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はやみねかおる『都会のトム&ソーヤ』――現実世界の街中でサバイバル!

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都会のトム&ソーヤ

(1)基本情報

 

『都会のトム&ソーヤ』(まちのトムアンドソーヤ)

著者:はやみねかおる

イラスト:にしけいこ

レーベル:講談社YA!ENTERTAINMENT(2019年8月現在既刊16巻)

文庫版:講談社文庫(2019年8月現在既刊10巻)

ジャンル:「サバイバル」「冒険」「ゲーム」

bookclub.kodansha.co.jp

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冒険の始まりには、こんな三日月の夜こそふさわしいと思わないかい――。午後10時のビジネス街、塾帰りの内藤内人は同級生の竜王創也の姿を見かけ尾行するが、途中で忽然と見失ってしまう。だが、やがて内人は創也の秘密にたどりつき、少年たちは特別な友だちになる。都会の少年冒険小説、シリーズ第一弾!

――――――第1巻裏表紙より―――

 

 

(2)あらすじ

 

まずは登場人物を紹介。

 

内藤内人:主人公にして語り手。本人曰く平凡な中学2年生だが、どんな状況でも切り抜けられるサバイバル能力を持っている。

竜王創也:もう一人の主人公。内人の同級生。大財閥の跡取り。天才でイケメンだが猪突猛進バカ

栗井栄太:内人&創也のライバル。謎に包まれた伝説のゲームクリエイター

 

創也には「究極のゲームを作る」という夢があり、それを知った内人はそれに協力することになります。その夢とは、四つの伝説のゲームに続く「第五のゲーム」を作ること。しかも、コンピュータゲームなどではなく、R・RPG(リアル・ロールプレイングゲームです。

 

R・RPGは、コンピュータみたいな仮想現実じゃなくて、現実世界を舞台にしたRPGなの。たとえば、GPSを使った鬼ごっこ。たとえば、巻物を奪いあう忍者合戦。」(文庫第2巻322頁より)

 

ワクワクしませんか? 最近は「リアル脱出ゲーム」などの体験型レクリエーションが流行っていますが、はやみね先生は第1巻発売時の2003年の時点で、既にこのトレンドを先取りしていたのです!

 

さて、内人と創也の前には、伝説のゲームクリエイター集団の栗井栄太が立ちはだかります。ときには彼らの挑戦(テストプレイ)を受けて立ち、ときには彼らに挑戦し、あるいは彼らとは無関係のトラブルに巻き込まれたり。

 

創也は普段はイケメンの天才ですが、熱中すると周りが見えなくなる猪突猛進バカです。そのため、内人がその中学生離れしたサバイバル能力でフォローしていきます。

  

 

(3)おすすめポイント――これぞ童心をくすぐる正統派少年冒険小説!!

 

本作品は、講談社「YA!ENTERTAINMENT」という、もしかしたら見慣れないレーベルから出されている作品なので、ラノベ読者層の多くはご存じないかもしれません(なお、第10巻までは講談社文庫版〔ラノベ文庫ではない一般文庫〕が出ていますので、手に取りやすくなっています!)。その一方で、「YA(ヤングアダルト)」が示す通り、中高生のころに本作品を読んだという方も多いと思います。ヤングアダルトなので、読者層としてはライトノベルと同じくらいが想定されていると思いますので、そんな小説卒業しちまったなどと言わずに読んでみてください!!

 

さて、最近のラノベの最大派閥は「異世界冒険ファンタジー」だと思いますが、本作品は、「現実世界」での少年たちの冒険・サバイバルがテーマとなっています。現実世界での冒険・サバイバルと言っても、その舞台は無人島や密林などではなく、都会(まち)なのです! 都会での冒険って何?という方のために、6巻までの冒険の舞台を以下に記してみます。

 

第1巻:①トラップだらけのビルに侵入せよ!

    ②下水道に潜れ!

    ③テレビ局で監禁された!

第2巻:①深夜のデパートで恐怖の鬼ごっこ!?

    ②ゲームの館で伝説のゲームを探し出せ!

第3巻:①デートの練習中に誘拐事件!?

    ②文化祭中の学校に爆弾が!

第4巻:①マラソン大会から抜け出せ!

    ②ホラー屋敷で窃盗団とバトル!

第5巻:廃村でUFO!宇宙人!金塊!

第6巻:最強のホームセキュリティシステムと対決!

 

どうですか? ワクワクしませんか? 童心がくすぐられませんか?

 

最後に、この作品について重大な情報を一つ。

今度、実写映画化されます!

natalie.mu

公開時期やキャストは、2019年8月時点ではまだ未発表ですが、ワクワクがとまりませんね!

  

 

(4)関連おすすめ作品

 

「都会のトム&ソーヤ」シリーズを読んで、はやみねかおる作品にはまったあなたに、はやみね先生の別シリーズのおすすめを紹介します。

 

1つ目は、「虹北恭助」シリーズ(講談社ノベルス、全5巻)です。レーベルは講談社ノベルスですが、立派なライトノベルです。ジャンルとしては、日常の謎を解いてゆくミステリです。探偵役を虹北恭助という少年が、ワトソン役を響子という少女が務めます。

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2つ目は、「名探偵夢水清志郎事件ノート」シリーズ(講談社青い鳥文庫、全14巻)です。青い鳥文庫ということで、小学生向けの児童小説ですが、大人も十分に楽しめます!(一般文庫である講談社文庫から8冊ほど出されているので、大人でも手に取りやすくなっています)。ジャンルとしてはミステリです。中学1年生の少女、岩崎亜衣の臨家の屋敷に怪しい隣人が引っ越してきた。彼は名探偵を自称するが果たして……?

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さて、ここまで、はやみねかおる作品を3シリーズ紹介してきましたが、他にも「怪盗クイーン」シリーズ(講談社青い鳥文庫「ディリュージョン社の提供でお送りします」シリーズ(講談社タイガ、既刊2巻)など、おすすめしたい作品はたくさんあります。

 

さしあたり、まずは「都会のトム&ソーヤ」シリーズを読んで、はやみねワールドにはまってみませんか?