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久追遥希『ライアー・ライアー』――最新の本格的頭脳戦ラノベここにあり!

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ライアー・ライアー


(1)基本情報

 

『ライアー・ライアー』(MF文庫J、2019年8月現在既刊2巻)

著者:久追遥希

イラスト:konomi(きのこのみ)

ジャンル:「頭脳戦」「嘘」「学園」「ラブコメ

mfbunkoj.jp

 学生同士がランクを決める決闘〈ゲーム〉を繰り広げる学園島〈アカデミー〉。俺、篠原緋呂斗は国内最難関の学園島編入試験で歴代トップの成績を叩き出し、昨年度の絶対王者・彩園寺更紗を転校初日で陥落させ、学園島史上最速で頂点に君臨する“7ツ星〈セブンスター〉”に成り上がった。

 ――ああ、もちろん、そんなのは全部嘘だ。

 大事をやらかした俺が学園島〈アカデミー〉で目的を果たすためには、嘘でもトップに君臨し続けなきゃいけない。そのためならば、俺を主人として補佐する美少女メイド 姫路のイカサマも、実は偽お嬢様だった彩園寺との共犯関係も何でも使ってやる。では、世界を制する嘘〈ゲーム〉を始めよう。 【第1巻裏表紙より】

 

 

(2)あらすじ

 

以下ではあらすじを紹介しますが、第1巻中盤あたりまでの設定と人間関係を少し詳しめに説明しますので、これを重大なネタバレと感じる方は注意してください!(もちろん、この記事を読んだ方が本作品を初めて読んでも楽しめるようには配慮するつもりですが)

 

まず、舞台となるのは学園島〈アカデミー〉。ここでは「真のエリートの養成」が掲げられ、生徒同士の決闘〈ゲーム〉が推奨されています。

この島の高校生は「星制度」の下にあり、全員が1ツ星~7ツ星のいずれかに分類されています。星が多いほど島内生活において良い待遇が受けられるため、生徒たちは星の数に執着します。この星を増やす最もメジャーな手段は、生徒同士が相手の星を奪うために仕掛ける決闘〈ゲーム〉です。

 

とある4月、島内に20ある学区のうちの四番区の高校に転校してきた主人公・篠原緋呂斗――転入試験の成績に基づき編入時に与える予定の星は1ツ星――は、入島初日、ひょんなことから同学年の少女・彩園寺更紗――島内唯一の7ツ星!――と出会い、なんやかんやで決闘〈ゲーム〉を行うことになります。

二人が行うのは「ターン制睨めっこ・強化版」片方がアタッカーとなり1分の間に相手に何かしらの感情を顔に出させたら負けとなる睨めっこを交互に繰り返すゲームです。しかし、この島の星制度は「より星の多い者により多くの特権を与える」ものです。決闘〈ゲーム〉においてもこれは例外ではありません。

ここで彩園寺は、「数値管理:Lv7」というアビリティを使い、「相手の攻撃ターンを十分の一に制限」します。つまり、彼女の攻撃ターンは1分にもかかわらず、彼の攻撃ターンは6秒しかないのです。さらに彼女は「創造:Ex」というアビリティを起動し、そこで創り出したを繰り出し彼から表情の変化を引き出そうとします。内心の感情と表情を完全に切り離すことができるという特技を持つ彼ですが、いくらなんでも絶体絶命―――――と思いきや、棚ぼた的に彼は勝利を獲得します

その結果、彩園寺は7ツ星から6ツ星に陥落し、彩園寺から星を奪った彼は(編入手続の前に決闘を行ったので星ゼロから)1ツ星、しかも色付き星〈ユニークスター〉持ちになります。この色付き星とは、島内に十数個しか存在が確認されていない星で、一つひとつに特殊効果が付与されています。

 

ところで、篠原が転校初日に負かした彩園寺は、島内唯一の7ツ星――入学以来全戦全勝の「女帝」――というだけではありませんでした。彼女は学園島の創始者の家系のご令嬢であり、学園島総責任者の孫娘なのでした。そんな彼女を1ツ星に過ぎない篠原が転校初日に負かしたのですから、彩園寺家の面目は丸潰れです。社会的影響の絶大な彩園寺家ですから、篠原は社会的に抹殺されかねません

