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祝!『かげきしょうじょ!!』アニメ化決定!2021年放送!

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テレビアニメ「かげきしょうじょ!!」


な、な、なんと! 当ブログ激推し漫画の『かげきしょうじょ!!』TVアニメ化が決定しました! 2021年放送だそうです!

TVアニメ「かげきしょうじょ!!」公式サイト

かげきしょうじょ!! シーズンゼロ (花とゆめCOMICS)

かげきしょうじょ!! シーズンゼロ (花とゆめCOMICS)

 

 

個人的な話をすれば、このブログを始めて以来、原作を読んでからアニメ化が決定したのは初めてです。それだけに感無量ですね……。しかも、おそらくブログで取り上げた回数も一番多いと思います。関連記事は以下の通り! 

 

アニメ化の範囲についての考察はこちら!

『かげきしょうじょ!!』を読んだことがない方はこの紹介記事試し読みを読んでみてください!

 

各巻の感想・考察記事はこちら!

 

 

 

ブログを始めて1周年!――各種データの分析と感想

 

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ブログを始めて1周年!

 

1日遅れとなりましたが、2020年8月9日をもって、2019年8月9日に当ブログを始めてから1周年となりました。読者の皆様、ありがとうございます!

ちなみに、ブログを始めてから1ヶ月と半年の感想・分析については、以前に書いた記事があります。

ブログを始めて1か月の感想 - 小説・ラノベ・アニメ・漫画の感想・おすすめブログ

ブログを始めてから半年の分析と感想――各種データとともに振り返る - 小説・ラノベ・アニメ・漫画の感想・おすすめブログ

 

 

 

ちょっとした分析

11ヵ月前と半年前の先例に倣って、この記事でもあれこれ分析したいところですが、おそらく目新しいことは言えなさそうなので、簡単な分析に留めておきます。

 

とりあえず、簡単なデータとして、1年間の公開記事数は98本(この記事を除く)、登録読者数は176人総アクセス数は約73,000アクセスです。

ブログを始めてから半年間(前半)の記事数は77本、ここ半年間(後半)は21本ですが、総アクセス数は半年間(前半)の時点で約36,000アクセス、1周年(前半+後半)の時点で約73,000アクセスなので、記事の公開ペースが落ちた割にはアクセス数は順当といったところでしょうか?

 

このブログのアクセス元については、相変わらずGoogle検索やYahoo!検索が9割近くを占めています。したがって、(検索者がこの手の記事を読むのは想定しにくいので)この1周年記事を読んでいる読者は少数の登録読者の方々に限られるでしょう(読んでくださりありがとうございます!)

ちなみに、このブログの人気記事トップ4は以下の通りです(順不同)。

女性が主人公のライトノベルはおもしろい!――おすすめすべき理由を考察してみた - 小説・ラノベ・アニメ・漫画の感想・おすすめブログ

女の子が主人公のアニメおすすめ10選‼ - 小説・ラノベ・アニメ・漫画の感想・おすすめブログ

『かげきしょうじょ!!』第8巻の感想・考察――渡辺さらさの出生の秘密に迫る! - 小説・ラノベ・アニメ・漫画の感想・おすすめブログ

『かげきしょうじょ!!』第9巻の感想・考察――渡辺さらさの因縁、奈良田愛の方針 - 小説・ラノベ・アニメ・漫画の感想・おすすめブログ

半年前と変わらないラインナップですね笑

 

……とここで分析を終えるところでしたが、そういえばここ半年間はGoogle Analyticsを使っていたのでした。適当にデータを抜き出すと以下のような数字でした。

まず、このブログへのアクセス元は約7割がスマホ約25%がパソコン数%がタブレットでした。

また、読者の年齢層と性別は以下のグラフの通りです。

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読者の年齢層

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読者の性別

個人的に嬉しかったのは、男女の性別がほぼ半々だったことですね! おそらく、女性読者の大半は、女性漫画誌に連載されている『かげきしょうじょ!』に関する記事が目的だと思われます。

 

 

ちょっとした感想

さて、感想として何を書こうか迷ったので、勝手ながら、同じく先日1周年を迎えられた某ブログ同期の方の1周年記事を参考に感想を書きます。

 

ブログを始めた理由

私がこのブログを始めた最大の理由は、自らの内にあるものを世に問うてみたかったからです……とは書いてみましたが、少々大言壮語の嫌いがありますね。要するに、日々自分が考えていることを匿名で吐き出す場が欲しかったのです。

おそらく多くの皆さんが感じていることだと思うのですが、いくら家族・友人・知人がいようと、これらの人々に自らの思考(嗜好?)を顕名で赤裸々に晒すことは躊躇われるものです。特に、自分の趣味については、(趣味友達でもない限り)興味のない話に相手を付き合わせてしまう可能性が十分にあるので、余計に慎重にならざるをえません。

ちなみに、このブログにおいて、「自らの内にあるものを世に問うてみた」傾向が一番強いのは、雑考カテゴリーの記事ですね。

雑考 カテゴリーの記事一覧 - 小説・ラノベ・アニメ・漫画の感想・おすすめブログ

 

スタート当初のイメージと実際の1年の差

スタート当初はもちろんやる気に燃えていた訳ですが、しかし実際続けてみると、記事を書くのに数時間はかかるので、1日1記事は当然不可能ですし、1週1記事も忙しいときは無理になりました。それでも、細々と続けて行ければと思っているところです。

ちょっと意外だったのは、当初の想定よりネタに困らなかったことです。もちろん、記事のテーマや構成は決まっていても、具体的な素材の摂取や記事化に要する時間から記事にできていないのですが。ネタの持ち腐れ状態です。途中まで書いて公開しなかった2019秋ドラマの感想記事なんかは、半年以上経って腐臭がしています。

 

ブログを続けて良かったこと

上にも書いたことですが、何かを見たり聞いたりして感じたことや考えたことがあっても、誰にも話せずにモヤモヤしたまま終わることなく、ブログの記事にできるという選択肢があることは、おそらく精神衛生上良いことなのではないかと思います。とは言っても、ネタが溜まる一方で、まったく記事化できていないのですが……それでも、記事にできる「可能性」があることが重要なのではないかと思うところです。

 

 

今後の方針

記事の公開ペースについて、半年前には、最低週1本が適正などと言っていましたが、最近ではそれも難しくなってきました。また、今年度から来年度末にかけては本業が忙しくなることが予想されるので、公開ペースがもっとダウンするかもしれません(が、現実逃避として記事を書くかもしれません笑)

いずれにせよ、まったくの趣味で始めたブログですので、ペースも内容も気ままに続けていきたいと思います。

ともかく、なんとか1周年を迎えることができました! 読者の皆様のおかげです! 今後ともよろしくお願いします!!

 

 

 

2020春アニメの感想――13作品ひとことコメント

 

 

結構遅くなってしまいましたが、この記事では、2020春アニメについて一言ずつ感想未満のコメントを書きたいと思います!(五十音順)

 

 

アルテ

フィレンツェヴェネツィアで、「女性だから」「貴族だから」というアルテの属性にまつわる自己評価・他者評価が反転してゆく様は面白く感じました。

思えば、今期は、「アルテ」「八男って、それはないでしょう!」「本好きの下剋上」の3作品で、「女性」「貴族」という属性について考える機会がありましたね。

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理想的なツンデレ

 

 

イエスタデイをうたって

結局、魚住も榀子も自分の本心に気付いて落ち着くところに落ち着きましたが、あれは「強者」の論理だなぁと思いました。つまり、二人とも、自らが想い人だと認識している人と、自分を想ってくれる人とを比較して、結論を出したのです。多くの人は、こういった比較検討できる状況に置かれることはほとんどありませんよね。意地悪な言い方をすれば、キープくん/キープちゃんがいたからこそ、出せた結論だったのではないかと思います。もし、そうした存在がいなければ、魚住も榀子もあのままだったのではないでしょうか。まったくもって「初心な恋愛強者」って感じな登場人物たちでした。

ところで、このアニメは、春アニメの中で一番最後に見終わった作品です。登場人物の置かれた状況や条件が自分と合致していた訳ではないのですが、いろいろ感情が揺さぶられることもあり、最後まで取り置いてしまった作品になりました。もちろん、良作ゆえに、なのですが。

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このシーンにおける晴の表情のアニメーション、凄かったですね!


