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漫画版『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』――悪役令嬢モノの一番人気ここにあり!

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乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…


次にくるマンガ大賞2019」コミックス部門第4位を獲得した人気作品です!

 

(1)基本情報

 

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』

原作:山口悟(一迅社文庫アイリス、2019年8月現在既刊8巻)

漫画:ひだかなみ(原作イラストも担当)

掲載誌:月刊コミックZERO-SUM

レーベル:ZERO-SUMコミックス(2019年10月25日第4巻発売予定)

ジャンル:異世界転生」「ファンタジー」「悪役令嬢」「ラブコメ」「逆ハーレム」

私が転生したのは、前世でプレイしていた乙女ゲームの悪役令嬢・カタリナ!? そんな悪役令嬢の未来は、国外追放か死亡のみ! 転生した瞬間、どん底の未来予測なんてあんまりすぎない!? 破滅エンドは自分で回避する! 破滅回避ラブコメディついに開幕!!

 

この時点で気になった方は下記サイトより試し読みしてみてください!

online.ichijinsha.co.jp

 

 

(2)あらすじ

 

第1巻の内容にある程度立ち入ってあらすじを紹介しますのでご注意を。

 

この物語の主人公は、公爵家の一人娘、カタリナ。8歳のとき、頭を強くぶつけて自身が転生者であることを思い出します。

このとき頭をぶつけた遠因となったのが、天才と名高いが実は腹黒の同い年の第3王子ジオルド。彼はカタリナの額にキズを負わせてしまったとして責任を取り、彼女と婚約を結びます

 

その後、しばらくしてからカタリナは思い出しました。この世界が、ここにいる人々が、前世にプレイしていた乙女ゲームそのものだと。しかも、カタリナといえば、そのゲームにおいては、ゲーム主人公(プレイヤー)のライバルとなる悪役令嬢なのです。

 

ところで、このゲームでは、ゲーム主人公が攻略すべき対象は、ジオルドアランキースニコルの4人ですが、カタリナがゲーム主人公の主要ライバルとして登場するジオルドルート、キースルート、逆ハーレムエンドでは、良くて国外追放悪くて死亡というシナリオでした。つまり、悪役令嬢役のカタリナには破滅エンドしか待っていないのです。

 

そこでカタリナは気づきます。彼女はうっかりジオルドと婚約をしてしまったのです! このままでは、ジオルドがゲーム主人公と結ばれるために、邪魔になった婚約者のカタリナを破滅へと追いやるシナリオにまっしぐら……!

そこで彼女は、ジオルドに殺されそうになった場合のための対策として、魔力と剣の腕を磨くことを決意し、訓練を開始します。その後も親交を続ける二人ですが、なぜかジオルドはカタリナから離れようとしません額のキズが消えてなくなったとしてカタリナが婚約解消を申し出たときも、ジオルドはキズが残っていると言い張り婚約を継続させたのです。

 

そんな折、一人娘のカタリナが第3王子のジオルドに嫁ぐことになるため、公爵家は後継ぎとして分家から養子をとることになります。同い年ですがカタリナの義理の弟となる彼の名はキースまたも破滅フラグがやって来ました

ゲームにおいてキースは、お色気担当のチャラ男です。彼がそうなったのは、養子に迎えられた公爵家でカタリナや公爵夫人から冷たく当たられ、孤独になったからです。そして成長したキースは、その孤独を埋めるかのように様々な浮名を流すことになるのですが、そんな中で出会うのが平民の出自のゲーム主人公。ここで彼は初めて本当に人を好きになります。しかし、ゲームの中のカタリナは貴族意識が高く、義弟に近づく平民の主人公に様々な嫌がらせを行います。もちろん、そんな悪役令嬢役のカタリナに待っているのは、国外追放か死亡かの破滅エンドのみ

そこで彼女は、キースが孤独にならないように、義弟を思う存分に可愛がることにしました。すると彼はカタリナにベッタリとなつき始めるのです。カタリナは「これで義姉弟仲はよし、破滅エンドも回避できる」と気分上々ですが、キースが彼女に抱く感情は姉弟としてではなく……!?

