くような支配的・優越的な見解はないはずです)。

 

そのような状況下において、当該記事を書いてくださった筆者や私のような者が、混乱の所在を明らかにし、概念を整理し、「これなら探したい本が見つけやすくなる」というジャンル分けを行うことは、読者が支持すべきジャンル分けの方法の選択肢を提示するという点において意義のある行為なのかなあと思うところです。

 

 6.ジャンル分けの方法について(2019年9月8日追記)
ファンタジーのジャンル論・再考――「『異世界転生しないのにゲーム的な要素が登場するファンタジー』はアリなのか?」に対するご批判を受けて - 小説・ラノベ・アニメ・漫画の感想・おすすめブログ

結局この人ろくに古典ファンタジー/ラノベ黎明期について調べてなさそうだし、ジャンルというものが二元論・二分探索的に分類できるハズ、っていう謎な思い込みそのままだしこんなものに真面目に反応する価値はない

2019/09/04 17:22

b.hatena.ne.jp

 

わざわざコメントしてくださったのに真面目に反応しない訳にはいきません。この方はおそらく私の議論について謎の思い込みをしていると思われます。

私が上で提言した、①ゲーム的要素の多寡を基準とする区別方法②現実世界との関係性を基準とする区別方法③転生・転移のあり方を基準とする区別方法のうち、たとえば、①は「ゲームファンタジー」と「本格ファンタジー」の二元論をとっています

しかし、ここでは「ファンタジーのうちゲームファンタジーでないものは本格ファンタジーというように消極的・控除的な定義を行ってます。そのため、「ゲームファンタジー」と「本格ファンタジー」の二元論は理論上当然に成立します

とはいえ、消極的・控除的に定義された「本格ファンタジー」には当然、その分だけ雑多な内容が含まれています(ゲームファンタジーも同様です)。そこで、②現実世界との関係性を基準とする区別方法(ハイ・ファンタジー/ロー・ファンタジーや、③転生・転移のあり方を基準とする区別方法(転生・転移なし/狭義の異世界間転生・転移/逆異世界転生・転移/異世界接続/異世界内転生・転移、異世界間転生・転移/ゲーム世界への没入・転生・転移)について、該当項目をそれぞれ当てはめてゆき、「○○は、『本格ファンタジー』かつ『ハイ・ファンタジー』かつ『転生・転移なしのファンタジー』である」などとジャンル分けすることができるのです。

もちろん、①~③以外にもジャンル分けの方法は当然に考えられます④SF要素の有無・多寡を基準とする区別方法(SFファンタジー/非SFファンタジー⑤メルヘン要素の有無・多寡を基準とする区別方法(メルヘンファンタジー/非メルヘンファンタジーなどがその例です。

このように相互に独立した区別方法による特徴付けを重ねてゆくことによって、ジャンル分けをするというのが、私のジャンル論なのです。つまり、たとえて言うならば、私のジャンル分けの方法は、ツリー構造ではなく、多次元のマトリクスのような構造なのです。