 

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…

期待以上のクオリティでアニメ化を果たしてくれたことは、原作ファンとしては嬉しい限りです。第2期を楽しみにしています!

irohat.hatenablog.com
irohat.hatenablog.com

 

 

かくしごと

コメディとハートフルがいい塩梅に混ざった良作でした! 「かくしごと」の(ミスリーディングも含めた)マルチミーニングも私の好みです!

あと、一周回って、ストーリーの起爆剤になる十丸院が好きになりましたね!

 

 

かぐや様は告らせたい

第2期も相変わらず面白かったです! 最近の少年誌・青年誌の人気ラブコメ作品は、一昔前とは違ってヒロインズよりも、(概してハイスペックな)男性主人公の方に魅力を感じます。白銀会長はその筆頭ですね。選挙演説の際の白銀会長は最高でした! 第3期ありませんかね?

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フルーツバスケットみたいな少女漫画風キャラデザも結構好きです!

 

 

神之塔

やはり最後まで世界観を把握しきれず、ちょっと未消化な部分があったことは否めませんね…… ラークやアナク、エンドロシなど、周りの登場人物のキャラクターはかなり好きですね!

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アナクとエンドロシ

 

 

グレイプニル

危ない性癖が見え隠れするのはともかく、バトル描写が良い作品でした。終盤の数話で全体像が明かされましたが、結局、続きは原作で!みたいな感じになってしまいましたね。2期があれば良いのですが……

 

 

社長、バトルの時間です!

キボウカンパニーは、バトル時にはアンチ社畜を装いつつ、社長が社員は家族であると言ったり社員の私財供出を認めたりするなど、社畜を生みやすい日本の伝統的な社風が色濃く反映されていましたね。言うなれば、社長も従業員も家族として皆幸せな伝統的日本型企業の理想型を見せられたような気がします。

労働者の権利を擁護し社畜を生まないために、職場ではドライな関係に終始する会社像をこのアニメ(ゲーム)で描けなかったのは、やはり、まだまだ日本社会にはそれを理想型とできない気風が残っているからでしょうか。

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水着姿で誰よりも目立つ社長……


 

つぐもも

少年漫画のお手本のような「バトル×エロ」なこの作品(しかも作画も良好)は、正直なところ、もっと話題になるべきかと思います。和風テイストなのも良いですよね。

第2期は衝撃の幕切れとなってしまいましたが、原作漫画はまだまだ続巻があるようなので、購入しようか迷っているところです。

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最終話に見ると、味わい深いEDの桐葉

 

 

波よ聞いてくれ

春アニメのダークホースです。かなりハマってしまい、原作漫画を全巻購入してしまいました!

私は深夜ラジオリスナーなのでラジオ要素を楽しみに視聴し始めたのですが、登場人物たちのヒューマンドラマが非常に面白いのです! 原作を読めば、南波瑞穂・茅代まどか・久連木の関係性の詳細や城華マキエがハガキ職人をする理由などが明らかになるので、皆さんも是非! あと、原作を読むと、茅代まどかのラジオ哲学に唸らされましたね。

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原作最新巻でも明らかになっていないシセル光明の事故遭遇シーン

 

 

八男って、それはないでしょう!

正直なところ、バトルと日本食の描写は微妙でした。とはいえ、作品タイトルにも関連するように、貴族社会や家族関係を軸にしたストーリーはかなり楽しめました。(ファンタジーに限らず)権謀術数がうずめく内政モノはもっとアニメ化されてほしいですね!

あと、最終話で貴族の爵位任命権をめぐって揉め事が起こりましたが、爵位任命の推薦権(実質的な任命権)をヴェンデリンに与えつつ、推薦の承認権(形式的な任命権)を国王に留保する方式の方がスマートだったのではないでしょうか……なんて野暮なことも考えてしまいました。

 

 

プリンセスコネクト!Re:Dive

やはり原作ゲームをしていないと、次々と現れる登場人物の立ち位置や意味深な発言の完全な把握は無理でした。が、美食殿を中心とするストーリーは普通に楽しめましたね!

 

 

本好きの下剋上 第2部

この作品は、他の異世界ファンタジーのように主人公が派手にバトルする訳ではないのですが、相変わらずストーリーや世界観設定のきめ細やかさがキラリと光ります。第3部の制作が決定されたようで嬉しい限りです!!

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苦節2年、ついに本を完成させたマイン



 

以上、2020春アニメ13作品の感想でした! これから夏アニメを見始めます!!

 

 

 

漫画『ヤンキー君と白杖ガール』ボイスコミック第2弾!――下野紘・鬼頭明里・瀬戸麻沙美・野津山幸宏が登場!

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『ヤンキー君と白杖ガール』第4巻

 

この記事で紹介する、うおやま『ヤンキー君と白杖ガール』(メディアファクトリーコミックス、2021年7月21日第6巻発売予定)については、以前、紹介記事を書いたことがあります。ざっくりと内容を紹介すると、「最恐ヤンキー」と「視覚障害者の女子高生」のラブコメディです。

 

2020年1月の第3巻の発売に際してはボイスコミック第1弾が公開されましたが、今回、第4巻の発売に際してはボイスコミック第2弾が公開されました!(第1弾は下記記事を参照)

 

出演声優については、第1弾に引き続き、下野紘さん(黒川森生役)、鬼頭明里さん(赤座ユキコ役・ナレーション)が、そして第2弾では新たに、瀬戸麻沙美さん(ハチ子役)、野津山幸宏さん(花男役)が登場します! 特に今回のエピソードでは、ハチ子が主人公的なポジションなので、瀬戸さんファンは必聴ですね!!

 

前回に引き続き、このボイスコミックには、漫画のテーマに沿って、視覚障害者の方でも漫画を楽しめるように、音声ガイド風ナレーションがついています。視覚障害者の方にはもちろんですが、動画を見ずにラジオのようにして聴くのもおすすめです!

なお、今回の内容は、第2巻の前半(第24話~第31話)に相当します。 

 

この漫画は、ブコメディながら視覚障害者などの社会的弱者に寄り添った社会派の作品です。シリアスになり過ぎることなく、楽しみながら社会的弱者について理解を深められる作品なので、学校のどの教室にも全巻そろえておきたいくらいですね!

気になった方は是非、ご購入を!

ヤンキー君と白杖ガール 1 (MFC)

ヤンキー君と白杖ガール 1 (MFC)

 

 

また、2021年10月からドラマが放送されるようです!

 

 

2020春アニメで購入したOP・ED曲

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君は天然色

 

この記事では、2020春アニメOP曲・ED曲のうち、私が購入した曲(全11曲)を紹介したいと思います。

※動画サイトへのリンクは公式のものしか貼っていません。

 

 

1.「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」OP曲

曲名:乙女のルートはひとつじゃない!

歌手:angela

個人的には、今までに聴いたアニメ主題歌の中で最もキャッチーで中毒性のある曲のひとつです。間違いなく、ここ3ヵ月の中で一番頻繁に聞いた曲です。

アップテンポにもかかわらず、曲とOP映像が小気味よく連動しているのが最高なので、確認してみてください! 何度だって見れちゃいます!! OP映像の魅力については、別記事で語っているので、そちらも是非!
irohat.hatenablog.com

OP映像↓

www.youtube.com

 

 

2.「啄木鳥探偵處」ED曲

曲名:ゴンドラの唄

歌手:NOW ON AIR

「ゴンドラの唄」はもともと大正時代にヒットした曲で、このED曲はNOW ON AIRによるカバー曲です。

古き良き歌詞とこだわりのある転調がクセになるこの曲ですが、終始ゆったりした原曲の曲調とはうって変わって、このカバーでは大胆にアレンジされています。

原曲の歌詞は4番構成なのですが、このED曲では(フルバージョンでも)、1番と4番しか使われていません。非常にゆったりとしたメロディーのAメロには原曲1番の歌詞が、突然アップテンポに切り替わったサビには原曲4番の歌詞が使われています。1番も4番も同程度の量(4行)の歌詞なのですが、ED曲90秒のうち、Aメロ(1番)には約60秒、サビ(4番)には約30秒が割り振られており、それぞれのテンポがまったく異なります!

