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久追遥希『ライアー・ライアー2』感想――考え抜かれた鮮やかな本格的頭脳戦!正ヒロインレースや如何に!?

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ライアー・ライアー2

 

この記事では、『ライアー・ライアー』第2巻の感想を書いています。ほんのりとしたネタバレを含んでいるので注意してください!(ただ、かなりぼかした表現を使っているので、未読の方も読んでも問題ないと思います!)なお、これは感想記事なので、おすすめ紹介記事とは異なり、あらすじは最小限にしか記していないのでご注意を。

 

まだこのシリーズを読んだことがない方は、第1巻からぜひ手に取ってみてください。あらすじ、おすすめポイント等を紹介した記事も書いているのでご参照を!

irohat.hatenablog.com

 

 

(1)基本情報

 

『ライアー・ライアー2 嘘つき転校生は小悪魔先輩に狙われています。』

著者:久追遥希

イラスト:konomi(きのこのみ)

レーベル:MF文庫J

発売日:2019年8月24日

ジャンル:「頭脳戦」「嘘」「学園」「ラブコメ

ライアー・ライアー2 嘘つき転校生は小悪魔先輩に狙われています。 | ライアー・ライアー | 書籍 | MF文庫J オフィシャルウェブサイト

決闘で等級を決める学園島で、史上最速の学園島最強(偽)に成り上がった俺、篠原緋呂斗。姫路らの力も借り、強敵・久我崎との死闘も切り抜けた。でも、“偽りの最強”である俺に平穏はない。英明学園の伝統イベント・区内選抜戦は、一週間で生徒総数9000人が連戦で最後の一人になるまで続く鬼サバイバル。最強の座を盤石にするためにも戦略を立て準備は万全、のはずだった。だが、不穏な動きを見せる“小悪魔”秋月乃愛のせいで、俺の行動は全て先読みされてしまう。これは敵の不正のせいなのか? OK、ならば俺に不正で勝負を挑んだことを小悪魔に後悔させてやろう――! 【裏表紙より】

 

 

(2)正ヒロインレースの行方や如何に

 

姫路白雪と彩園寺更紗について語りたいところですが、まずは第2巻にして、3人目のヒロイン登場! その名も、“小悪魔”先輩こと、秋月乃愛(あきづきのあ)! あざとさ全開でしたね!

 

第1巻の紹介記事は頭脳戦要素を中心に紹介したので、ヒロインについてはあまり触れませんでした。そのため、記事としてのまとまりが悪くなるとして、2人しか出てこないヒロインのうちの1人(姫路)を記事中にまったく登場させないという暴挙に出てしまったわけです。

 

自分としては彩園寺派だからまぁ大丈夫か、なんて思っていたところ、第2巻です。いきなり冒頭、あちらから先制パンチが飛んできました。あろうことか(?)姫路が篠原と同じ学校・同じクラスに転校してきたのです!

そして、第2巻第2章中盤あたりまで読んで思いました。「もしかして彩園寺、この巻では登場しないんじゃね!?」、と。

 

個人的な解釈として、タイトル『ライアー・ライアー』の一方の嘘つき〈ライアー〉は篠原、もう一方の嘘つき〈ライアー〉は彩園寺だと理解していただけにショックでした(彩園寺が登場しなければ、ただの『ライアー』になっちゃうじゃん!)

思えば、第1巻の表紙イラストやサブタイトルは姫路だったし、本編の登場頻度も彩園寺と姫路で互角くらいだったし……。もしかして、正ヒロインレースは姫路の勝利確定…?

 

……と、思いきや、物語中盤から大きく状況が変わりましたね! 特にあの扉絵のシーン!! やっぱ、ああいうギャップのある性格が良いんですよね。

 

第1巻の表紙イラストとサブタイトルで姫路に出遅れた彩園寺ですが、第2巻ではきっちり表紙イラストを確保しました(サブタイトルは秋月に譲りましたが)。また、篠原との秘密の共有度合いでは、彩園寺の方が優勢です。しかし、日常的な物理的距離は姫路が優勢です。

総合すると、現時点では、正ヒロインレースは大混戦といったところでしょうか(え?やっぱり秋月先輩も追い上げが激しい?)。3巻以降に期待です。

 

そして、加賀谷さんのイラスト初登場!

第1巻では読者にとっては文字のみの登場だった加賀谷さんが、第2巻79頁にてイラストとしては初登場! 個人的な期待通りと言うべきか、残念美人ジャージ眼鏡変態お姉さんでした!

 

 

(2)相も変わらぬ緊迫感!複雑に入り組んだ頭脳戦!!

 

まったく作者の頭の中はどうなっているんでしょうか??

 

こういう作品を読むたびに彼我の差を痛感します。自分も同種のものを書いている訳ではないのですが、頭脳戦モノを好んで読むような読者は同じような気持ちではないでしょうか? まさに、してやられたり、という感じです。

 

要するに、今回も考え抜かれたゲーム設定鮮やかな戦い方に脱帽しました。

 

個人的なハイライトは2つあります。

 

1つ目のハイライトは、115頁以下に登場した「アレ」です。「アレ」は、最初の方で使いようがあると思っていたのに使われなくて、その存在を忘れていた頃にうまい具合に登場したので、警戒していただけにちょっと悔しかったです。

 

2つ目のハイライトは、263頁以下のどんでん返しに向けて、245頁はもちろん、225頁などでもきちんと伏線が張られていて、本格ミステリばりに読者に対してもフェアな状態で頭脳戦を挑んで来られたのには感嘆しました!(未読の方は、ここで示したページ数は一旦忘れて、第4章に挑んでみてください!)

 

 

(3)今後の展開への期待と続刊情報

 

第2巻の最後は、「彩園寺更紗」に関する重大な事件が起こってワクワクする幕引きとなりましたね!

 

今後の展開としては、個人的には、篠原には色付き星〈ユニークスター〉を使って活躍してもらいたいですね! 特に、♰藍色の星♰は、嘘つき〈ライアー〉の彼が嘘を貫き通すために使える演出装置としてピッタリではないでしょうか?

あと、篠原と彩園寺、姫路との間に、そろそろ「下の名前で呼び合う」イベントが発生しても良い頃合いだと思うんです。名字呼びや「ご主人様」呼びもアリっちゃアリなんですが、(極めて個人的な事情を挟むとすれば)彼らの呼び方に従ってこのブログでも名字呼びしていると、なんだかよそよそしい感じになるんですよね。

そういえば、第2巻253頁6~8行目の記述も気になりましたね! わざわざ傍点がふってあるだけに、ただの記述とは思えません。今後、何かに関わってくるのでしょうか? それとも勘繰り過ぎでしょうか?

 

気になる続刊情報ですが、第2巻の巻末に、第3巻について「今冬発売!」とありました! 一般的な季節理解からすれば、具体的には2019年12月~2020年2月の間でしょうかね! 待ち遠しいです!!