 

9歳になったカタリナは、お茶会でメアリという同い年の美少女令嬢に出会います。ここで二人は、ガーデニングという共通の趣味を通じて仲良くなります。が、彼女はただの友人ではありませんでした。メアリは、ジオルドの双子の弟で第4王子のアランの婚約者なのです。

ゲームにおいては、アランはジオルドに強烈なライバル意識と劣等感を抱いているのですが、ゲーム主人公に出会い彼女と恋に落ち、彼女から良い影響を受けることで兄との関係も改善します。このアランルートにおいては、カタリナはほとんど登場しないので特にやっておくべき対策はありません(ちなみに、アランルートのライバルは、アランの婚約者のメアリなのですが、ゲーム主人公にアランを譲るエンドか、メアリがアランと結ばれるエンドのどちらかです! カタリナとは大違いです!!)。

アランとの関係は心配しなくて良い――そうカタリナは思っていたのですが、ある時、アランが公爵家に乗り込んできてカタリナに文句を言います。曰く、アランがメアリと話していても彼女が話すのはカタリナの話題ばかり彼女を誘惑するな、と。その流れでカタリナはアランと対決をすることになるのですが、その中でカタリナはアランの音楽の才能に気付きます。そこで彼女はアランに音楽の道を究めることを勧めたのです。

その後、楽家として名高くなったアランは自信を持てるようになり兄弟仲も改善します。これで一件落着と思いきや――アラン自身もカタリナ自身も自覚はない(周辺は気付いている)のですが――アランは婚約者メアリがいながらカタリナに惹かれているらしく……!? しかも、メアリもカタリナのことを……!?

 

ところで、カタリナには畑作りのほかにロマンス小説という趣味があります。ある時、お茶会に参加したカタリナは、ロマンス小説に出てきそうな美少女に出会い、思わずお気に入りのセリフで彼女に話しかけてしまいます。が、なんと彼女――ソフィア――もロマンス小説の愛読者だったのです!

共通の趣味を通じて仲良くなった同い年の二人ですが、実はソフィアには兄がいました。その名もニコル、人形のような美貌を持つ彼もまたゲーム攻略対象の一人なのです! が、ニコルルートにカタリナはライバルとして登場しません。ならば心置きなくソフィアと交流できる、と思いきや、ニコルもカタリナのことを……!? ソフィアもカタリナのことを……!?

 

以上が第1巻の大まかな流れです。カタリナの努力により、ゲームの登場人物の性格やカタリナとの関係性はゲームとは異なる箇所が出てきました。そして第2巻からは、ゲーム本編となる魔法学園生活が始まります。ここではついにゲーム主人公のマリアも登場します。カタリナの運命や如何に……!?

 

 

(3)おすすめポイント――女性向けだけど男性にも支持される人気作!

 

女性向けライトノベルや漫画の最近のトレンドとして興隆しているのは、男性向けと同じく異世界ファンタジーです。しかも、その中でも定番のジャンルは、「転生したら悪役令嬢だった」パターンのようです。

そんな中、いわば激戦区のこのジャンルにおいて頭一つ飛びぬけた人気を誇るのが、本作品乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』なのです。

 

私自身が把握しいてる限りでは、本作品については、既にコミカライズもなされており、書店に行けば原作小説もコミックも表紙が見えるように置かれ、さらに2020年にはテレビアニメが放送されることが決定しています。

これらの点を踏まえれば、本作品は、「悪役令嬢転生」モノの中で、あるいは「女性向けライトノベルの中で、一番人気と言っても過言ではないと思われます。

 

ところで、小説にせよマンガにせよアニメにせよ、一般的に、人気作品になるための条件の一つとして、「幅広い層からの支持の獲得」が挙げられるでしょう。

その点、この作品が大きな人気を獲得しつつあるのは、「男性が読んでも面白い」からだと思われます(人気作品『ちはやふる』『フルーツバスケット』などは男性読者も多いですね!)。

 

まず、絵柄・作画の点について言えば、女性向け漫画っぽくない点を指摘できます。

女性向け漫画といえば、細やかな線画(特に髪と目)がその特徴の一つです。このような技法で描かれた綺麗な登場人物は、女性読者の心を掴みますが、その一方で、これに慣れない男性読者が女性向け漫画を敬遠する要因ともなります。

その点、乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』は、良い意味で絵柄・作画が女性向け漫画っぽくありません。一般的な女性向け漫画よりは控えめな線画となっています。

とはいえ、男性向けに振り切っている訳でもありません。おさえめですが、やはり男性キャラはキラキラしています。また、男性漫画誌のように、不自然に胸の大きな女性は登場しませんし、男性読者に妙に媚びた感じの女性描写もありません。

要するに、本作品は、女性からも男性からも受け入れられ愛されるような良い感じの絵柄・作画なのです! (ここで語られても分かりにくいと思うので、試し読みで確認してください!)