MV↓

www.youtube.com

 

 

3.「プリンセスコネクト!Re:Dive」OP曲

曲名:Lost Princess

歌手:ぺコリーヌ(CV:M・A・O)、コッコロ(CV:伊藤美来)、キャル(CV:立花理香

最初は特に気に留めてなかった曲ですが、原作ゲームプレイヤーを中心にあまりにも評判良いので注意深く聞いていると、私もハマってしまいました。

OP映像↓

www.youtube.com

1年前に公開された原作ゲームに付随したMV的な試聴動画(フル)↓

www.youtube.com

 

 

4.「継つぐもも」OP曲

曲名:風吹けば月夜の果てに

歌手:A応P

個人的に大好きな和テイストの曲です。この手の曲は多くはないのですが、こうやってお気に入りに出会えると非常に嬉しいです!

MVは、桐葉の帯を意識した映像となっています。また、動画サイトで公開されているOP映像はなかったのですが、OP映像も魅力的なのでチェックしてみてください! 一人称視点が多用され、映像がグリグリ動くのが凄いですよ!

MV↓

www.youtube.com

 

 

5.「BNA ビー・エヌ・エー」OP曲

曲名:Ready to

歌手:影森みちる(CV:諸星すみれ

珍しく60秒尺のOPです。一度聞いただけでそのキャッチーに惹かれ、購入を即決意しました。

OP映像↓

www.youtube.com

 

 

6.「BNA ビー・エヌ・エー」ED曲

曲名:NIGHT RUNNING

歌手:Shin Sakura feat. AAAMYYY

こちらも60秒尺です。キャッチーなOP曲とはうって変わって、オシャレなED曲になっています。挿入歌としても使われていましたね。

ED映像↓

www.youtube.com

 

 

7.「かくしごと」ED曲

曲名:君は天然色

歌手:大滝詠一

なんだか聞き覚えがある曲だと思ったら、ビールのCMソングにも使われている曲だったんですね! やっぱり往年の名曲は格別の良さがあります!

この曲が気に入り過ぎて、「めぐろ川たんていじむしょver.」「千田奈留ver.」も購入しちゃいました!!

ED映像↓

www.youtube.com

イメージアルバム試聴動画↓

www.youtube.com

 

 

8.「波よ聞いてくれ」OP曲

曲名:aranami

歌手:tacica

爽やかでカッコイイ曲です。

鼓田ミナレ役の声優を務めた声優(杉山里穂さん)がMVの冒頭に登場してラジオブースから曲振りしているのでMV映像もチェックしてみてください!

MV↓

www.youtube.com

 

 

9.「波よ聞いてくれ」ED曲

曲名:Pride

歌手:遥海

謎のクリハンガーな終わり方をするエピソードが多かった「波よ聞いてくれ」ですが、このED曲によって何だかイイ感じに締めくくられていたので、それだけにこの曲の良さを痛感するところです。言うなれば、浄化EDですね。

試聴した方は歌手の歌唱力に気付いたと思いますが、彼女にとってこの曲がメジャーデビュー曲らしく、彼女が売れた後に自慢したいなら今のうちに要チェックですね!

MV↓

www.youtube.com

 

 

おまけ:「ヒーリングっど♡プリキュア」ED曲

曲名:ラクルっと♡Link Ring!

歌手:Machico

2020年2月にスタートした番組(しかも深夜アニメではなくニチアサアニメ)なので、この記事に書くのもどうかと思ったのですが、最近気になっている曲ということで、おまけとして紹介します。

歌手はアニソンではお馴染みのMachicoさんです。この曲のメロディーが頭から離れなくて購入しようかどうか非常に悩んでいます!

ED映像↓

www.youtube.com

 

 

 

以上、9種11曲が私の購入した曲(+おまけ)です。皆さんはどんな曲を購入しましたか?

 

 

祝!はめふら2期はどうなる?【乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…】

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はめふら2期決定!

***追記*************

2期についての追加記事は下記リンクから!

********************

 


先日放送が終了したアニメ乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」ですが、2期制作の発表がありましたね!! おめでとうございます! ありがとうございます!!

www.youtube.com

ということで、この記事では、1期を踏まえて2期がどうなるのか少し考えてみたいと思います。

 

 

1期を振り返る

 

アニメ1期の各話を原作小説とコミックに対応させると以下のようになります(一部に漏れがあるかもしれませんが……)

 

 1話「前世の記憶を思い出してしまった…」

原作1巻(1~2章)/コミック1巻(1~2章)

 2話「王子に勝負を挑まれてしまった…」

原作1巻(3~4章)/コミック1巻(3~4章)

 3話「麗しの美形兄妹と出会ってしまった…」

原作1巻(5~6章)/コミック1巻(5~7章)

 4話「魔法学園に入学してしまった…」

原作1巻(6章の一部)/コミック1巻(7章の一部)

原作2巻(2章の一部)/コミック2巻(8~9章)

アニメオリジナルのシーン:入学式、授業、帰り道

 5話「主人公の実家にお邪魔してしまった…」

原作2巻(2章の一部、3章の一部)/コミック2巻(10~11章)

アニオリのシーン:街での聞き込み、キャンベル家

 6話「夏休みだから楽しく遊んでしまった…」

その1前半:アニオリ

その1後半:原作5巻(215-270頁の一部)

その2:15歳は原作5巻(85-112頁の一部)、回想はアニオリ

その3:馬車は原作2巻(3章の一部)/コミック2巻(12章の一部)、湖はアニオリ

その4:原作2巻(3章の一部)/コミック2巻(12章の一部)、脳内会議はアニオリ

その5:原作2巻(3章の一部)/コミック2巻(12章の一部)

その6:原作2巻(3章の一部、4章の一部)/コミック2巻(12章の一部)

 7話「危険なダンジョンに入ってしまった…」

あっちゃんのシーン:原作2巻(1章の一部)

その他のシーン:アニオリ

 8話「欲望にまみれてしまった…」

Cパート:原作5巻(113-128頁の一部)

その他のシーン:アニオリ

 9話「パジャマパーティーで盛り上がってしまった…」

Aパート:アニオリ

アンの回想:原作1巻(6章の一部)

パジャマパーティー:原作6巻(1章の一部)、原作5巻(176-183頁、188-191頁)

収穫祭:アニオリ

Cパート:原作2巻(4章の一部)/コミック3巻(13章の一部)

 10話「破滅の時が訪れてしまった…前編」

原作2巻(4章の一部)/コミック3巻(13~17章)

 11話「破滅の時が訪れてしまった…後編」

原作2巻(4章の一部、279-300頁の一部)/コミック4巻(18~19章、20章の一部)

 12話「最終イベントが来てしまった…」

原作2巻(4章の一部、5章)/コミック4巻(20章の一部、21~22章)

Cパート:原作5巻(215-270頁の一部)

 

これでは細かすぎて分かりにくいので、改めて大雑把な対応関係を示すとすれば以下のようになります。

1~3話:原作1巻/コミック1巻

4~6話:原作2巻の前半/コミック2巻

7~8話:アニオリ

9話:原作1巻・5巻・6巻の各一部とアニオリ

10~12話:原作2巻の後半/コミック3~4巻

 

つまり、大雑把に言えば、アニメ全12話のうち9話分を費やして、原作2巻分/コミック4巻分の本編ストーリーが進んだことになります。

 

 

2期はどこまでアニメ化される?

 

それでは、原作小説1~2巻がアニメ化された1期の進行具合を踏まえると、2期はどこまでアニメ化されるのでしょうか?