そこで、篠原を利用してとある野望を叶えるために彼を転入させた四番区の学長は、ある提案をします。彩園寺から奪った赤の色付き星――データ上での嘘を成立させる効果を持つ――を使って、「実は篠原緋呂斗は編入試験で最高得点を叩き出した異端の天才の7ツ星だった」と嘘をつくのです。そうすれば、彩園寺家のメンツも保たれますから、彼はこの島を去らずに済みます。とある目的のために学園島に転入してきた彼は、この提案を受け入れることになります。こうして彼は、1ツ星にもかかわらず7ツ星を名乗る嘘つき〈ライアー〉となりました。そして彼は、この嘘を貫き通すために、赤の星を奪われないために、島内の人間を騙し続けることを決意するのです。

 

さて、その翌日、なぜか彩園寺が篠原に接触してきます。曰く、「私の弱みを握ってどうするつもりなのか? なぜまだ秘密をバラしていないのか?」と。篠原には何のことかわかりません。しかし、彼女は自爆します。「知っているんでしょう――あたしが、本当は○○って!!」(○○は作品を読んでからのお楽しみ!)。どういうことかというと、「赤の星」を奪われた者は、ついていた嘘が星を奪った者に対してバレるというのです。彼女もまた嘘つき〈ライアー〉だったのです。

 

期せずして彩園寺の秘密を知ってしまった篠原は、彼女と秘密裏に共同戦線を張ることになります。なぜなら、篠原が負ければ彩園寺の嘘がバレる(赤の星が他人に渡れば篠原の嘘も彩園寺の嘘もバレてしまう)、その結果、「彩園寺が実は○○」という嘘がバレれば四番区学長が篠原を守る理由がなくなり彼は島にいられなくなる、というように、2人の嘘が奇妙に絡み合ってしまったからです。

 

こうして篠原は彩園寺と裏で協力しつつ、また学長の用意した〈カンパニー〉と呼ばれるイカサマ工作補佐チームの補助を得て、次々と挑まれる決闘〈ゲーム〉に臨むことになります。

しかし、いくら〈カンパニー〉の補佐を得ても、彼の戦いは困難を極めます。なぜなら、彼はデータ上は7ツ星ですが、権限上は1ツ星なのです。つまり、決闘においてはある程度の健全性を確保するために、決闘の申請者――ランクの低い側――がその決闘内容を決めるのですが、彼はデータ上は最上位の7ツ星なので決闘内容を決められません。さらに、高ランクであればあるほど決闘に際して相手に優位に立てるアビリティについては、彼の権限は1ツ星なので、1ツ星相当のアビリティしか使えないのです。しかも嘘を貫き通すためには一敗も許されません。こんな状況は、彼曰く、クソゲーなのです。

 

『ライアー・ライアー』は、そんな彼が、彩園寺や〈カンパニー〉と協力しつつ、また彼の持ち前の演技力(と後々に発揮される発想力)で嘘を貫き通そうと奮闘する本格的頭脳戦(+ラブコメラノベなのです!!

 

 

(3)おすすめポイント――最新の本格的頭脳戦ラノベここにあり!

 

すでに上のあらすじ紹介で分かったと思いますが、『ライアー・ライアー』のおすすめポイントは、本格的頭脳戦をテーマとしている点です。その考え抜かれたゲーム設定(敵味方問わず)登場人物の鮮やかな戦い方には感嘆してしまいます!

 

もしかしたら、上記のあらすじを読んだ人の中には、イカサマをしてルール内で戦わないのなら、本格的頭脳戦の看板倒れじゃん」と思う方もいるかもしれません。

が、ご安心ください。なぜなら、特に高ランクな相手ほどイカサマが通用しなくなり、そのような状況下において、実質は1ツ星の篠原はむしろ苦戦を強いられる構造となるからです。ここで演技力をはじめとする彼の才能が発揮され、本格的頭脳戦が繰り広げられるのです!!

 

【追記】第2巻の感想記事を書いたのでぜひご覧ください! 未読の方が読んでも大丈夫なように配慮したつもりです!

irohat.hatenablog.com

 

 

(4)関連おすすめ作品

 

もしかしなくとも、『ライアー・ライアー』の読者は既に読了済みかもしれませんが、関連おすすめ作品として、同レーベルの衣笠彰悟『ようこそ実力至上主義の教室へ』(MF文庫J、2019年8月現在既刊11巻)を紹介します。こちらも高校を舞台に本格的頭脳戦が繰り広げられる熱いストーリーとなっております! ようこそ実力至上主義の教室へ』が好きな人は『ライアー・ライアー』も好きであり、逆もまた然り、というのは間違いありません! どちらかしか読んでない方はもう一方の作品も手に取ってみることを是非お勧めします!! なお、ようこそ実力至上主義の教室へ』は、2019年9月25日に番外編となる第11.5巻が発売されます!

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