 

この作品の優れている点は、絵柄・作画だけではありません。その内容も魅了的なのです。

(他の作品についてはきちんと読んだことがないのでイメージで語ってしまうことになるのですが)多くの悪役令嬢モノは、「悪役令嬢のラブロマンス」をメインテーマとするなど、恋愛要素を濃い目にしていると思われます。つまり、大部分の作品は、ラブロマンスをメインテーマとする女性向け小説・漫画の王道パターンに沿っているのです。

その反面、男性読者は、ラブロマンス」よりも「ラブコメディ」を、言い換えれば、「純粋な恋愛」よりも「コメディ要素が盛り込まれた恋愛」を好む傾向にあります。

この点、乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』は、乙女ゲームを舞台とするので、次々と攻略対象となる男性がカタリナのもとに現れ、彼女は彼らを惚れさせてゆきます。このような王道的な恋愛要素は、女性読者の好みにピッタリです。

その一方で、本作品にはコメディ要素もあります。攻略対象の男性たちはゲームシナリオ上ではゲーム主人公と結ばれる予定なので、悪役令嬢役であるカタリナとしては彼らのアプローチを本気にしません。むしろ、シナリオ通り進めばカタリナは彼らに命を狙われるので、彼女は人間関係・恋愛関係に戦々恐々としています。本作品は、破滅エンドを防ぐために行動するこのようなカタリナの様子をコミカルに描いているので、男性読者が好む「ラブコメディ」にもなっているのです。

 

また、主人公カタリナのキャラクターの魅力もこの作品のおすすめポイントとして挙げておかなければならないでしょう。

彼女の行動原理の基本は、破滅エンドを回避すること。そのためには出来ることを何でもやってやる!と言うのが彼女の姿勢です。

その一環として彼女がまず行ったのは、殺されるのから身を守るための、苦手な魔力を高める訓練です。彼女は自身の魔力特性が「土」ということで、本に書いてあった「魔力の源との対話」「畑作り」と解釈します。しかし、これは魔力を高めるのに役に立たないことが後に分かるのですが、すっかり彼女の趣味となってしまったのです。しかも、国外追放された場合には、公爵令嬢なのに農民になる気満々なのです。どうですか? 愛すべきキャラではありませんか?

さらに、破滅エンドを回避するためにカタリナは人間関係を人一倍気にするのですが、その結果として男性キャラも女性キャラも彼女に惹かれるのです。ここで彼女は、いわゆる「逆ハーレム」状態になるのですが、彼女は男性キャラから寄せられる恋愛感情を本気にはしません。なぜなら、彼らはゲームシナリオではゲーム主人公に惚れて、むしろ悪役令嬢のカタリナを破滅に追いやるのですから。そのため、カタリナは周りから鈍感だと言われてしまうのですが、そこには彼女なりのきちんとした理由があるのです。このような事情を抱えるカタリナは、逆ハーレム状態でも嫌味がなく、むしろ好感・共感を持てるキャラとなっているのです。

 

以上を読んで気になった方は、まずは下記サイトから試し読みを!

online.ichijinsha.co.jp

 

 

(4)関連おすすめ作品

 

既に言及していますが、本作品はコミカライズ作品ですので、原作があります。山口悟『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』(一迅社文庫アイリス、2019年8月現在既刊8巻)が原作です。コミック第3巻の段階では、原作小説の第2巻の途中までしかコミカライズされていませんので、漫画版を待てない!という方は是非こちらの原作を手に取ってみてください! 漫画版ではすべてカタリナ視点で物語は進みますが、原作小説では他の登場人物の視点からの描写もあるので、彼らの言動の裏にある心情に触れることができます

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