 

順当に考えれば、少なくとも原作小説2巻分(3~4巻)はアニメ化されそうです。

さらに、1期は予想外にアニオリが多かった印象だったのですが、2期ではアニオリを極力減らせば原作6巻もアニメ化されるかもしれません(5巻は短編集なので未使用エピソードが尺調整に使われるかもしれません)。

(もしかしたら、1巻あたり3話分アニメ化するペースで原作のエピソードを切り詰めれば、7巻までアニメ化できるかもしれませんが、流石に無理がありますよね……)

 

ここから数行は若干のネタバレになるのですが、原作小説の続巻は次のような内容になっています。

3巻:学園祭とカタリナの誘拐

4巻:キースの失踪と捜索

5巻:短編集

 ――以下、「FORTUNE LOVER Ⅱ」の舞台へ――

6巻:魔法学園卒業、魔法省入省、部署配属試験

7巻:失われた魔法の捜索

8巻:近隣諸国の王族貴族との舞踏会

9巻:人身売買の調査

 

と、このように見てみると、やはり原作6巻までアニメ化するのは区切りが悪そうです(原作派の方は共感して頂けるのではないかと思います)。

となると、2期のアニメ化は、原作3~4巻(コミックス5巻以降)を主軸として、原作5巻の未使用エピソードとアニオリを挿入する形となる可能性が高そうですね。

それに、一般的には、アニメがコミックに大幅に先行するケースは少数派かと思います。記事執筆現在、コミックは5巻まで出版されており、これは原作3巻の前半部分に相当します。月刊誌掲載5話分がコミック1巻に収録され、コミック新刊は半年に1回に刊行されるので、2020年11~12月あたりに出版されるはずのコミック6巻が原作3巻の後半部分に相当すると思われます。

2期が2021年なので、現在のコミカライズのペース(1年で原作1巻分)を踏まえると、やはり2期のアニメ化は4巻までかもしれません。

 

 

 

2期の放送時期は?

 (追記と訂正)2期の放送は2021年7月からです!

ここで、2期の放送時期について少し考えなければなりません。

というのも、発表されたのは、「2021年に“放送”される」ことではないのです。公式サイトの文言をそのまま引用すれば、「2021年、TVアニメ2期制作決定!」「2021年テレビアニメ第2期の制作が決定いたしました!」となっているのです。

“はめふら”はまだまだ終わらない!2021年、TVアニメ第2期制作決定! – TVアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』公式サイト

 

この微妙な言い回し(はっきり言えば、不自然な日本語)からは、文言上3つの解釈ができます。

①2021年に2期が放送される

②2021年に2期が制作される(2021年から2期の制作を開始する)

③2021年に2期の制作が決定される

このうち③は間違いです。2期の制作が発表されたのはこの2020年なのですから。

それでは、①か②か。①ならば、「2021年放送予定」と発表されても良さそうなものです。そうすると、②が一番正しい解釈のような気がします。となれば、放送は2022年頃になってしまうかもしれません。制作サイドは、2年後の2022年よりも1年後の2021年の方が宣伝効果があると考え、上記のような微妙な言い回しをしたのかもしれません。

しかし、別の可能性も考えられます。制作サイドとしても2021年に放送したいが、昨今のコロナ禍の影響が今後どれだけ続くか十分に予測できないため、保険をかけるような言い回しになってしまった、という可能性です。

 

制作サイドの意図はこれ以上分かりませんが、ともかく、1期同様にハイクオリティな2期をなるべく早めに見られることを期待しています!

 

  

 

アニメ「ネコぱら」から「人間」概念を考える――「ネコ」と「人間」を同等に扱う危険性について

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ネコぱら

 

2020年3月に放送が終了してから2ヵ月が経過したアニメについて記事を書くのも躊躇われたのですが、とあるきっかけから、頭の中で構想を描きつつも筆が止まっていたこの記事を書き上げて公開することにしました。 

さて、放送終了から少し時間が経ってしまったので、細かい内容は忘れてしまった視聴者も多いかもしれませんが、アニメ「ネコぱら」を見ていて、その独自の「ネコ」概念に引っかかりを覚えた視聴者は少なからず存在したのではないかと思います。

このアニメにおける「ネコ」は、ねこじゃらしに反応する、魚が好物、水が苦手など、現実のネコと同じような(ステレオタイプの)習性を持つものの、耳と尻尾以外は人間と同じ容姿を持ち、人間の言語を使いこなして、人間社会に溶け込んでいます。それにもかかわらず、「ネコぱら」では頑なにこの種族を「ネコ」と呼ぶものですから、現実のネコに慣れている私たち視聴者は混乱するばかりでした。

そのため、このアニメは、一見したところ、私たちの「ネコ」概念を揺るがしているように見えます。しかし、それと同時に、この「ネコ」概念はそのまま「人間」概念に逆照射して、「人間とは何か」と私たちに問いかけているようにも思われるのです。この記事では、この点について若干の考察を行いたいと思います。

※ 私(筆者)は原作ゲームも含めて、テレビアニメ以外の関連作品には触れていません。

※ この記事において「人間」「人」「ヒト」は基本的に同じ意味で使用しています。

※ フィクションに対するナンセンスな記事であることはもちろん自覚しています!

 

 

1.鈴制度とそれに対する違和感

 

独自の「ネコ」概念それ自体から派生したものとして、このアニメで最大の引っかかりを覚えたのは「鈴」制度です(第1話、第10話を参照)。

これは、「ネコぱら」の世界における「ネコ」は、外出時には、原則として飼い主と一緒に行動しなければならないが、例外的に「鈴」を付けたネコは飼い主が一緒にいなくてもネコだけで行動できる、という制度です。この「鈴」の資格の取得・更新には試験への合格が必要で、鈴なしネコは捕まってしまうそうです(捕まった際の罰則の有無や内容は不明)。

また、バニラによれば、鈴制度および試験について、「鈴は人間社会でやっていける証明」、「人間の常識やルールを理解して、ネコの習性や本能に負けず、理性的な行動をできるかが試験内容」と語っています(第10話)。

 

このような「鈴」を課せられたネコたちを見て、何らかの違和感を覚えたりゾッとしたりしませんでしたか? 

こういった感覚を言葉にすれば、「『ネコ』に義務を課して人間社会に溶け込ませようと強制するのは、おかしなことではないのか? 鈴制度は非道的ではないのか? 『ネコ』にも人間と同様に自由に生きられる『権』があるのではないのか?」というような疑問になるかと思います。

 

 

2.差別の歴史と差別是正のためのメルクマール

 

上記の感情はよく理解できます(というか、これは鈴制度を初めて知ったときに筆者が抱いた感想です)。

しかし、よくよく考えてみれば、「ネコぱら」の世界観において、「人間」と「ネコ」を分かつ鈴制度は、人間が人間であるために必要なものではないでしょうか。別の言い方をすれば、「ネコぱら」の世界観において、「人間」と「ネコ」を同等に扱うのは危険ではないでしょうか。

 

そもそも、人類史は差別の歴史です。民族、肌の色、出自、身分、財産、性別、性的指向などによる差別は、つい最近まで継続し、あるいは現在も残っているのです。たとえば、アメリカにおいて奴隷制が廃止されたのは1865年(合衆国憲法修正13条)、日本やフランスにおいて女性に参政権が認められたのは1945年です。日本では同性カップルの婚姻(あるいは類似の制度)は現在でも認められていません。

1789年にフランス人権宣言が「人は自由かつ権利において平等なものとして出生し、かつ生存する」と宣言してから約230年、1948年に世界人権宣言が「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利について平等である」と宣言してから約70年が経過しましたが、差別が是正されるまでの道のりはまだまだ長そうです。

 

とはいえ、差別是正の原点は、上記のフランス人権宣言や世界人権宣言の文言からも伺えるように、「人が人であること」にあります。このことから、「人が人である故に人は平等であって差別されない」と言われるのです。これを別の言い方にすれば、「生物学的な意味においてヒトとして生まれたからには、法的・政治的・社会的な意味において人間として平等であって差別されない」と言うことができます。

つまるところ、「人間として平等であって差別されない」ためには「生物学的な意味においてヒトであること」が肝要なのです。私たち人類は「生物学的な意味においてヒトであること」を差別是正のための唯一絶対のメルクマールとすることによって、差別是正を進めてきたのです。

 

 

3.「人間」概念の基準を変動させることの意味

 

ここで「ネコぱら」に話を戻します。

「ネコぱら」の世界観において、「人間」と「ネコ」とが同等の扱いを受けていないことや「ネコ」が人間社会に溶け込むよう強いられていることに違和感や憤りを抱くことは、感情的にはよく分かります。

しかし、私たち人類が「生物学的な意味においてヒトであること」を唯一絶対のメルクマールとして差別是正を進めてきたことを踏まえると、「ネコぱら」の世界観において「人間」と「ネコ」を同等に扱うのは危険なことです。というのも、思い返せば、私たちが「ネコぱら」の世界観において「人間」と「ネコ」とを同等に扱うべきだと感じるようになった理由の一つは、ここの「ネコ」たちが、耳と尻尾以外は人間と同じような容姿を持っているからです。

 

しかしながら、「人間と同じような容姿」と「生物学的な意味のヒト」の間には見逃せない違いがあります。なぜなら、「人間と同じような容姿を持つ存在に対して、法的・政治的・社会的な意味において人間として平等であって差別されないことを認める」ならば、「生物学的な意味においてヒトであること」という差別是正のための唯一絶対のメルクマールが崩れてしまうからです。

換言すれば、ここにおいては、法的・政治的・社会的な意味での「人間」概念の基準には、①「生物学的な意味においてヒトであること」だけでなく、②「人間と同じような容姿を持っていること」も加わっているのです(①または②のいずれかを満たせば「人間」であると認められることになります)。

この場合、①②の両方を満たす「人間」が優位に置かれ、①または②のいずれしか満たさない「人間」が劣位に置かれるのではないか、と考えるのは私の杞憂でしょうか。

つまり、②「人間と同じような容姿を持っていること」において私たちが念頭に置いてしまうのは、健常者のはずです。おそらく多くの人々が無意識のうちに、たとえば四肢の全部または一部が欠損しているような身体障害者や先天的に体毛が非常に多く皮膚がほとんど見えないようなヒトを②から外しているのではないでしょうか。法的・政治的・社会的な意味での「人間」概念の基準に、①「生物学的な意味においてヒトであること」だけでなく、②「人間と同じような容姿を持っていること」をも持ち込む場合、健常者が念頭に置かれた②を満たしていない①だけの存在を、「二等人間」と見なしてしまわないでしょうか

また、「ネコぱら」における「ネコ」は、人間の言語を使いこなすほどの知能があります。こういった存在も「人間」に含めるべきだ、と主張する場合、その裏には「言語を満足に使えない知的障害者認知症患者といった存在は『人間』ではない、あるいは『二等人間』に過ぎない」という思考が存在するのではないでしょうか。こういったある種の知能主義は、知的障害者認知症患者のような人々を差別する思考の延長にあるのではないでしょうか。

 

以上を踏まえると、「人間と同じような容姿や知能を持つ存在に対して、法的・政治的・社会的な意味において人間として平等であって差別されないことを認める」ことには非常に慎重にならざるを得ません。そこには、私たちがステレオタイプの人間として思い浮かべる健常者を「一等人間」として扱い、障害者のような人々を「二等人間」として扱う思考が隠れている可能性が大いにあるからです。

そうならないためには、やはり、「生物学的な意味においてヒトであること」を「人間」概念の唯一絶対のメルクマールとして固持すべきであるように思われるのです。「生物学的な意味においてヒトとして生まれたからには、法的・政治的・社会的な意味において人間として平等であって差別されない」というテーゼには、生物学的な意味のヒトであれば誰であれ切り捨てられたり軽んじられたりしてはならないという人類の覚悟が込められているのです。

したがって、「人間」社会における差別是正の覚悟を重く見るならば、「ネコ」を「人間」と同様に扱わないためにどこか差別的に見える「ネコぱら」の世界観も許容すべきように思われるのです。

 

 

4.補足――容姿の「好ましさ」について

 

ところで、大抵の人間は、現実世界におけるネコの容姿も、「ネコぱら」世界における「ネコ」の容姿を好ましく感じていると思われます。だからこそ、「『ネコ』にも『人間』と同等の権利保障を!」なんて思うのではないでしょうか。

しかし、人間と同等の知能を有する人外の存在が、多くの人間にとって不快な容姿をしていたとすれば、彼らのために権利保障の主張を行ってくれる人々は存在するのでしょうか。このような主張を行う人々が全く存在しないだろうとは思いませんが、「ネコ」に比べると格段にその人数が減ることは容易に想像できます。

こうしてみると、長らく愛玩動物として人間に飼われてきたネコの容姿の「好ましさ」の強さを感じずにはいられません。

なお、人間と同等の知能を有するが人間とは全く異なる容姿を持つ存在(「エビ」と蔑称されるエイリアン)に対する差別について扱った有名な作品として、映画「第9地区」(2009年公開)があります。

第9地区 (吹替版)

第9地区 (吹替版)

  • 発売日: 2013/11/26
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また、人間に近い知能を持ちつつも「肌が緑色で、いつもよだれを垂らしているなど、現代人の美的感覚からすると相容れない(現実社会にそういう人間がいたらぎょっとする)」容姿を持つフィクション上の存在としては、ゴブリンがいます。これについては、別の方が書いた記事があります。

news.yahoo.co.jp

 

 

5.おわりに

 

最後に、下書きのまま放置される予定にあったこの記事を完成させようと思ったきっかけについて記しておこうと思います。

そのきっかけとは、ラブドールに関する以下のブログ記事を読んだことです。

note.com

詳しくはリンク先を読んで欲しいのですが、この記事は「人間」と「人形(ラブドール)」の異同に言及しています。つまり、私は、私の記事と同じく「人間と似たような容姿を持つ存在」をテーマとする上記のブログ記事に触発され、自分の記事を完成させる気になったのです。その意味で、上記のような記事に出会えたのは僥倖でした。

 

なお、「人間」と「人間と似たような容姿や知能を持つ存在」の異同は、伝統的にはSF作品においてロボットやAIやアンドロイドという形でテーマとされてきました。また、この問題は、最近では現実的な課題として学問の上でも検討されています。

たとえば、栗田昌裕「AIと人格」(所収:山本龍彦〔編〕『AIと憲法』(日本経済新聞出版社、2018年)201頁以下)や、大屋雄裕「ロボット・AIと自己決定する個人」(所収:弥生真生・宍戸常寿〔編〕『ロボット・AIと法』(有斐閣、2018年)59頁以下)といった文献を読んでみるのも良いかもしれませんね!

AIと憲法

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ロボット・AIと法

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2020春アニメ前半の感想――16作品のひとことコメント

 

 

ゴールデンウイークが終わり、2020年の春アニメも折り返し地点となりました。ということで、視聴しているアニメ16作品の前半について、一言ずつ好き勝手に(感想未満の)コメントをしていきたいと思います(五十音順)。

※特に言及がない限り、筆者はすべて原作未読(未プレイ)です。

※視聴継続予定だったものの途中で放送が延期された作品は掲載していません。

 

 

アルテ

「女性が男性社会で立身出世するには男性以上の努力と成果が必要になる」ということがよく描かれています。この作品の舞台は16世紀初頭のフィレンツェですが、最近だと医学部入試女性差別問題があったように、この問題は現代でも根深く残っていますよね。そんな男性社会においてアルテの見せる強靭な精神力と努力には目を見張らなければなりません。

しかし、女性が男性社会に進出し始めたとき、特にそこで真摯に努力したいと考える女性ほど自身の女性性に悩むことになるのではないでしょうか。たとえば、第4話にてアルテは自身の恋愛感情を男性社会に持ち込むことを抑圧しました。おそらく男性社会において男性が自身の恋愛感情で悩むことはほとんどなく、むしろ痴情のもつれは排除すべき=女性は不要と考えられてきたきらいがあると思われます。男性であれば悩まなかったことを、女性だからこそ悩むことになるのですから、男性社会への女性進出の困難さが伺えます。

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レオと手が触れてしまい動揺するアルテ

 

 

イエスタデイをうたって

第5話には湊が、第6話には柚原が登場しましたが、それぞれ一話限りで退場していきましたね。あの3人は二進も三進もいっていないんだから、好きなら奪ってしまえと言いたくなるところですが、それぞれの葛藤をじっくりと見守るのがこの作品の醍醐味です。

それにしても、第1話から出ている木ノ下が箸にも棒にも掛からないのはちょっと可哀そうです。良い人なんですが……*1

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修羅場!

 

 

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…

個人的な感覚では、私の贔屓しているこの作品が「かぐや様」「プリコネ」と並んで今期の一番人気のようで嬉しい限りです。この作品が好きすぎて各話4回くらい見ているのですが、ニコニコのコメントが面白いですね!

第5話・第6話は、原作ラノベやコミックスを補完・アレンジする形で良い具合にアニメオリジナルとなっていました*2。正直なところ、アニメ放送前のPV公開当時はマリアの声への違和感を拭えなかったのですが、第5話のアニメオリジナルで描かれた結構重めなマリアの過去を見ると、今ではただ可愛くて明るいだけではないマリアにはこの声(CV:早見沙織)がピッタリだと感じます。

そういえば、第5話のこのシーン(下記Twitterの動画)、女性陣みんなのガチ恋感が出ていて可愛かったですね!

OPの魅力についてはこの記事で語っています!

irohat.hatenablog.com

 

 

かくしごと

可久士の面倒臭さは理解できるとしても、十丸院のヤバさには引いてしまいます。次点でヤバいのは一子先生でしょうか。

現代パートはコメディ&ハートフルなタッチなのに対して、未来パートの不穏さには不安を感じられずにはいられません。原作コミックスは既刊11巻らしいのですが、アニメではどういう区切りになるのでしょうか。

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ゴトープロダクションの面々

 

 

かぐや様は告らせたい

2019年冬の1期放送終了後に原作コミックの続きを読んだのですが、いい感じに忘れているのでかなり楽しめています。

伊井野ミコみたいな生真面目だけど空回りしてしまうキャラには好感が持てます。報われてほしいですね。

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寝不足で完全にキマってしまった白銀会長

 

 

神之塔

話数が進んで登場人物のキャラもだんだん明らかになってきて皆好きになってきました。主人公周辺の事情はなんとなく分かり始めましたが、いまだに世界観が判然としません……。最終話までに明らかになるのでしょうか。

それにしても、「13月シリーズ」とか「黒の三月」とか「緑の四月」とか、厨二っぽくて格好いいですよね!

 

 

啄木鳥探偵處

啄木が金田一を風俗に誘ったりしていますが、それでもなお2人の間に隠し切れないBL感を覚えてしまうのは私だけでしょうか。啄木が金田一のヒモのように見えます

第4話「高塔奇譚」の原作短編小説は、第3回創元推理短編賞(現・ミステリーズ!新人賞)を受賞した逸品です。少々込み入っていた話だったので見直してみようと思います。

それとは対照的に、第2話~第3話では、あろうことか探偵役の啄木も助手役の金田一も2人ともが噓をついており、本格ミステリ的にはアンフェアではないでしょうか……

 

 

グレイプニル

男が変身した着ぐるみの中に女が入るというフェチ全開(全壊?)の作品です。

それどころか第6話で修一は他の女の子を中に入れてしまい、さらには映画泥棒君がそれをこっそり●RECして涙するという地獄絵図……

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こんな表情をされたら何のメタファーか明らかですよね……

 

 

社長、バトルの時間です!

世界観に織り交ぜられた会社ネタが、なんというかシュールです。

社長の過去も、ガイドさんの正体も、ヴァル美の訳知り顔も、気になりますよね!

 

 

つぐもも

第6話から神殺し編命名は適当)が始まったようで、これが第2期の縦軸のストーリーになるのでしょうか。期待が高まっています。

それにしても、第2話はヤバいですね! 娘の破瓜*3の具合を直に確かめる母親なんて嫌過ぎです。娘に千年殺しをする父親も最悪です笑

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母親が娘にしていい姿勢ではないでしょう!

 

 

波よ聞いてくれ

この作品の次話への引きの上手さはトップレベルではないでしょうか。

中原がマキエを家に誘ったのを目撃して混乱中のミナレに対して麻藤さんが「ミナレ、待たせたな」「番組名は、波よ聞いてくれ」と言って期待を高めたまま終幕した第4話、ミナレが中原に対して「私はカレーを捨て、ラジオ一本でいく」と宣言して不思議な終わり方をした第5話、沖さんの家にて怪奇現象(もとい猟奇事件の端緒)を目撃したミナレが突如回想風にモノローグを語って終幕した第6話は特に最高でした! とにかく、ジャンル分け不能の何でもありなこの作品がかなり気に入りました!!

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この構図は何かのパロネタですか?

 

 

八男って、それはないでしょう!

ところどころ原作が省略されている(つまり、説明不足な部分がある)ように見えますが、ストーリーとしては成立しているように見えます。

一応、俺TUEEEの系譜に位置付けられる作品ですが、この作品の主人公については好感が持てます。とはいえ、主人公だけでなく、友人たちも主人公の能力に対して卑屈すぎるのはどうかと思いますが。

 

 

BNA ビー・エヌ・エー

当初はサスペンス調に物語が進むと思いきや、わりと各話ごとにストーリーが独立していてコメディタッチに描かれていましたね。ミチルの獣人化の謎という縦軸のストーリーがこれからどう進むのか楽しみです。

 

 

プリンセスコネクト!Re:Dive

原作ゲーム組は新キャラが登場するたびに歓喜していますが、未プレイの私はやはりよく分からない部分があります。が、メイン4人を中心に進められるストーリーは十分に楽しめます。 

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第5話のこの場面で流れた「Lost Princess」オルゴール ver. のBGMに笑ってしまいました

 

フルーツバスケット 2nd season

まさか魚谷ありさ恋愛模様が見られるとは! 「こんなの……好きだって言ったようなものだよ……」は本当に同意します。紅野は罪作りな男です。今度は花島咲の恋愛模様が見たいですね!

そういえば、1期に比べると2期では透くんのデフォルメされた表情を頻繁に見るような気がします。それだけ草摩家に馴染んできたということでしょうか?

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夏休みの宿題に絶望する透くんの図

 

 

本好きの下剋上 第2部

やはり現代的な倫理観を持つ身としてはあの孤児院の惨状とシステムには堪えられません。しかし、異世界転生したとて、現代の価値観をもって活躍するには、その価値観に対する良き理解者と協力者が必要ですよね。

ベンノさんや神官長のような存在に出会えたという幸運がなければ、マインはああやって活躍できなかったはずです。というわけで、マインの幸運に感謝して、神に祈りを!

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「神に祈りを!」

 

 


以上、2020春アニメ前半の感想でした。全話終了後にもまた感想を書く予定です!

 

 

*1:ちなみに、ここでいう「良い人」には、しばしば女性がモテない男性に向かって言う「良い人そう」以上にポジティブな意味を込めています。

*2:ちなみに、第7話はほぼアニメオリジナルのストーリーになるみたいです。

*3:アニメ「荒ぶる季節の乙女どもよ。」でこの言葉を知りました。

ゴールデンウイーク中に見てほしい無料公開中のアニメおすすめ3選

 

 

ゴールデンウイークがスタートしましたが、外出自粛期間ということで、YouTube上に期間限定全話無料公開されているアニメがいくつかありますので、私のオススメ3作品を紹介します。普段アニメを見ない方もこの機会にいかがですか?

 

 

ぐらんぶる(5月6日まで無料公開)

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ぐらんぶる

北原伊織は大学進学を機に、伊豆にある叔父のダイビングショップ「グランブルー」へ居候することになった。聞こえてくる潮騒、照り付ける太陽、一緒に暮らすことになるかわいい従姉妹… 青春のキャンパスライフ!

そんな伊織を待ち受けていたのは――野球拳以外のジャンケンを知らない屈強な男どもだった!! 入学早々大学のダイビングサークル「Peek a Boo(ピーカブー)」に目をつけられてしまった伊織は、会長の時田信治と、三年生の寿竜次郎に唆され、いつの間にかサークルの一員としてバカ騒ぎに加わることとなる。大学で知り合った、イケメンだが残念なオタク・今村耕平も加わり、彼らの青春はどんどんおかしな方向へと転がっていく。居候先にはかわいい従姉妹である古手川姉妹がいるのに、妹の千紗には汚物扱いされるし、姉の奈々華は重度のシスコンで相手にされず。愛すべき全裸野郎どもに囲まれた伊織の大学生活、一体どうなってしまうのか……。

 この「ダイビングアニメ」に登場する要素を登場頻度の多い順に並べるとすれば、「酒」≧「裸」>「ダイビング」でしょうか。つまりはコメディです。もちろん、きちんとダイビングしたりちょっぴりラブコメ要素があったりしますが、基本的には酒と裸にまみれたギャグのオンパレードです。女の子の水着を見たい!……という人にもオススメですが、それ以上に男の裸と股間の●を見ることになるのでご注意を!

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また、コロナ禍の影響で公開延期となってしまいましたが、実写映画も近日公開予定です。漫画・アニメでは●があったのに、実写ではこれがなくなってしまうという大惨事のようです。期待しています!

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五等分の花嫁(9月30日まで無料公開)

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五等分の花嫁

「落第寸前」「勉強嫌い」の美少女五つ子を、アルバイト家庭教師として「卒業」まで導くことになった風太郎。林間学校での様々なイベントを通し、さらに信頼が深まった風太郎と五つ子たち。そして今度こそ、五つ子たちの赤点回避をすべく家庭教師業に邁進しようとした矢先にトラブルが続出。さらに風太郎の初恋の相手である“写真の子”が現れ・・・!? 風太郎と五つ子の新たな試験が幕を開ける──!!

ヒロインが五つ子という設定勝ちのラブコメ作品です。主人公を五つ子が取り合う――という訳ではなく、五つ子の主人公に対する距離感はそれぞれです。が、個性ある五つ子が主人公とそれぞれにラブコメしてゆく様は応援したくなるはず。主人公がストイックな勉強一筋の姿勢にも好感が持てます。

ちなみに、コロナ禍の影響が予断を許さない状況ですが、アニメ第2期は2020年10月放送開始の予定です。

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寄宿学校のジュリエット(5月6日まで無料公開)

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寄宿学校のジュリエット

この恋は、秘密―。寄宿学校、ダリア学園。孤島に佇むこの名門校には、敵対する2つの国の生徒が通い、日々、争いを繰り返していた……。そんな状況の中、東和国寮の1年生リーダー、犬塚露壬雄と、ウェスト公国寮の1年生リーダー、ジュリエット・ペルシアは、実は秘密の恋人同士! 犬塚の告白ではじまったこの恋は、学園中の誰にも!絶対!!何があっても!!!バレちゃダメ! 絶対内緒の学園ラブコメ、開幕!!!

ブコメといえば主人公とヒロインが告白して交際するまでに時間がかかりますが、この作品は第1話で主人公とヒロインが交際を始めます。そのため物語の主軸は、タイトルから想起される通り、許されない二人の交際の秘密をいかに守るかという点に置かれます。二人(特に露壬雄)の初心な心情には男女問わず心動かされます。そんな二人の危険で甘酸っぱい恋模様をご堪能あれ!

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以上が私のオススメ3作品です。

YouTube上ではこのほかにも期間限定で全話無料公開されている作品は多数あるようです(「ヱヴァンゲリオン新劇場版」「炎炎ノ消防隊」「生徒会役員共」「K」「アルスラーン戦記」「ふらいんぐうぃっち」「怪物王女」など)。

私もこの機会にいくつか見てみようと思います!

 

 

 

2020年4月に読んだ小説・ライト文芸・ラノベ

 

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馬路まんじ『底辺領主の勘違い英雄譚』(オーバーラップ文庫

 

 

2020年4月に読んだ小説(一般文芸・ライト文芸ライトノベルを、あらすじと一言コメントを付して紹介します(ネタバレなし)。

※初読の作品のみ列挙しています。再読したものは含まれていません。

※女性が主人公(物語の語り手)の作品には「★」を付しています。

 

 

一般文芸

 

『幽霊たちの不在証明』(朝永理人)

羊毛高校文化祭の二日目の午後、二年二組のお化け屋敷で、首吊り幽霊に扮していたクラス委員・旭川明日葉の絞殺死体が発見された。彼女に想いを寄せていた「僕」こと閑寺尚は、打ちひしがれながらもその仇を討つべく、クラスメイトの甲森瑠璃子とともに調査に乗り出す。幽霊役の彼女はいつ本物の死体になったのか。分刻みの“時間当て”で犯人を絞り込む本格フーダニット・パズラーの傑作! 2020年第18回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作。

上述の通り、この作品はこのミス受賞作で、正統派の本格ミステリ(トリック(謎)とロジック(謎解き)に重点が置かれているミステリー)です。

ラノベライト文芸に負けず劣らず主人公・閑寺尚や探偵役・甲森瑠璃子キャラが立っていました。主人公の想い人である旭川明日葉が殺されてからは、その死に対するショックと甲森の生来の陰気さと人見知りで、物語は暗めの雰囲気です。しかし、それでも2人とも何らかの形で青春しているし、随所にギャグ要素が散りばめられているんだから、上手い構成というほかはありません。青春本格ミステリの一級品です。

 

 

『機長、事件です!』(秋吉理香子)

若きパイロット間宮治郎は、国際線デビューに胸を膨らませていた。だが初フライトを共にすることになったのは、厳しくて毒舌、変わり者で有名な美貌の女性機長、氷室翼だった。成田・パリ間の旅程ではトラブルが続発。往路では婚約指輪の消失事件が起こり、ステイ先では怪しげな連中に迫られ、ついには殺人事件にまで遭遇してしまう。氷室は持ち前の頭脳と観察力で事件の真相に迫るが!? ポップなトラベル&お仕事ミステリ!

著者の秋吉理香子氏といえば陰鬱な雰囲気のミステリーばかりを書いているイメージだったのですが、こんなポップなキャラクター重視のミステリーも書いているとは思いませんでした。

この作品は旅客機パイロットのお仕事小説でもあるのですが、なんと言ってもそのディティールに説得力がありました。小説末尾の謝辞を見てみれば、著者の両親と姉がパイロットでそこから取材していたようで、飛行機を操縦する様にはリアリティが溢れていました

機長、事件です! (角川文庫)

機長、事件です! (角川文庫)

 

 

 

『私のクラスの生徒が、一晩で24人死にました』(日向奈くらら)

二年C組の問題の多さには、呆れますね―教頭の言葉が突き刺さる。また私のクラスの生徒が行方不明になった。これでもう4人だ。私はその失踪にあの子が関係しているのではないかと恐れている。宮田知江。ある時から急に暗い目をするようになった女生徒だ。私は彼女の目が恐い。でもそんなことは、これから始まる惨劇に比べれば些細なこと。なぜなら私は、夜の教室で生徒24人が死ぬ光景を目にすることになるのだから…。

定期的にホラー小説が読みたくなり、贔屓のイラストレーターである田中寛崇氏が表紙イラストを担当していたこともあってこの作品を手に取りました。

ジャンルとしては、24人の死にざまを見ればスプラッターですし、後半の展開を見ればサイコホラーになるのでしょうか。

 

 

『震える教室』(近藤史恵)★

歴史あるお嬢様学校、凰西学園に入学した真矢は、マイペースな花音と友達になる。ある日、「幽霊が出る」という噂のあるピアノ練習室で、二人は宙に浮かぶ血まみれの手を見てしまうのだが……。

こちらもホラー小説(連作短編集)です。ジャンルとしては、ミステリー要素のあるオカルトホラーです。主人公の真矢と友人の花音はなぜか触れ合うと幽霊が見えてしまうという設定のため、百合作品でもあるのですが。

それにしても、それぞれの幽霊についてその存在理由を解き明かすというミステリー仕立てなのが嬉しい作品でした。

震える教室 (角川文庫)

震える教室 (角川文庫)

 

 

 

 

ライト文芸

 

『いのしかちょうをこっそり視ている卯月ちゃん』(鳳乃一真)★

逆槻卯月は奇妙な女子高生である。クラスメイトとは交流せず、放課後になっても一時間は席から動かない。バレないように廊下をひょこひょこ移動し、使われていない部室に侵入。そこで卯月が一人でしていることは、隠し持っているスマホの中に残った、ある3人のLINE記録を読み返し、クスクスしながら観察日記をつけること。卯月がそんなことをするのには理由があって———他人が決めた当たり前なんて受け入れない。これは逆槻卯月という少女がたった一人でこっそりと繰り広げる反逆の物語である。

LINE文庫ならではと言うべきか、本文の一部はLINEのトーク画面を読む仕様になっています(そのため横読み作品です)。

読み始めの序盤は、主人公はなぜか他人のスマホのLINEのトークを読み返していて、「なんだこれ?」状態なのですが、主人公の事情が徐々に明かされてくると続きが気になってしょうがなくなります

 

 

『横濱SIKTH』(ニリツ)★

これは、横濱で暮らす一人の『異能力者』の少女と、『掃除屋』達の物語。横濱――巷では表立ってはいないが『SIKTH=シックス』と呼ばれる異能力者達が確認され、事件が多発。最近では行方不明者まで出ているという荒様だ。そこには横濱の裏案件を「掃除」する元刑事を始め、蹴殺脳筋マシーンの男、カタコトの褐色ムスメ、詐称と女装が得意な美少年とそのメンヘラ保護者。そんな癖の強い奴らが揃う街で、女子校生の城黒セカイは今日も普通に生きている。たとえ自身が異能のシックスだとしても……。果たしてセカイが備える正しさは、この狂った世界の中で正しい武器となるのか、あるいは――

ライト文芸レーベルにもかかわらずラノベかと紛うほどに巻頭にカラーページがありますが、著者もイラストレーターもニリツ氏が担当している作品です。ジャンルとしては、異能バトルものです。

 

 

ミウ -skeleton in the closet-』(乙野四方字)★

就職を前に何も変わらない灰色の日々。あたしは何気なく中学の卒業文集を開き、『母校のとある教室にいじめの告発ノートが隠されている』という作文を見つける。それを書いた元同級生が自殺したと知ったあたしは、その子のSNSのパスワードを暴いてログインし、その子の名でSNSを再開した。数日後、別の元同級生が謎の死を遂げる。灰色の日々に、何かが始まった――。

ジャンルとしては、百合要素のあるミステリーです。元同級生の作文を見つけてから始まってしまった怒涛のミステリー展開には引き込まれました

 

 

 

ライトノベル

 

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…9』(山口悟)★

乙女ゲームの悪役令嬢カタリナに転生した私。魔法学園を卒業し魔法省で地道に働きはじめたはずが、最悪な未来が待つゲーム続編は進行中!? 回避方法がわからないまま、子供の誘拐事件の捜査のため、港街の食堂で給仕係として働くことになったのだけど…。任務では攻略対象のソラとマリアとの3人行動で、2人のお邪魔虫的立場に――って、ゲームの悪役と同じ立ち位置では!? これってまずくない!? 大人気破滅回避ラブコメディ★第9弾!!

現在放送中のアニメの原作ラノベ最新刊です。カタリナが魔法学園を卒業し魔法省で働き始めてからは、カタリナの傍にいるのはいつもマリア。やはり悪役令嬢モノでは「ヒロイン×悪役令嬢」の組み合わせがベストですよね。ゲーム1作目の登場人物も、2作目の攻略対象たちの勢いに押され気味です。そういえば、Twitter上で見つけたこのファンアート、素敵じゃないですか?

 

 

スイレン・グラフティ1~2』(世津路章)★

はじめまして!  わたしは、池野彗花。この春から、高校一年生です。お母さんが働いてるから、おうちの中のことと弟・妹のお世話はわたしの仕事なんだ。今一番気になっているのは隣の席の庭上蓮さんのコト。クラスじゃ不良だヤンキーだって怖がられてるけど、なーんかそうは思えなくて……。だけどある日、偶然彼女の秘密を知って一緒に住むことになっちゃって!? 「誰にもアタシが漫画描いてるってバラすなよ。バラしたらコロス」 わたしの家を作業場にして、新人賞を目指して頑張る彼女を、ささやかながら応援してます。ちょっぴり怖いけど、悪い人じゃないって知ってるから。そんなこんなで、わたしとあの娘のナイショな青春グラフティ、はじまります!

少なくともここ半年の中で一番の百合作品です。あと、クリエイター系のラノベは初めて読んだのでその点も楽しめました。

それにしても、この作品の中で一番良かったのは主人公の彗花のキャラクターです。ラノベや漫画やアニメでは珍しいお節介長女キャラなのですが、非常に魅力的でした。はめふらのマリアを彷彿させるクセっ毛なのも可愛いですよね。続刊を非常に期待しています!

  

 

『超高度かわいい諜報戦』(方波見咲)

「凡田君と、もっと仲良くなりたいの!」 高校生にして秘密諜報機関を指揮する天才少女、橘黒姫は初恋の真っ最中。好きな人のために組織の力を濫用し、超高度な諜報技術で接触を図る。「……誰かに監視されている?」それに勘づいたのは初恋相手・凡田純一。一見影の薄い平凡な男子生徒の彼は、実はある秘密を持っていて……? 「私が……凡田君と友達になるの!?」 そんな中、組織の命令で凡田と接触することになった暗殺少女・芹沢明希星。友達の作り方なんて知らない彼女の行動は、とんでもない波乱を巻き起こす! 高校生の三角関係に裏社会の命運が揺るがされていく超本格学園スパイ・ラブコメ、開幕。

面白かった……のですが、タイトルもイラスト(特にヒロイン)も基本コンセプトも、やはりかぐや様は告らせたい 天才達の恋愛頭脳戦」を想起せずにはいられませんでした。とは言っても、もちろんストーリーやキャラ設定は異なりますので、十分楽しめます。

凡田くんの持っている秘密については、これがなかった方が良いと感じた読者もいるかもしれませんね。

 

 

『転生ごときで逃げられるとでも、兄さん?』(紙城境介)

高校卒業から5年間、妹に監禁されていた俺は、やっとの思いで逃げ出した矢先にトラックに轢かれ、異世界に転生。悪魔のごとき妹からようやく解放された……。新しい、自由な世界での名はジャック。貴族の一人息子として、愛に溢れた両親と優しいメイドのアネリに囲まれ、幸せに満ちた、新たな人生が始まった――はずだった。そう、一緒に死んだ妹も、この世界に転生しているのだ。名前も容姿も変えたあいつが、どこに潜んでいるかはわからない。だが、今の俺には神様にもらった、世界最強クラスの力がある。この能力であいつを退け、俺は今度こそ、俺の幸せと、周りの人たちを守ってみせる――!

ヤンデレヒロインのラノベは初めて読んだ気がしますが、なんだかハマリそうです。が、前半の緊張感のまま後半を読了すると肩すかしを食らったような気分になりました。次巻以降に期待せよ、ということなのでしょうか。

 

 

『私、聖女様じゃありませんよ!?』(月島秀一)★

平凡な村娘として幸せに暮らしていた少女ティア。純朴な彼女はある日、異世界に召喚されてしまう。なんとティアは異世界の覇権を争う戦い『聖女大戦』に『聖女』として召喚されたのだった!「私、聖女様じゃありません!」と必死に訴えるティアだったが、実は彼女はレベル9999の最強少女であり、レベル上限が100しかない異世界では、正真正銘の無敵聖女様だった……! 襲い来る他国の聖女を圧倒的パワーで退けるどころか、規格外のスキルで仲間にしたり、自分を召喚した皇帝ユフィと仲良くなって異世界を満喫していって……! 目指すは聖女大戦の完全勝利! そしてお家に帰ること! 純朴聖女様のほっこり無双、開幕です!

百合ファンタジーです。聖女大戦のさなかのまったりとした日常描写には緊張感がないとは思ったものの、百合が優先されたようですね。

 

 

『底辺領主の勘違い英雄譚』(馬路まんじ)

犯罪者や異教徒が跋扈する荒廃した最悪の土地・ベイバロン領。若くして家督を継いで領主となったリゼは、凶悪な領民に殺されないため、一つの決断を下す。それは――領民に媚びへつらうこと! “王族や貴族にのみ与えられた神の力”とされる魔法を領民のために使いまくれば、幸せな暮らしを手に入れられる! ……はずが、いつの間にか領民に「国家への反逆者」だと祭り上げられ――!? 「「「さぁリゼ様、邪悪なる国王を討ち取りましょう!」」」 「(どうしてこうなった!?)」 浅慮さで右に出るものはいない、考えなし領主による最悪の領地運営譚、開幕!

主人公は領民に媚びへつらうために魔法を領民のために使用するのですが、それがなぜか変な方向に転がって行き、領民からは救世主だとか国王への反旗を翻すリーダーだとか勘違いされてゆきます。非常に楽しめる勘違いコメディ・ファンタジーで、本編32話構成なのでテンポ良く読み進められます。続刊希望!

 

 

以上が2020年4月に読んだ本です。

そういえば、3月くらいから、Twitter上で読了報告をするようになりました。作家は結構な割合でエゴサーチしているみたいなので(著者から♡が付けられることがあります)、感想までは書かなくともタイトル・著者名を読了報告するだけでも作家にポジティブな影響があるのではないかなぁと思っているところです。

 

ちなみに、3月に読んだ本はこちらから。

irohat.hatenablog.com